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  3. 廣田 耕司さんのレビュー一覧

レビューアーランキング
先月(2017年8月)

廣田 耕司さんのレビュー一覧

投稿者:廣田 耕司

55 件中 1 件~ 15 件を表示

対中国人交渉は至難の業。なぜか。ではどうしたら。中国人が自ら明かす極秘のノウハウ

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 著者は中国で記者を務めたあと,来日,大学院で社会心理学などを学び,「中国経済週刊」編集長を務める。対中ビジネスのセミナー講師として飛び回るなど,この問題については第一人者と言える。
 日本人はなぜ交渉に弱いか。著者は「日本人は平和ボケで交渉の仕方を忘れてしまった。が,中国では自己をはっきりと主張し,ねばり強い交渉をするのが当たり前だ」と強調する。交渉に臨む前に,まず中国と中国人を知らねばならないとし,8章にわたってコツを披露する。
 具体的な事例による説明が豊富で,説得力もあり,読んで実に面白い。例えば,北京人は気宇壮大で官僚的だが,上海人はケチで合理主義だとか,欧米流の交渉に慣れた日本人には想像も付かない事例がでてくる。最後に,「正攻法からスタート」「信頼を得る『文化的背景に』気を配る」など,交渉に当たっての7項目の提言をまとめている。これほど具体的で,役に立ちそうな本は珍しい。
(C) ブッククレビュー社 2000

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ビジネスマンに苦手な書く技術を,考える時点に立ち戻り,ピラミッド原則にこそ解決のカギがあると説く

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 多忙なビジネスマンにとって,文書作成は苦手の分野と言えるかもしれない。しかし,他人を説得するためには,読む人間の立場に立った文書作りが欠かせないのは自明の理だ。分かりやすい書き方は,物事を論理的に考える思考から産まれる。
 こうした原点の思考過程を,筆者はピラミッド型と表現している。複数の下位概念をまとめた上位の概念は,要約でもあり,複雑な事象や考えを理解しやすくしている。解決すべき問題状況を,こうしたピラミッド構造に置き換えることによって,状況との対話が発生し,解決への糸口が見つけだされる。
 本書はこんな考え方を,「書く」「考える」「問題解決」「表現」の4部に分けて詳しく述べている。筆者は世界的なコンサルティング会社「マッキンゼー」に初の女性コンサルタントとして入社,文章作成能力を高く評価され,1973年に独立,ピラミッド原則を用いたレポート作成やプレゼンテーションの指導に当たっているだけに,実際のビジネス文書を例に,高度な内容を実に平明に解説している。
 「書く技術」ではピラミッドをトップダウンに作るか,ボトムアップに作るか,といった問題や,プレゼンテーションの導入部でのストーリー展開の仕方に触れ,「考える技術」では問題群の分類と構造化する場合の順序付けの重要性を厳しく指摘している。「問題解決の技術」では一般的に,1)なすべきことは何か,2)その提案を実行すべきか,3)いかに実行すべきか,という3段階の問いを発し,ピラミッドを構成することによって解決の糸口が見えてくるとしている。「表現の技術」ではピラミッド構造による発表とイメージしやすい表現が相手にインパクトを与える力だという。
 評者が受けた印象は,ソクラテス以来の対話による弁証法を,コンピューター時代の系統樹的択一法に当てはめ,洗練したもののように思える。日本でひと頃もてはやされたKJ法が,ファジーな未知の分野の分析を主眼としているのに対して,ある程度知識のある分野についての分析法としては特筆すべきであろう。
(C) ブッククレビュー社 2000

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紙の本ええかげん社交術

2001/02/23 00:16

行き当たりばったりの社交こそ,今後の生き方。著名な数学者で面白人生の達人の指南書

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 数学者で,名物男の一人,森毅さんが,人付き合いについて縦横に語る。一言で言えば,すべて柔軟に対応しろと言うに尽きるが,思わず引き込まれて,アッという間に読み通せる本である。
 「おしゃべり社交術」では,制度的な「かっちりネットワーク」と意気投合して出来る「ええかげんネットワーク」を対比させ,サロン化した教室にはいじめはないと述べ,枠すれすれの生き方が一番安定的だとも記す。
 「森毅の忍法武芸帳」では「その場限りの術」など8項目の極意を書いている。「分身の術」では「生き方を単純化してしまうよりも,いろんな自分を持っていた方が生きやすい」,場に応じて対応できるから,と指摘。「21世紀の歩き方」では,親離れ同様,会社離れも必要だとし,外から眺めることの必要性を強調,「マニュアルを捨て危機の海へ飛び込もう」と提言。こんな風にしなやかに生きられたら,本当に楽しく過ごせるだろうと勇気づけられる一書である。
(C) ブッククレビュー社 2000

