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先月(2017年6月)

木下俊彦さんのレビュー一覧

投稿者:木下俊彦

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ASEAN経済、今後の進路はどこへ

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 東アジア経済は、1980年代から90年代半ばまで、急速かつ公平な分配を伴った成長の達成に成功し、「東アジアの奇跡」と名づけられた。この間、韓国、台湾と異なり、ASEAN諸国の場合は、外資主導の工業化を遂げてきた。この期間の東アジアの経済成長率は、国際的にきわめて突出したもので、しかも、ASEANのそれは、アジアNIESよりも高かった。域内の経済格差は縮小する傾向を呈し、「雁行形態的」発展といわれた。
 著者は、こうしたASEANの経済発展を直接投資と開発金融という2つの軸から長年研究してきたこの分野の第一人者である。その著者が、前著(黒柳雅明との共編著『入門 開発金融 理論と政策』日本評論社、1998年)に続いて、本書を世に出した。この書は、今、内外の国際・地域エコノミストが、通貨・金融危機で大きな打撃を受けた東アジア諸国が、99年から再び力強い経済成長を始め、通貨・金融危機はなぜ発生し、これからの経済発展パターンは、危機前と同じかどうかという論争が始まったときにまことにタイミング良く世に出た。
 著者の考え方を整理すると、(1)「グローバリゼーション」の進行を前提とする限り、外資を積極的に工業化に活用するASEAN型開発戦略は依然として合理的かつ有効(2)アジア金融危機の再発を防止しつつ従来型の発展を続けるためには金融市場メカニズムの強化が重要。金融システムにおける市場メカニズムを強化するには単に金融部門の改革を続けるだけでは不十分で、実物部門における市場メカニズムの徹底が必要(3)そのためには、従来以上に積極的に地場経済と外資系企業・金融機関とのリンケージを強化し、実物と金融の両部門に積極的に導入することが大切(4)もっとも、外資(直接投資)を積極的に入れていけば、持続的発展が自動的に現出するのでなく、社会資本や経済インフラの拡大、サービス部門の近代化を進め、資本の限界効率が低下しないようにすることが必要。しかし、この分野は外資に入ってもらいにくい分野であるから、地場金融システムの能力と経済・社会インフラ充実への政府部門の努力が必要—ということである。
 中国とASEAN諸国・地域(AFTA)との市場競合問題やIT革命のASEAN経済への影響、外資によるインフラ投資(BOTなど)の今後の展開など著者に確認したい点もあるが、ASEAN諸国経済の先行きに関心を持つ向きには、分かりやすい本書は必読の書といえよう。
(C) 日本経済研究センター

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