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  3. 酒井 健一さんのレビュー一覧

レビューアーランキング
先月(2017年4月)

酒井 健一さんのレビュー一覧

投稿者:酒井 健一

13 件中 1 件~ 13 件を表示

X非効率性を計量化して産業組織内の非効率性を分析するモデルに基づき,産業の効率性を実証分析

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 近代経済学において,非効率というものは存在しないとして分析がすすめられる。完全情報と完全競争のもとで利潤最大化問題を解く,という形がそれだ。しかし,現実の経済を分析するとき,完全情報も完全競争も経済学(新古典派的な経済学)の意味では存在しない。そこから経済学者は,理論と現実の狭間に悩み,外部性や不確実性を含んだ理論を構築し現実問題の処方箋を提供してきた。近年は,産業間の分析が進み,産業の経済学なるものもでてきて,エイジェンシー理論などが展開されている。
 本書はライベンシュタインのX非効率性をモデル化することによって,企業や産業の非効率性を分析しようとしている。確立モデルを使って,フロンティア生産関数から乖離する生産性を観測し,その乖離する原因を,技術的非効率とそれ以外の非効率に分け,説明不能な非効率を,X非効率性と定義することによって,分析を進めていく。
 実際の分析は,高度な統計理論であるモンテカルロ・シュミレーションによっている。本書の意義は,このモデル化によって,従来,経済学で説明できないところにX非効率性はある,と一般に考えられていた問題を,計量経済学のモデルとして定式化したところに求められよう。しかし,本書を一般の読者が読むことについての疑問はぬぐいきれない。著者も本書を一般向けに書いたとは思えないが,その内容は極めて専門的である。実証面の日本の産業分析で,技術効率性を分析した後半も,前半の理解なしでは読めない。本書の専門書としてのレベルの高さは認めるが,一般の読者が読めないという点が,問題意識や分析内容の現代的な意味から,残念である。
(C) ブックレビュー社 2000-2001

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管理会計の基礎を網羅的に解説した教科書。初学者から実務家,専門家まで管理会計の座右の書

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 初学者が教科書を選ぶとき,選択の基準とするのは,1.読みやすいこと,2.その学問の基礎理論が網羅されていること,3.その分野の今のトッピックスが解ることの3点だと思う。本書はいうまでもなく,管理会計の教科書である。では,初学者が選ぶ基準を充たしているだろうか。
 まず,1.の読みやすさだが,解説は平易である。よくある著者の好みの専門用語やカタカナ語を多用するようなところがない。本書の特筆すべき特徴の1つは,第1編「管理会計の基礎」として,会計学の基礎を財務会計から原価計算論まで解説している。この編を読むことで,会計学に習熟していない初学者でも管理会計を学べる。文章も読みやすく,1の条件はクリアーしているといえる。
 2の基礎理論が網羅されているか,という点も,専門家を目指すのでない限り,初学者として十分な知識は習得できる。本書は,管理会計を第2編「利益管理会計」と第3編「原価管理会計」に分けて解説してあり,第1編の知識があれば,どちらから読んでもよいと思う。また,各編の各章に練習問題もあり,数値例も豊富で,コツコツと数値計算を解けば,管理会計の理論だけでなく,基本的な手法も習得できる。管理会計の教科書によくある,理論や専門用語の解説に偏重していない。従って,2もクリアーしているといえよう。
 3の管理会計のトピックスについては,利益管理面では,EVA(経済付加価値=税引後営業利益から資本コスト<株主期待収益と負債金利の合計>を差し引いたもの)や多国籍企業の利益管理を,原価管理面では,ABC(活動基準原価計算)やライフサイクル・コスト・マネジメント(環境会計)を扱っており,それなりの対応がなされている。
 本書はこのように,基本書として必要十分な内容を持っている。著者も「はしがき」で,日本における管理会計のスタンダード・テキストブックを目指している,と書いているように,今の管理会計のスタンダードなテキストといえるものだろう。
(C) ブックレビュー社 2000-2001