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基礎体力の回復には,米を中心とする伝統食に帰れ,と科学的な分析を通じて強調する

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 伝統食や粗食がブームになっているが,理論的根拠を述べた本は少ない。本書は明治以来の「栄養素」重視が,日本人の身体を大きくしたものの,基礎体力を奪っていると指摘している。筆者は健康と食の問題を追求し続けてきた宮崎大学教授,医学博士だけに,科学的な説明は説得力がある。冒頭で,明治時代ドイツ医学とフォイトの栄養学を日本に導入したベルツ博士の実験を紹介している。主食の米以外は菜食だった人力車の車引きがいかに持久力があり健康であったか,驚きの声を上げたのだ。
 類人猿が肉食をしないのに,人類が乳肉食するようになったのは,穀類が十分とれない北ユーラシア起源で,自然に恵まれた日本ではその必要はなかった。筆者は適正な食事法を「食術」と名づけており,日本では江戸時代にすでに完成されていたとする。ところが明治以後盲目的な欧米崇拝から,日本人に適さない食習慣を採り入れてきた。即ち動物性タンパク質と脂肪をより多く採る食生活改善運動で,戦後はまず「油炒め」,そして「牛乳」を摂取するようになった。さらには「ハレ」と「ケ」の区別がなくなった。問題はこの過程で「栄養量」よりも「栄養素量」が重視され,「栄養指導」が健康と結びつかなくなった,と指摘する。
 例えば,食物の軟化のせいで,ご飯もじっくりかまなくなり,顔の筋肉の弱化から視機能が低下,顎(あご)の未発達から咀嚼(そしゃく)機能が低下するといった結果を招いている。言い換えれば,「ヒトとしての能力」が失われつつある。詳しくは紹介できないが,筆者は結論として,「十分な糖質=デンプンを摂り,脂肪とタンパク質の過剰を抑えた食事」を復活させる緊急の必要性があると,述べている。強調すべき文章は青色で印刷されており,実に読みやすい編集努力がされている。表現も分かりやすく,説得力もある。菜食や粗食に走る前に,一読を奨めたい本である。
(C) ブッククレビュー社 2000

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科学ジャーナリストの旗手・立花隆の「知の挑戦」に現れた誤解や楽天的な誘導を鋭く批判

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 田中角栄の研究でジャーナリストとしてデビューした立花隆は,その後科学ジャーナリストの旗頭として活躍を続けている。扱うジャンルは多岐にわたり,常に最先端の科学技術を未来を開くものとして紹介している。本書は立花氏の作品について,徹底的に論難している。著者は京都大学の工学系の名誉教授。 遺伝子組み換え食品について立花氏の「何の心配もしていない」との発言をとらえ,トウモロコシなどに現れた危険性を指摘,宇宙論では量子力学に触れていない欠点を追求している。その他生命科学,性と死など,多くのテーマについてそ上に載せて検討している。確かに専門学者の目から見れば,立花氏の立論はきめ細かさを欠き,楽天的過ぎるであろう。厳密を優先する科学者の立場と,一般人に科学を分かりやすく解説しようとするジャーナリストの立場は,違う。この本の筆者と立花氏の間で,さらに問題点を詰める作業が期待される。
(C) ブッククレビュー社 2000

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紙の本自分「プレゼン」術

2000/12/08 21:15

初対面で相手にインパクトを与えられますか。想いをカタチにし,伝える工夫の数々

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 著者は現代の万能人間とでも言えよう。リクルートの新規事業担当部長から,ロンドン大学のビジネススクールに留学,年俸契約の客員社員制度を創出するなど,アイデアに満ちあふれる人である。その藤原さんが,「印象に残る人間関係」のノウハウを語り尽くしてくれたのが,本書である。
 「第一印象」「常に印象的な人であるために」「印象的なプレゼンテーションの実践」「物語るこころ」「自分の放送局をつくる」の各章にわたりユニークな手法を説明している。特に「子は父を育てることがある」という講演の記録は著者の経験から「手段に頼らず相手の心を理解し,固有のキャラクターを打ち出すことで会話が成立する」というプレゼンの基本を説いていて感動的だ。また「放送局」はホームページのことで,自分で設計できなくとも,発信手段としていかに有力であるかを説いている。
 付録の「本の紹介」は著者の関心領域を伝えていて,面白い。 
(C) ブッククレビュー社 2000

