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  3. 佐藤 真理子さんのレビュー一覧

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先月(2017年3月)

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    3月のライオン(1)

    3月のライオン(1)

    羽海野 チカ(著),先崎 学 (将棋監修)

    5つ星のうち 4.5 レビュー詳細を見る

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    はらぺこあおむし 改訂

    はらぺこあおむし 改訂

    エリック=カール (さく),もり ひさし (やく)

    5つ星のうち 4.5 レビュー詳細を見る

佐藤 真理子さんのレビュー一覧

投稿者:佐藤 真理子

4 件中 1 件~ 4 件を表示

国内初,すべての関係者に薦められる注意欠陥多動性障害の緊急援助バイブル

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 「もう,お手上げです。今に息子に手をかけ,けがをさせるのではないかと心配です。私は気が狂いそうなのに,息子はまったく言うことをききません。もうどうにもできないのです。どこかにあげてしまおうとさえ思います」(本文より)。
 子供は好奇心の塊であり,とんでもないことをして周囲をあっといわせることがある。そのほとんどが大目に見られるのは無邪気な幼年期の特権である。しかし,それが度を超し,周囲に緊張や拘束を継続的に強いるようになったら環境は激変する。とりわけ子供はどういう特徴を示すのだろうか,また,その子供から逃れられない親や兄弟たちの行動や思考にはどのような影響を及ぼすだろうか。
 著者ラッセル・A・バークレーはADHD(Attention Deficit Hyperactivity Disorder=注意欠陥多動性障害)を,セルフコントロールの発達障害,注意持続時間,衝動性,活動レベルに問題がある障害と定義している。これらの問題は時間の経過,未来に目を向けて行動をコントロールする意志や能力が子供に欠けるために起こると解説している。ADHDについて周囲が無理解であったり,敵対関係が浮き彫りになったりすると,それらの障害が個人の性格上の問題や親のしつけの怠慢,すなわちどうしようもない子供とだらしがない親として評価されるようになるという。やがて子供も親も神経をすりへらし,くたくたになってしまう障害なのである。
 この障害はすべての子供の3〜5%に見られるというが,現在日本国内ではADHDという枠組みやこれが障害であるという“現実”はさほど認知されていないように思われる。また,症例研究や専門的援助者も国内ではこれから育っていくという段階である。だからこそ国内の当事者たちは今,自分たちがどのような問題を抱えているかを把握することもできずにおろおろするしかなかったと思われる。本書はADHDを長年にわたって追跡調査した研究者によってその援助ニーズが汲み取られ,実用的な本にすることに成功している。
 構成は,4部からなる。第1部ではADHDがどのような障害かを研究成果から解説し,同時に誤解や現在不明となっている部分についても列挙している。読者は多くの情報から科学的根拠に基づく判断をすることの大切さを読み取ることができる。第2部では,ADHDを引き受けて立ち向かう,すなわち,最終決定権をもつ親としてうまくふるまう方法を詳細に述べている。以上までで子供が成長するに従って目の当たりにするであろう問題や,親がやがてどのような態度をとるだろうかという行動分析が簡潔に論じられている。前もって子供への具体的な対応や親のための感情コントロールについての心構えができるよう配慮がなされている。第3部では「ADHDの子供との毎日」と称して家庭や学校での対処方法のプログラムが具体的に述べられている。設定は米国であるが日本国内でも応用が可能である。第4部では最新の薬物療法(日本では手に入らないものも含まれる)について解説している。そして最後に日本のADHDの状況と今後の展望について国内の支援組織のインタビューが掲載され,国内の医療機関,支援団体,教育関係相談窓口,関連図書のリストが紹介されている。
 本書は現在抱えている問題と同時に将来遭遇するであろう問題についても心構えができるように配慮されている点がすばらしい。ただあくまでも海外で書かれた本であり,一部ではあるが,日本国内の環境を考慮しながら読み進めていく必要があるだろう。本書を契機に国内でもADHDの理解や研究が進むことが期待される。読者対象はADHDの子供をもつ家族や医療関係者,教育関係者などであるが同時に児童心理や障害者理論に興味のある学生にも刺激のある本となっている。
(C) ブックレビュー社 2000

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専門的知識だけでは限界あり!薬学を医療の現場につなぐ,倫理教育の必要性がみえる本

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 楽しみになってきた。やっと薬学に倫理教育の必要性を説く人々が増えてきたという印象をうける著書である。
 いま,薬学教育は急速に変化している。つい最近まで,薬学教育は創薬研究がその大部分を占め,薬学生は患者やほかの医療従事者と接する機会はおろか,実際に流通している医薬品を手にすることもほとんどなかった。そしていざ,薬剤師になってみると,直面する問題,医療や環境の問題などが,いままで受けてきた教育とあまりにもかけ離れていることに愕然(がくぜん)とする。医療技術の進歩とともにさまざまな薬が開発され,生命・情報・環境のバランスがとれなくなってきている。試験管を振っているだけでは決してみえなかった世界。
  著者の奥田潤氏はそこに倫理教育の必要性があることをいち早く気づいた薬学教育者の1人である。加えてもう1人の著者,川村和美氏は若手の薬剤師の1人である。倫理の本を教師と教え子の2人でまとめたという点もおもしろい。この領域の本は医学や看護でかなり出版されてきているが,薬学の世界で語られることはほとんどなかったか,評価されなかった。
 本書はまず,倫理学概論からはじまる。人がよりよく生きるための手段としての倫理を説き,前半は意思決定や臓器移植を中心とした医療倫理概論,新薬開発の倫理,薬の適正使用や薬害を中心とした薬物療法の倫理,公害や廃棄物を中心とした環境倫理学概論と続く。後半は,現場での薬剤師の薬事公衆衛生学,薬剤師に必要な倫理観,海外を含めた薬学教育の紹介や薬剤師の倫理規定などについて触れる。
 多くの倫理的問題をとりあげ,概論的性格の強い本となってしまった。だからここを出発点として,展開される諸課題について薬学生はディスカッションやロールプレイができるし,若手薬剤師は抱えている問題の背景を整理し,職務意識を高めることができるだろう。また,薬学部を目指す高校生も現場でどのようなことが問題となっているか,薬剤師としてどのような職能をを要求されているかといったことを知る。著者はこう結んでいる『“知識”と“技能”の向上はもちろん必要である。しかし現在,もっとも必要とされているのは“倫理”である』。
(C) ブックレビュー社 2000-2001