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会計ビックバンといわれる,2000年からの会計制度のポイントをマネジメント向けに解説する

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 2000年3月期の決算から会計制度が大きく変わり,連結主体の会計制度になったといわれている。この新しい会計制度の背景には,経済のグローバル化に伴い,各国の会計基準を統一しようという考えがあった。この会計基準の統一のために,日本の会計基準を見直した結果が,現在の会計基準である。
 この会計制度の変化は,多岐にわたり,説明を聞いてもテクニカルな面が多くて解らない。特に企業のトップマネジメントやミドルマネジメントは,新しい会計基準が,会社の経営にどのような影響を及ぼすのか,変わった会計基準はどのようなものか知りたいと思う。それについて本を探しても専門家の話と同じで,会計の専門知識がないと読めない。
 そんなマネジメント層に,新しい会計制度の概要とその経営への影響について簡潔に解説したのが本書である。新しい会計制度それぞれについて,今後の企業経営に及ぼす影響についても言及している点は類書にないものだろう。新会計制度の解説書を1冊と問われれば,これが良いと言える本である。
(C) ブックレビュー社 2000-2001

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新会計基準の概要の集大成。新基準がどのような背景の下で制定されたかも含めて解説している

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 2001年3月期決算は新会計基準がほぼ全面適用になる。この新会計基準の下での決算は,日本の会計制度にとって画期的なものとなるだろう。新会計基準は日本的な会計基準から,グローバルスタンダードと呼ばれる世界標準の会計基準に移行するからだ。しかし,その企業会計に与える影響は大きい。従って,決算が発表になったとき前期までの決算と大きく異なっている会計処理が目白押しである。
 本来,会計は継続性が維持されることが大前提だ。その前提をあえて崩して,新会計基準に移行する必要がどこにあったのだろうか。その疑問にこたえる本はなかなかなかった。本書はその疑問にこたえてくれる本であろう。
 本書の著者,加藤氏は金融庁におけるIOSCO(証券監督者国際機構)第一作業部会関係担当官ののテクニカルアドバイザーを務める公認会計士である。このIOSCOという聞き慣れない機関が新会計基準の火付け役である。世界経済のグローバル化によって各国の会計基準を統一することが検討され,その中心的な役割を担った。IOSCOは会計基準を統一するために,国際会計基準(IAS)を批准し,会計の標準とするため1993年ごろから作業を始めた。この過程でまず標準化の基本ともいうべき,IASのコアスタンダードを批准し,その後でコア以外の標準化を進めようとIOSCOは考えたようだ。ここで出てきたのが,各国による会計基準の相違をどう調整するかという問題だった。そこで,著者がテクニカルアドバイザーとして参加していた,IOSCO第一作業部会は,当時の国際会計基準委員会(IASC)議長であった,白鳥栄一氏にIASを批准するにあたり問題となる点について,”白鳥レター”と呼ばれるレポートにまとめ提出した。これが各国でIAS批准のためのたたき台となり,日本では新会計基準導入の議論のきっかけとなった。このような背景が本書の第1章で詳細に述べられている。この背景を前提として,従来の会計基準と新基準の違いを説明しながら,新基準の概要を解説している。
 従来の解説書と異なるのは,新基準導入の背景から説明している点はもちろんだが,基準の解説も新旧対比や新基準の概要が表で一覧できる点も工夫されているというのが本書を一読しての感想である。また,事例も必要に応じて解説されている。ただ,レベルは高い。本書の読者層はおそらく会計の専門家か実務家であろう。その点ではレベルの高さは問題にならないかもしれない。学生諸君が本書を読む場合は実務経験がないので少し戸惑うかもしれない。この点だけ残念だが,新会計基準のサーベイとしてはお薦めできる1冊である。
(C) ブッククレビュー社 2000