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資本主義は「収奪が当然」の海賊システムだ。金権まみれの米国に追随するな

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 ソフト業界で躍進する(株)アシストを創業したビル・トッテン氏が資本主義の発生,米国の歴史をひもとき,市場万能の経済のあり方を厳しく糾弾する。意表をつく表題ではあるが,中身はもっと面白い。いや,刺激的である。
 著者は現代の日本を,大量生産・大量消費が限界に達したととらえる。ここから脱却するには,すでに前著『消費不況・こうして突破する』で述べたように,これ以上のびない個人消費から社会消費へ転換するしかない。容易に転換できないのは,利己的な米国の要求に屈しているからだと,まず指摘している。その上で,資本主義そのものの本質論に入っていく。
 欧州の始まりが,ゲルマン民族の収奪にあり,英国のピューリタン革命も実質は地主の勢力拡大にあり,産業革命で人口が急増した時代にも国土の半分は2500人の貴族に占有されていた,という。国内では2極分化が進み,大量生産の始まった帝国主義時代になると,産業資本家は国家を意のままにする「軍産複合体」と化した。米国は余剰物資を世界市場に押しつけるため,世界警察の役割を追求し,金融資本の支配下に陥った。
 民主主義は,こうした体制を隠蔽する隠れ蓑にすぎない。バイキングや狩猟民族の「勝者がすべてを手にする」という考え方で発展してきた資本主義体制に,「共存共栄」を旨とする日本人をはじめとする農耕民族が従っていっていいものだろうか。
 著者は「この10年,米国では20%を占める貧困家庭の所得が1%も増えなかったのに,20%の裕福層の所得は15%増えている」と指摘し,所得格差の拡大は資本主義を是とする政府の責任にほかならないと結論する。「富の集中を防ぎ,大多数の労働者に分配し続けた日本の共存共栄のシステムこそ誇るべきものであった。カネでなくヒトを重視する伝統に立ち返れ」という結語は,痛快であり,示唆に富んでいる。一読をお勧めする。
(C) ブッククレビュー社 2000

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総領事として活躍された坂東さんの体験記。女性ならではの眼が行き届いて新発見も多い

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 総理府で男女共同参画を推進し,埼玉県副知事として勤務した後,ブリスベンの総領事として2年間活躍された筆者の文字通り肌で感じたオーストラリアの体験記。
 総領事の仕事に始まり,白人優先を脱して,多文化社会への挑戦を続ける同国の変化を巧みにとらえている。政治情勢,労使関係,教育といった分野での幾多の新工夫に触れ,特に女性活躍の場の拡大,育児への男性の協力,中福祉中負担の高齢者介護など,日本も抱える家庭の問題に対して,女性ならではの厳しい目を注いでいるのが注目できる。
 年収が日本よりも低いのにプール付きの邸宅に住み,長期休暇を楽しめるのはなぜか,といった問いかけは,総理大臣官房管理室室長となった著者の今後の仕事に大いに参考になるだろう。豪州のよい点を是非取り上げる努力を払ってもらいたいものだ。外交官の体験記にありがちな外交イベントの紹介をほとんど排除し,庶民とのふれあいを記した本書は一読に値する。
(C) ブッククレビュー社 2000

