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武藤 博道さんのレビュー一覧

投稿者:武藤 博道

2 件中 1 件~ 2 件を表示

消費社会論

2000/12/28 12:17

史上最も豊かで,消費が人々の生きがいと化した現代の消費社会の特質と問題点を,幅広い視点から解明

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 「消費社会」とは,著者によれば「人々が消費に対して強い関心を持ち,高い水準の消費が行われ,それにともなってさまざまな社会的変化が生じるような社会」である。これはいうまでもなく,われわれの多くが現在体験している社会そのものであり,従って,本書の内容を理解することがそのまま現在の社会を理解することにつながるであろう。
 全体は大きく3部に分けられ,第1部「消費社会の基本構造」では,消費社会と資本主義の関わりが論じられる。そこでは消費社会が飢えと貧困を克服してきた資本主義によってもたらされる一方,資本主義も消費社会の欲求肥大化に依存する面が大きく,そのことが社会的消費の相対的な立ち遅れ,消費者問題の多発,消費の階級間格差,発展途上国の生活破壊,人間性や物質文化への悪影響,資源枯渇の危険性や環境問題の深刻化,といった問題の一因になったことが指摘される。
 このうち,人間性や文化への影響,環境への影響が本書のその後のテーマとなり,まず第2部「消費社会の人間と文化」では,消費志向へのシフトが経済の健全性を損ね,人々の社会への関心を薄めさせ,犯罪などの社会病理現象に結びつく可能性など,人間性へに影響が吟味される。また文化面での影響では,快楽の追求が娯楽的消費を高め,健康・安全・身体的安楽さが自己目的化し,さらに教育や芸術などの文化的消費が促進されるといった点があげられる。
 第3部「消費社会と環境問題」では,消費社会が資源の枯渇と環境汚染をもたらす一方,影響の表面化が遅れがちになることによって,事態が深刻化するという。問題は対応策だが,著者は「(課税や補助金などの)経済的動機づけだけでなく,環境保護のモラル教育が必要だ」という立場をとる。全体に文章は平易だが,深みを感じさせる好著である。
(C) ブッククレビュー社 2000

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経済学におけるサービスの位置付けは,商品との相互補完を重視する方向に発展しつつある

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 日本の就業人口の6割以上が何らかのサービスを提供する第3次産業に従事し,食品,繊維,鉄鋼,機械など製造業で働く割合は2割以下にとどまる。こうした現象は程度の差はあれ欧米諸国でもみられるが,それにもかかわらず,従来の経済学,特に理論の分野でサービス活動が分析の中心にすわることはなかった。
 本書は17世紀から今日までの経済学(一部社会学)の発展過程において,サービス活動およびサービス経済化がどのように位置付けられてきたかに初めて取り組んだもので,サービスに関する世界初の学説史として重要な役割を果たしている。
 全体は6つの章から構成される。第1章(序論)に続いて,第2章では18世紀から19世紀にかけての古典派の学説,第3章ではマルクスのサービスに対する考え方,そして第4章では1850年頃から1930年頃にかけての古典派への批判が紹介される。ここまでは,利潤を生まないサービスを不生産的労働と呼んだA・スミス以来の考え方に対し,その後のサービス活動の複雑化や公共サービスの増大を背景とするさまざまな見直しの歴史だといえる。これに対し,第5章では2次産業から3次産業への比重の移行を論じたC・クラークやポスト工業社会像を描いたD・ベルの功績に照明が当てられ,第6章ではサービス化の原動力を消費構造の変化に求めたJ・ガーシュニー,情報化(一種のサービスの工業化)の役割に注目したM・ポラトの研究などが高く評価される。
 つまり,経済活動全体に占めるサービスの役割が高まるにつれ,経済学におけるサービス研究も深化しつつあるようにみえる。したがって,本書の読み方としては第5,6章で現状との対応を先に理解した上で,興味に応じて2〜4章に戻るのが一つの方法であろう。 
(C) ブッククレビュー社 2000

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