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バブル紳士の典型,高橋治則と「イ、アイ、イ」,融資した長銀の崩壊とバブルの実態を描いて90年代を総括

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 バブル経済が崩壊しその主役たちが表舞台から消えたいま,このようなバブルの時代を総括する本を読む価値はあるかと,いささか疑問に思いながら読んでいった。読みながらそもそも,バブルとは何だったのだろうか? と思った。俗に,「資産インフレが進行し資産価値の水ぶくれとそれを背景とした見せかけの景気過熱」と考えるのが普通の考え方であろう。では,この資産インフレと見せかけの景気過熱はどこから来たのか。本書は高橋治則(「イ、アイ、イ」社長)という,バブル紳士の行動とそれに荷担して潰れた日本長期信用銀行の姿を追うことでバブルの本質に迫ろうとしている。
 本書について強烈な印象がある。本書の登場人物の中でまともなことを言った人が一人しか思い出せないということだ。まともなことを言った人,それは富国生命社長(当時),古屋哲男氏。古屋氏が高橋の経営する「イ、アイ、イ」の大株主として「君たちのやっていることは事業じゃない。・・・身の程をわきまえずに買い物をしているだけじゃないか」といった言葉がそれだ。まさに,古屋氏が言った,「買い物をしているだけ」というのがバブルの本質だったと思う。バブルというは,その時々の投機的商品を事業を継続させるためでなく買い物をするように買い,値上がり益のみを享受する,これがバブルなのだ。80年代から90年代はこれを企業も政府も金融界も歯止めなくこぞってやってしまった。ここに問題があった。いま,バブルが崩壊しネットバブルとかいう現象が発生している。また,金融界の再編も古い体質を残したままのところもある。ここで再度肝に銘じるべきは,金儲けは本業で儲ける,というすこぶる単純なことだと気づかせてくれる1冊だった。
(C) ブッククレビュー社 2000

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ストックオプションを巡るさまざまな問題点を明らかにする。実務における対応とその実例を提示

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 日本にも1997年にストックオプション制度が導入され,2000年にその制度が拡張された。この間,日本の代表的な企業のいくつかがこの制度を導入し話題となっている。ストックオプションとは「役員や従業員に報酬として会社の株式を一定の期間に一定の価格で買い付ける権利を付与すること」である。このことから,ストックオプションを「業績連動型インセンティブ報酬」ということができる。すると,ここに商法や労働法など様々な法律上の問題が出てくる。実務的には法律の問題をどう解釈しどのように対応すべきか解らなくなる。本書においてそのような実務上の問題を制度の導入経緯から明らかにしてその対応を述べている。
 本書は単に実務のハウツー本ではない。ストックオプションを巡る立法上の問題点から書きおこし,商法や労働法,証券取引法という企業法全般に関する実務上の対応を述べている。第1章から第5章まではストックオプションの制度そのものに対する立法上の問題を述べ,第6章から以降は実務上の対応を述べている。
 本書前半については制度論とも言うべき議論であり,第2章でこの制度が極めて政策的な配慮から制定され,商法上の対応,特に自己株式取得制限という商法の大前提を崩す問題であったのにもかかわらず,議員立法により短期成立を見たことを批判したところは今後さらに議論されねばならない問題だと思った。また,後半の第6章以降は実務対応の手引きとも言うべき内容であり,豊富な事例がその理解を助けてくれる。執筆者も前半は商法学者を中心とした気鋭をそろえ,後半は実務家として申し分ない陣容で臨んでいる。本書は類書にありがちな書式の作成方法のハウツーでなく,何故このようなやり方が必要なのかが制度の趣旨と絡めて簡潔明瞭に解説されている。今,本格的にストックオプションを勉強しようという向きには最適な一冊だと思う。
(C) ブッククレビュー社 2000

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再建型の倒産法といわれる民事再生法について,運用面から実務家が問題点を提起し,あるべき方向を模索

