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先月(2017年8月)

小澤 芳生さんのレビュー一覧

投稿者:小澤 芳生

1 件中 1 件~ 1 件を表示

あくまで人間的なソフトウェア開発手法論

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 書名からは新しいコンピュータ言語の紹介本なのかと誤解してしまいそうだが、副題にある通り本書はソフトウェア開発の手法(方法論)についての解説本である。いや、むしろ啓蒙書と言ったほうがいいであろう。その適用範囲は多岐にわたり、開発時における人間の心模様や物理的な机の配置にまで及んでいる。もしこの方法論を忠実に導入できるのであれば、ソフトウェア開発における障害(バグ)についての世間の諦めムードを完全に払拭できるであろう。

 ソフトウェアの開発に携わる人間は、全員がバグのない良いものを作ろうとしていることは言うまでもない。しかし問題は常に発生する。本書はそういった問題を開発プロセスの問題として捉え、そのプロセスをうまく動かす手法を「eXtreme Programming(XP)」と名付けている。
 方法論というとちょっと難解に思えるが、なにも難しいことを要求してはいない。たった12の実践を徹底的に行うだけである。しかもこれらの実践はどれもシンプルなものばかりである。例えば「ペアプログラミング」という実践は文字通り二人一組でのコーディング作業で、会話を主体にマシンを二人で一台所有しながら一方がプログラムすると同時にもう一方がそれをよりよくしていく実践である。「共同所有」という実践もある。誰が書いたコードでも、いつでもなんの断りもなしに手を加えることが可能で、担当者しかわからないといったリスクを防ぎ、知識をチームに広めることができる。もちろん「テスト」の実践も存在する。XPのテストはコーディングより先に書くべきものであり、常にコードと一体である。
 これら12の実践は「コーディング」「テスト」「ヒアリング」「設計」というソフトウェア開発の根本の活動を正しく実行するための提言であり、各実践は相互作用することで補完しあい相乗効果を生み出し「Extreme(究極)」の開発方法を構成している。ただし本書はマニュアル本というわけではないので、実践の詳細な手順が記載されているわけではない。12の実践は何故大事なのか? 何故有効なのか? そういった疑問を開発に携わる人間の感情をふまえて説明することに重きを置いている。
 XPにはルール、価値、原則があり、なにか障害にぶつかったときはいつもこれに照らし合わせてその解決方法を導き出すそうである。ルール、原則はたいがい予想がつくが、XPの「価値」とはなんであろうか? それは「コミュニケーション」「シンプル」「フィードバック」そしてこれを究極に実践するための「勇気」の4つだそうだ。なるほど「勇気」は確かに無くてはならない大事なものかもしれない。なにしろXPを導入するということは、正しいことを様々な困難に立ち向かいながら「究極」に実践することなのだから。

 もちろんXPは万能ではない。本書後半で述べられているが、開発によっては向き不向きがある。XPを導入すればなんでもかんでも全てうまくいくと言うわけではなさそうだ。
 プログラマはもちろんマネージャやユーザ(顧客)も含めて、XPの目指すところは少なからず耳に痛い部分を含んでいるであろう。だがソフトウェア開発に携わる人間ならXPを導入するか、しないかに関わらず本書には目を通す価値があるだろう。

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