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紙の本日常生活の法医学

2000/12/01 21:16

法医学は意外に身近な存在だ。看取られない死のなかに潜む事実への追求を物語る

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 北海道大学の医学部を卒業して以来,23年間法医学を追究している筆者が,日常生活からは最も遠い存在と考えられがちなこの分野を易しく解説,日常と隣り合わせの学問だと指摘している。はっきりと死因を特定出来ない死を「異状死」という。10人に1人はこの異状死なのだ。何故死んだのかを解明するため,法医学が必要になる。「火事場の死体でも焼死とは限らないし,病死の原因に交通事故が隠されているかもしれない。事実を解明することは,遺族への思いやりから,保険金の支払いまで関わりを持つ」と強調する。専門的分野だけに「一般読者を対象にしている」とはいうものの,やや難解である。
 「第1章 人が死ぬとどうなるか」では,身体自身に問題があって急死したり,交通事故など外的な理由から死亡した場合,警察に通報し,専門の医師が死体を検案する事になるが,その手続きなどを説明している。「第2章 解剖に附すか」では検案の結果,行政解剖に回すかどうかの判断の仕方,死体の調べ方を,「第3章 死因を推定する」では判断の難しい死体の実例や個人をどう識別するかに触れている。「第4章 事故死か病死か」ではとかく問題になりやすい,一人暮らしの老人や赤ちゃんの死の判断,急性アルコール中毒などを扱い,「第5章 現代の医療と法医学」では臓器移植,安楽死,医療過誤に触れている。この章は法医学の立場から,現在医学が直面している最大の問題点を扱っているだけに,「第6章 法医学のこれから」と併せて読むと,医学そのものの置かれている危機感が伝わってくる。
 法医学者には「耳を閉じよ,口をふさげ,目を開け」という謙虚な態度で死体を扱う戒めがあるという。これは医学全体にも通用することだろう。ところが「卒業で規定し国家試験を通るだけの勉強しかしない学生が半分はいる」との指摘,警鐘を鳴らしている。
(C) ブッククレビュー社 2000

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官の下請けとして利権や補助金をむさぼる公益法人に,気鋭のジャーナリストが実態解明のメス

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 公益法人は2万6000を超えるという。多くが官庁の仕事を請け負ったり,補助金配分の作業をするなど,いわば官庁と一体化している。勿論すぐれた作業をしているものもあるにせよ,その実態は不透明のまま分からない。行政改革が叫ばれている中で,公益法人の実情を解明することが,必要であった。本書はこうした要請に見事に応えている。筆者は,共同通信社のニューヨーク特派員などを経て,金融・行政改革を重点的に取り上げている気鋭のジャーナリストだけに,丹念に資料をあさり,40団体についてインタビューを求めるなど,地に着いた取材をしている。
 まず第1章で,公益法人にメスを入れようとした行革審でさえ,厚い壁に阻まれた経緯を紹介,第2章で,独占的に電波周波数割り当ての事務を行う「電波有効利用促進センター」を取り上げ,法外な手数料を指摘,公益法人とは言え,郵政省(旧)の一部なのだとし,行政改革がこうした存在にまで及ばなければ無意味だと説く。そして取材過程で情報の提供を拒否されたことなどを指摘する。第3章は,休眠法人やトンネル法人,特権的な利権を持つ法人などを具体的に分析,国家資格の授与や検査・検定・認定作業に伴う莫大な手数料の行方を追っている。
 第4章では,これらの団体がいかなる手法で権益を得,守っているかを解明している。法によらず通達1本で利権を取得する方法,告示で得た利権,業界からの寄付金集め,など。本書で取り上げられた公益法人は40ほどに過ぎないが,事件を引き起こしたKSDなどは氷山の一角に過ぎないと感じさせられるのは,評者ばかりではあるまい。最終章「根治のための処方箋」では「主務官庁を廃止する」「NPOと同じ扱いにする」と提言している。評者は,豪州などで政府のすべてのプロジェクトが3年単位で運営され,結果を徹底的に審査し,存続の是非を決定する,といった制度が取られていることもまた参考になるのではないかと感じた。
(C) ブックレビュー社 2000-2001

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大学の改革が迫られている。機能をどう評価し,次の時代につなぐか,最新の論文集

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 日本高等教育学会の学会誌特集号である。昨今,大学の教育では実社会に役立たないとか,研究が閉鎖的で応用が利かないといった,批判が相次ぎ,大学もようやく改革に立ち上がりはじめた。また,政府は「大学評価・学位授与機構」を発足させ,この問題に取り組みはじめているが,しかし,その方向性ははっきり見えてこない。
 本論文集は,受け身に立つ大学側から,改革の基礎となる「大学の評価」そのものに焦点を当て,発言したもの。8本の論文と2本の共同執筆論稿が収められており,評価の全体像,自然科学系と人文科学系の評価の問題,教師の役割,学生の期待の変化,地域との関係,など多岐にわたって論議を繰り広げている。少子化の影響は,とくに地方大学を直撃しそうであり,生き残りのための地元との連帯強化など,示唆に富んだ内容を含んでいるが,学術論文なので一般にはわかりづらい。もっと読みやすい文章でかけないかと,願うのは無理な注文だろうか。
(C) ブックレビュー社 2000-2001

