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先月(2017年5月)

細田衛士さんのレビュー一覧

投稿者:細田衛士

1 件中 1 件~ 1 件を表示

日本経済グリーン国富論

2000/11/07 00:15

循環型社会の未来図

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 本年、日本で循環型社会形成推進基本法が成立した。また、廃棄物処理・リサイクルにかかわる5つの法律が成立ないし改正された。循環型社会への道筋は、着々と整備されつつあるように思われる。しかしながら来るべき経済社会の見取り図を鮮明にイメージできる人は少ない。「循環型社会」あるいは「低環境負荷型社会」という言葉が発せられることは多いが、具体的なイメージが伴っていないのである。
 本書は、未来に向けての見取り図を明確な形で示してくれる。筆者の主張は、「環境樹」という言葉によって集約されている。1本の木が、葉、枝、そして幹といったさまざまな部分から有機的に成り立っているのと同じように、循環型社会も、理念、構成要素、主体、ツールなどの異なった部分が有機的に結びつくことによってはじめて可能となる。
 消費者、企業、地域社会が協力することによって、新たなネットワークが出来上がる。エコマネー(地域で流通する環境保全型貨幣)もこうしたネットワークの延長線上にある。ツールとしては、ITが重要な貢献をする。見えるモノも重要だが、付加価値は見えるモノだけから生まれるのではない。むしろ現在では、見えないモノから大きな付加価値が生まれる。それを技術的に可能にするのがIT革命だ。もちろん、法律的なインフラがなければ循環型社会は形成されない。見えるモノからの執着がなくなれば、新しい社会が見えてくる。資源生産性を上昇させることは充分可能だ。SOHOが普及すれば、もはや満員電車で通うこともなくなるし、マイカーもいらなくなる。
 本書を読んでいて面白いのは、一方で環境のことが語られているのに、経済についての詳細な記述に多く出会うことだ。ここに筆者のバランス感覚を感じる。筆者は、長きにわたって現実の経済を取材してきただけあって、現実感覚に鋭い。一方で熱く環境問題を語れる人でもある。こうした人は決して多くない。ゼロエミッションと言えばうさん臭く感じる人もいるかも知れない。しかし現実の例をふんだんに取り入れた本書を読んでいると、ひどく現実味を帯びた概念であることが分かってくる。理想主義と現実主義が見事に調和しているのだ。
 もちろん本書の主張が、すべて経済理論的に確証されているわけではない。実際の取材から得られた貴重な情報が、経済理論的にも確かめられる必要がある。こうした課題にチャレンジすることは、環境経済学を学ぶものにとってやりがいのあることに違いない。
(C) 日本経済研究センター

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