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 バブル崩壊後,倒産法の迅速な対応と再建型倒産法の見直しが叫ばれていた。それにこたえて,和議法に代わって「民事再生法」(以下,再生法という)が平成12年4月1日に施行された。
 この再生法の運用はいかにあるべきであり,施行後,実際にどのように運用されているのだろうか。この問題について,通産省が4月17日に「民事再生法への期待」というコンファランスを開催した。また,4月18日には再建型倒産法のもう一方の柱である会社更生法に関して「会社更生法の課題」というワークショップを開催している。本書はその二つを収録し,関連論文を併せておさめた民事再生法の実務的な理論書である。
 本書を読むと,再生法は債務者(倒産企業等)の経営権を確保しながら再建を進めるための法律であることがわかる。特に,債権者と債務者が共同で再建に当たるのが再生法の主旨であることが各所に述べられている。また,再建にあたり,営業譲渡・DIPファイナンスのような手法を取り入れ,債務者が倒産企業でありながら資金調達を行うなども視野に入れた法律であることがわかる。
  再生法の問題点としては,減資は法律の運用上出来るが,増資は商法の規定に則って行わねばならず,再生法の実効が制限される場合も出てくるという点などがあげられている。また,本書の収録論文には,通産省の寺澤氏の「民事再生法を活かすための七つの鍵」と,同じく通産省の荒井氏の「民事再生法の概要に関する解説」が掲載されており,再生法について実務家が手っ取り早く法律の概要を知るのに最適な論文だと思う。
 本書の後半では,再生法と更正法の今後のあるべき方向の議論がなされている。要は,両法の長所を生かし,欠点といわれている部分の改正をしながら,統合を目指す展望が述べられている。法律というモノがとかく,既得権益の擁護に終始してきた姿からは,革新的な発想だと思う。今後,この議論が進展してくれることを望むものである。
 本書に注文を付けるとすれば,施行間もない法律の実務的な議論ということで,ハウツウものを期待するものではないが,少々難しいといわざるを得ない。ただ,現在出版されている再生法の解説書の中ではピカイチという評価はできると思う。
(C) ブッククレビュー社 2000

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Excelを使うことにより読者は計量経済学の計算を比較的簡単に習得でき,計量モデルの基礎を学べる

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 計量経済学を最初に習ったとき,一番大変だったのがデータを集計するという作業だった。当時(ほぼ20年前)は使えるパソコンも限られており,言語もFORTRANかBASICしかなかった。まずパソコンの言語を覚えて,統計学をマスターしてから計量経済学の計算ができる状態だった。今は一応の統計学の知識があれば,統計の計算はExcelでできる。これに目を付けて計量経済学の入門書としたのが本書である。データの集計作業と統計の計算,回帰分析までExcelはやってくれる。本書は実際の経済統計のデータを基に,Excelを使って回帰分析をする。Excelを使うことにより読者は計量経済学の計算を比較的簡単に習得できるのだ。これは何より便利である。本書を読みながら実際に作業をしてみた。
 Excelに習熟してなくても,およそ1時間もあれば本書にある一つのワークシートの結果は出てくる。純理論が嫌いな今の学生さんでもこれならば計量経済学の単位がものになるだろうと納得した。計量経済学のもう一つの問題にモデルの信頼性,推定したモデルが実際に使えるのか,という問題がある。検定という統計学の概念を使うのだが,これについてもExcelを使い計算過程を示している。とかく厄介な問題もExcelで簡単にできることを示している。
 本書は小難しい理論を知らなくても,Excelが使えれば計量経済学はこういうものだと分からせてくれる本である。ただし,モデルの検証を行うところの解説はちょっとレベルが高い。もう少し確率統計の解説が欲しいところだ。その解説にはもう一冊“Excelで学ぶ確率統計入門”というような本が必要かもしれない。また,本書には文献案内が全くない。関連する論文リストがあるのみだ。その点も初学者に親切でないと思う。そんな要望はあるが,計量経済学を自習する人,もう一度基礎を学びなおす人にはお薦めの一冊である。
(C) ブッククレビュー社 2000

