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先月(2017年6月)

鈴木めぐみさんのレビュー一覧

投稿者:鈴木めぐみ

3 件中 1 件~ 3 件を表示

紙の本こんな生活

2002/03/13 18:15

作者の人柄とぜい肉のない暮らしぶりがうかがえる、「ゆとりある生活」のマンガエッセイ

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 ソバをすすりながら家族と迎える年越しや、オバチャンたちでにぎわう銭湯でのハダカのおつきあい。『こんな生活』には、日本に生まれてよかった!としみじみ感じるさまざまな場面が登場する。大田垣晴子の作品はどれも「ほのぼの」「なごみ系」という形容がピッタリくるものばかりだが、作者の身辺雑記ともいうべき本書では、加えてそんなノスタルジックな味わいも楽しめるのが嬉しい。
 もちろんこれらは決して目新しいモチーフではないが、ひとたび作者の手にかかれば、ぬくもりたっぷりの大田垣ワールドに早変わりする。それはひとえに、メールや携帯といったデジタルなコミュニケーション全盛のご時世にあっても、「盛り上がりはするものの会話ができないカラオケより、一献傾けながらゆるりとお話しする方がいいなぁ」とつぶやく作者の人柄のなせるワザなのだ。
 ところで、「モノというのはなるべくない方がいい」「服も本も何もかも、イザという時には捨ててゆけるモノばかり」などの言葉通り、作者の日常はいたってシンプル。引越し荷物がダンボール14箱(!)に収まるという話からも、ぜい肉のない暮らしぶりがうかがえる。とはいえ、限られた持ち物の中に、世界一小さいハーモニカとか、『家庭の医学』の夫婦の性生活の頁(『オトコとオンナの深い穴』の資料?)で活躍していたというモデル人形のウッディくんなどなど、イマイチ実用的ではないが「かわいいもの」が少なからずあるあたりが、いかにも大田垣晴子っぽい。これぞ心にゆとりのある生活、というんだろうなぁ。
 それだけに、この1冊の癒し効果はバツグン。仕事や雑事であわただしい毎日を送っている時にこれを読めば、とりあえずはポン酢片手に鍋でもつつきながら、おいしいお酒でも飲んで、明日への英気を養うぞ、なぁんて気分になれることうけあい、なのである。 (鈴木めぐみ/ライター)

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紙の本秘密 1

2002/05/10 22:15

死者の脳から生前の視界を取り出す「神の領域」の危うさ

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 清廉潔白な人格者である第57代アメリカ大統領ジョン・B・リードが、休暇中に謎の死を遂げた。暗殺の可能性もあるこの事件を解決するために、死者の脳に電気刺激を与えて彼の視界をそのままスクリーンへ映し出す最新技術——MRIが導入される。しかしそれは、大統領が命を賭けてまで守ろうとした秘密を、容赦なく衆人の前にさらけだす行為だったのだ。そして5年後、皇室の結婚式と同日に起こった9件もの少年自殺事件の謎を解くべく、若き警視正・薪の陣頭指揮のもと、より進化したMRI捜査が開始される。が、少年たちの「視線」から浮上したのは、獄中で自殺した稀代の殺人鬼・貝沼との意外な接点であった……。
 清水玲子がその作品を通して繰り返し訴えかけるのは、人間が「神の領域」へと足を踏み入れることの危うさである。各国の要人に万が一のことがあった場合に、臓器の提供者となるべく生を受けたクローンたちが主人公の『輝夜姫』は言うまでもないが、作者はこの『秘密−トップシークレット−』でもまた、進歩した科学が死者の尊厳までをも蹂躙する残酷さや、プロファイルのためとはいえ、他人を狂気へといざなう異常犯罪者の「視線」にシンクロすることの怖さを、鮮やかに描いている。
 ところでこのシリーズのプロローグにあたる部分は、実は当初『WILD CATS』1巻の同時収録作品であった。その時点で長編読切と銘打たれたものの、あとがきの<この作品は気に入っているので、「死んだ人の視線」にこだわったネタでまた描いてみたい>という作者の言葉どおり、大幅に加筆した上で、今回シリーズとして改めて刊行されている。それもあってか、「神父」と称されるほどのストイックな人物の視線を追った第一話と、主人公が犯罪者の異常な内面に対峙する第二話は、同じモチーフながら全く違う味わいのストーリーに仕上がっており、その点でも読者の期待を裏切らない、読み応え十分な作品なのである。 (bk1ブックナビゲーター:鈴木めぐみ/ライター)

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怖さの中にも親しみが感じられるノスタルジックホラー

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 見えないはずのモノが、見える。亡き祖父譲りの霊力ゆえに、飯嶋律の周囲には、常に不可思議な出来事が起こってしまう。第7巻では、2浪の末に晴れて大学生になった彼だが、普通の学生たちの中では、妖魔になじんでいる律の特殊さが、いっそう際立って映る。
 この作品はジャンルで言うならオカルトものだが、一時期流行ったスプラッタの類ではなく、小泉八雲の書く怪談・恐怖話に近いノスタルジックホラーである。作者の画風によるところも大きいが、古い日本家屋に居るような、昼でもほの暗くシンとした雰囲気が、ひたひたと何かが迫る怖さに拍車をかける。
 しかし登場するもののけは、人間に危害を加える邪悪さながら、どこか愛敬があり憎めない。例えば、自称「律の家来」であるカラス天狗の尾白と尾黒は、酒好きのちゃっかり者と、人間くささたっぷり。怖さの中にも、どこかホッとする親しみが感じられるのは、そんな妖魔たちの愛らしさのなせる技である。

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