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先月(2017年6月)

朝松 健さんのレビュー一覧

投稿者:朝松 健

2 件中 1 件~ 2 件を表示

真田三妖伝

2002/12/18 11:56

「真田三妖伝」について

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 わたしはこの作品を嘘と法螺とで塗り固めた。
 主人公は猿飛佐助。今から80年ほど昔の講談から生まれた忍者である。当然、架空のヒーローだ。
 ヒロインは柳生佐久夜姫。伊藤一刀斎の一人娘にして、柳生宗矩の養女である。振袖に袴を穿いた、前髪も凛々しい若衆姿で、しかも新陰流の使い手だ。
 これはわたしの歌舞伎趣味の産物。出自から境遇まで、わたしのオリジナル・フィクションに決まっている。
 この二人が敵対しながら、互いに心惹かれ合い、大久保長安の書き残した謎の巻物『燦星秘傳(さんせいひでん)』争奪戦に巻き込まれていく。というのが物語の骨子である。
 そう。──わたしの狙いは「隠密剣士」「仮面の忍者赤影」「ワタリ」「風のフジ丸」「真田十勇士」「新八犬伝」といった、かつて夢中になったテレビドラマ・アニメ・人形劇の「世界」を召喚することにあった。
 だが、わたしは単に「懐かしのあの世界をいま一度」などというベタベタした感傷で作品をものした訳ではない。
 
 国文学者、高田衛(たかだ・まもる)先生は『八犬伝の世界』でこう述べておられる。
「伝奇幻想のロマン」は「夜の領域にある」。
「しかし、夜の領域の文学は「闇」を書くことで「光」を求める文学ではないだろうか」。
「社会がいろいろな意味で行きづまり、人々が心ひそかに、行きづまった社会そのものの打開、少なくともその予感を求める時代に、伝奇ロマンは生み出される」。
 いかにも、わたしの「真田三妖伝」は、そうして生み出された。
 闇に闇を重ねて描いていけば、光はいっそう際立つものである。おなじように嘘に嘘を、法螺に法螺を重ねていった時、やがて浮かび上がってくる真実もある。
 それは夢であり、ロマンである。
 夜の領域の住人たちに。伝奇を愛する人に。幻想と怪異に偏する人に。時代劇を理屈抜きに愉しみたい人に。
 そして誰よりも──。
 眉に唾つけることなく読んでくれる人たちのために。
 わたしは「真田三妖伝」を書き上げた。

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一休虚月行

2002/12/18 11:54

「一休虚月行」について

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「応永十九年(1412)六月、南蛮船若狭に来る」
 室町時代の資料にあたっていた時、突然、こんな一行に接した。その瞬間、わたしの中の「常識」が音をたてて崩れ落ちた。
 考えてもみたまえ。
 ポルトガル船が種子島に漂着して鉄砲を伝えたのが、天文十二年(1543)である。ところが、それより百三十一年も前に南蛮船が若狭にやって来ていたというのだ。
 どこの国の、どんな船だったのだろう。それに向かった当時の人々の反応はどんなふうだったのだろう。
 そんなことを考え出したら、いきなり、わたしの頭の中で「一休虚月行」のイメージとストーリーとが隅から隅まで広がったのだった。
「風を捕まえ、影を追う」のが伝奇小説の愉しみであるならば、本書こそ、まさしくその愉しみのために書かれた作品である。
 どうか風のごとき奇想に触れて、影のような幻想と「前向き」に戯れていただきたい。
 読後、あなたの人生は、本書を読む前より、確実に月の光の重さだけ豊かになっていることだろう。

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