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米国の会計基準の基礎を事例を豊富に取り入れて解説している自習書。日米の会計基準の相違も解説してある

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 近年は会計ビックバンと言われ,日本の会計基準も様変わりしている。たとえば,退職給付会計,時価会計,キャッシュフロー計算書などなどである。これらの基準をよく検討すると米国の会計基準を基にしているものが多いことに気がつく。
 そのような風潮の中,米国の会計基準を学ぶことがブームのようだ。あちこちに英文会計とかの学校も開設され,本も豊富になってきた。しかし,自習書というのがなかなかない。
 会計を学ぶために教科書を選ぶとき,ポイントとなるのは,1)会計基準を網羅して解説してあること,2)解説が平易なこと,3)事例が豊富なこと,が最低要求されると思う。その意味では本書は3つの条件をすべて満たしている。また,昭和60年以来4版を重ねたロングセラーだ。会計基準は時代とともに変化している。本書はその変化に対応して改訂されている。たとえば,最近話題の減損会計などという概念も,米国の会計基準が改正されたことに端を発して日本でも話題になっている。このようなアップデートなテーマも取り入れ事例を使って解説してある。
 用語の解説も平易に説明してあり,英文と日本語が見開きページで対照されているのも自習書としてはありがたい。著者2人が後輩の会計士に教えた経験に基づくものだと思う。その意味で,本書は英語の会計用語と,英文会計の処理方法を習得できるワークブックでもある。事例も米国の実務はこうだと分からせてくれる。また,日本と米国の会計基準の相違や簡単な米国の税法もコラム形式で解説されている。米国の会計基準を学ぶのには,バイブルと言ってもいい本だと思う。
 最後に本書について残念なのは,本が厚いこと,値段が高いことだ。本書が実務家や学生さんにもっと読まれるべきだと思う者としては,表紙をペーパーバックにした廉価版などもあってよいと思う。
(C) ブッククレビュー社 2000

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アカウンティング能力

2000/11/08 12:15

アカウンティング能力はリスク判断のための世界共通語。それを簡単な四則演算の知識だけで習得できる

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 会計の実務書はとかくビジネスマンに敬遠されるが,会計を学ぶには簡単な四則演算と会計の分析道具があれば足りる。本書は会計の知識を「アカウンティング能力」といい,「会計能力」「経営分析能力」「投資評価能力」の3つにわけて,それぞれの能力を習得するための必要最小限の道具を披露してくれる。少ない道具を使って良いものを作るというのは職人の技だが,この技を見せてくれる。
 これは,著者の炉氏が理科系の出身ということもあり,道具をどう使うかを心得ていることによると思う。その例として,「会計能力」を説明するChapter3,4で“木村商店”という極めて単純なモデルを導入し,そのモデルを拡張して,より一般的なモデルを構築するところに端的に現れている。このように,単純なモデルを一般化していく手法は会計学には欠けている。また,本書は実在の企業の財務諸表を使って分析道具の応用も見せてくれる。まさに基礎から応用までである。本書を読んだあとには,きっと会計嫌いも直っている,と思える本だった。
(C) ブッククレビュー社 2000