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自分の体を知るために検査の準備や心構えを外科医から情報公開

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 病いはそれだけで気が重い。さらに,患者にとって医療に関することは謎だらけである。医師の説明は(あったとしても)患者に分かりにくいことが多かった。医師から専門用語で話しかけられても患者はそれだけでこわばってしまう。例えば,どんな検査が何のためにあるのか。具体的に何を準備すればいいのか?気になることは山ほどある。医師にとっては見慣れたX線像であっても患者にとっては違う。白い影や黒い部分にどんな意味があるだろうか。しかし,3分診察の現状では気軽に質問ができるわけでもない。そこで“センス”のある医師たちの間でどう説明したらよいかと試行錯誤が始まった。その試みのひとつの形が本書のような図解を盛り込んだ一般市民向けの解説書である。
 この本の特筆すべきは,画像と立体的な「スケッチ」を並べて一組としているところである。解剖学のテキストと異なり,本書の「スケッチ」は,患者向けの“翻訳”機能も持つ。読者は何度も見比べて,医師には「何が見えているのか」を認識できるからである。例えば,造影写真では見えない癌の部分を「スケッチ」のなかに確認することで,「どこに問題があるか」を,また「問題のあるところはどのように写るのか」を知ることができる。
 加えて触診についての解説が目新しい。医師が何に触れ,何を調べているのかわからず,不安に思った患者もいたことだろう。続く検査についての章は,準備と心構え,方法(通常の検査時間),検査後の注意,結果として得られる病状という簡潔な構成になっている。
 本書の読者は,検査内容や医師に確認したいことを認識しやすくなるだろう。少し苦言を申し上げておくと,図の配色は目に優しく,配慮も感じられるが,例えば解剖学用語等には,ふりがながほしい。また,患者は検査の内容や準備(食事や排便,服薬についての注意など)だけでなく,衣服をどこまで脱ぐのかなど周辺のことも知りたいものである。これで膨大な医療のすべてを網羅できたわけではない。ぜひ続編を期待したい。

(C) ブックレビュー社 2000

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人間に何が分かるのか——脳研究の最前線が徹底的に理解できる知的興奮に満ちた対談集

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 本書は日本の脳研究の最先端の現状と成果を解剖学者,養老孟司氏と21世紀にも現役として活躍する若手研究者たちとのエネルギッシュな対談で紹介するものである。
 脳科学の本といっても堅苦しい本ではない。初めてこの分野のことに興味を持って読む人にも分かりやすいように専門用語や言葉の言い回しには的確な注釈が付けられている。対談は「脳にせまる機械」,「多様性にあふれた脳」,「脳と心の正体」の3部構成となっているが,各研究者がそれぞれ対談の前に自分の専門について簡単にレクチャーしている。「コンピューターに生物はつくれるか」,「カオスで脳をさぐる」,「脳は複雑さを好まない」など,いま彼らが直面していることはどんなもので,どのように関心をもつようになり,研究がどのように展開していくのかまでが網羅されている。
 本書を読んだあとは,脳研究の最前線の概観を知ることができ,ひいてはこの対談集の後に実際に得られる成果を“観戦”することを理解する助けになる。つまり,新聞などで伝えられる脳関係のニュースへに敏感に反応できるようになるだろう。また,脳とその研究を扱いながら,一般の読者にとっては,21世紀を目前に20世紀までに当然とされてきた多くのことが,脳研究の進展によってパラダイム転換を余儀なくされる結果になることが分かるであろう。
 人間に経験できることは限られており,現実世界は「仮の答え」を与えてくれるにすぎない。それでは人間に何が分かるのか,そして,また,何が分からないのか。これらの問題に挑戦するには,専門分野の統合や共同研究が必要とされている。特に,最先端の学問ではその傾向が強い。本書を読めば分かるように,脳の研究者の専門分野も旧来の工学や心理学,数学や物理学と多彩な分野から集まっている。彼らはなぜ「脳」に集まったのか。対談を読み進めるうちに,それが必然的であったことや,研究が自己の専門と他者を照らし合わせ,互いのスタンスを尊重し接点を見つけながら新しい発見に到達していくことを追体験できる。読者は知的興奮を覚えるであろう。
 評者は読者に「自分自身は脳をどのように見るのか」といった問いを反すうしながら読むことをお勧めする。これらの研究が非日常の数々であると感じる読者にとっては,彼らのモノの見方にがく然とすることがあるかもしれない。しかし,読み進んでいくうちに彼らのダイナミックな視点が,実生活におけるモノの見方が,現実の社会のあり方と密接に結びついていることにも気づくだろう。
 養老氏はこう述べている。「私は,すべてが脳の中で起こっていることなんだと分からせないことが,社会の大事な機能なんではないかと思っています」。思考に揺さぶりをかけられることの楽しさに気づく瞬間を体験できる。そして若い学生の読者にとっては科学研究への招待状として大いに役立つ本である。そして何よりも,とにかく爽快で面白い知的興奮を与えてくれる対談集なのだ。
(C) ブックレビュー社 2000

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