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紙の本環境会計 改訂増補版

2000/10/25 18:15

新しい会計の分野としての「環境会計」をステークホルダーとの関連で述べた教科書

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 最近はペットボトルの回収を含めて,資源ゴミの回収・再利用が言われている。企業も環境維持に積極的に参加しつつあるようだ。その成果として「環境報告書」を開示する企業も増えてきた。この環境報告書,開示内容を見ると,資源リサイクルなどの環境維持活動を物量面,金額面で開示した報告書である。ここに「環境会計」が登場する。
 本書は「環境会計」を「環境にかかわる事象を認識・測定・評価し,それを伝達する行為」と定義している。環境報告書の内容そのものが環境会計なのだ。本書の特徴としては,環境会計を情報の利用者の面からとらえてそのフレームワークを述べた点だと思う。環境会計の利用者を企業のステークホルダー(利害関係者)として,ステークホルダーを“伝統的ステークホルダー”と“啓発されたステークホルダー”の2つのタイプに分類し,環境会計のあるべき方向を啓発されたステークホルダーに対する環境情報の開示に求めている。その環境会計情報の認識・測定・評価のためには,企業において,内部環境会計と外部環境会計の2つの面から情報の蒐集・分類・整備が必要だとしている。著者の言う,内部環境情報は従来の管理会計に相当し,外部環境情報は従来の財務会計に相当すると言ってよいだろう。その2つの情報の有機的結合があって初めて,環境会計が可能となる。
 本書は報告・開示に関しても各国の現状を分析し,その実態を分析している。ここで面白いのは,貨幣単位の環境報告書はアングロサクソン系の国に多く,物量単位の環境報告書は欧州大陸系の国に多いという分析である。環境報告書の課題として,物量単位の情報を貨幣単位に還元する方法があるのだが,このアングロサクソン型と大陸型にも,その問題が色濃く現れていると思う。まさに,本書に注文を付けるとしたらその点である。この貨幣換算の問題を“環境経済学”などで提起されている,ヘドニック価格法,トラベルコスト法,擬制的市場法などと関連づけ,会計としてのあるべきフレームワークを述べてもらえたらと,思った。
 本書は数少ない,環境会計の分野の学問的な教科書としては実務家でも読む価値がある本として評価できる。その点で著者に敬意を表する。
(C) ブッククレビュー社 2000

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近年の金融業を分析した論文集。日本の企業統治を契約統治として分析した論文が興味深い

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 金融業はまさに近時のIT革命の申し子のようになっている。様々な商品が開発され,その開発運用がIT革命によって成し遂げられた。そんな金融業を「情報業者」と定義付け,金融市場の分析,金融商品のリスクなどを論じた論文集が本書である。
本書ははっきり言って一般向けではない。金融に関わる実務家や研究者が読む本である。専門用語の知識も必要だろう。そんな論文の中で,ひとつだけ一般向けの論文といえるのがある。第3章「ボードルームの銀行」だ。この論文は,日・米・独3国の銀行が企業統治にどのように関わっているのかを論じている。米国は所有と経営の分離に基づく企業統治,日本とドイツは株式相互保有による企業統治と分析する。ここまでは良くある論旨だが,日本とドイツを契約統治と位置づけ,このシステムの長所を強調している。アメリカにおいても「契約統治システムを併用することが望ましい方向」と結論づける。この論考は極めて興味深く読めた。また,その他の論文も,金融業の様々な面の分析として読みごたえがあるものだ。
(C) ブックレビュー社 2000

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運と自己顕示欲の強さが発揮されている。成功秘話と言うよりも俺がトランプだ!と自画自賛している

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 ドナルド・トランプはアメリカの地上げ屋さんだ。その彼が90年代初頭に不動産市場の崩壊から立ち直り,不動産王として復活する戦いを記した本だ。一読して,よくもここまで自画自賛できるなと感心する。彼の成功の秘訣は,この自己顕示欲の強さだ。これが銀行との駆け引き,アトランティックシティの運営,マー・ア・ラーゴの買収,ウォールストリート40番地ビルの買収などすべてに発揮されている。相手を圧倒する自己顕示欲がある。この成功をもとにして,トランプ・インターナショナルを形成し,ミス・ユニバースのマスターにもなってしまう。これがアメリカン・ドリームというものであろう。ただあ然とするばかりだ。
 本書の中には,ち密な財務分析や弁護士などの専門家のアドバイスを受け,成功を勝ち取る過程も出てくるが,やはり目立つのはトランプその人の個性だ。こんな友人が一人くらいいたら面白いとさえ思う。
(C) ブックレビュー社 2000

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