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出版業界の最新分析。自転車操業,新古書店,電子出版などについて,業界きっての論者が縦横に斬る

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 活字離れが言われて久しい。しかし,1990年代後半あたりから,出版業界は新たな危機に見舞われている。隆盛を極めたコミック雑誌までが低落し,その半面で売れないから自転車操業に走り,安易な企画・新書が氾濫。返品率が50%ならいい方だ。
 著者は出版ジャーナリストの第一人者。本文で,まず90年代後半以後の出版バブルを批判し,97年以後の連続売り上げ減,毎年1000軒以上の書店が廃業する現実を指摘。こうした危機状況に加え,IT時代にどのように生き延びていくか,先の見えない状況に対し,著者は「新刊点数を年間3万点以下に減らせ」「取引の公正化を図れ」「卸値を下げ注文買い切り制を導入せよ」などと具体的に提言している。
 文章のすべてに,本を愛する真摯(しんし)な姿勢が貫かれ,紙と文字への危機感が溢れている。出版こそは文化を維持する究極のメディア,とする著者の考え方に同感する向きも多いことだろう。業界関係者以外に読んでもらいたい本である。
(C) ブックレビュー社 2000-2001

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県民性を分析したユニークな本。人柄だけでなく,損得から相性まで。データ付き

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 出身県によって性格や人柄が違う,ということは,これまでも各種出版物で言われてきたことだが,本書はさらに交通網の発達などで,急速に変貌しつつある様を捉えようとしている。
 まず目に付くのは巻末に各県の平均的な分析を評点にまとめていること。項目は根性,暗さ,金銭感覚,人情,勤勉性など15項目。そして本文では,県民の人柄を俎上(そじょう)に載せてチェック,「人柄の良さダントツは福島県人」「福井県人は出世頭」「根気の良い新潟県人」などと,簡潔に分析。県民性の損得チェックでは「承認のルーツ滋賀県人」「女性が育つ島根県人」「政治好きの山口県人」などと説明。さらに相性を取り上げ「締まり屋とギャンブル好き」(愛知vs群馬)など面白い読み物に仕上げている。
 問題は著者グループの説明が一切ないことと,巻末の評点の根拠が示されていないこと。内容的には外れてはいないが,本造りという面からは,いささか無責任だといわざるを得ない。
(C) ブックレビュー社 2000-2001

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朝日新聞の「第11回企業の社会貢献度調査」の報告。大賞は富士ゼロックス。貢献活動の具体例が分かる

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 企業も,積極的に社会貢献へ向けた活動をしなければ生き延びられない時代になった。朝日新聞はこれまでも,貢献の仕方を,いろいろな分野を取り上げて指標化する試みを続け,今回は11回目となるが,その結果の報告である。調査の協力,回答を寄せた企業は184社。指標項目としては「社員にやさしい」「ファミリー重視」「女性が働きやすい」「障害者雇用」「雇用の国際化」「消費者志向」「地域との共存」「社会支援」「環境保護」「情報公開」「企業倫理」が取り上げられている。
 この結果,総合的な大賞には富士ゼロックスが,特別賞には林原が選ばれた。各指標項目ごとの受賞企業は資生堂(ファミリー),エイボン・プロダクツ(女性),ワコール(消費者),トヨタ自動車(地域),富士通(環境)。その他の指標については見送られた。
 結果は見やすいチャートやデータ集として収録されており,巻末には貢献活動の具体例が列挙され,参考になる。
(C) ブックレビュー社 2000-2001

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戦前,大蔵省と並んで日本を支配した内務省の実像に迫る。いまも残る待望論を斬る

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 内務省は明治6年創設され,金融財政を司る大蔵省,外交を担う外務省と並んで国内行政の面で絶大な権限を持った。戦前までは,2001年4月の省庁再編成で生まれた総務省,国土交通省,厚生労働省,警察庁を統合した行政組織で,都道府県知事を地方に供給していた。今回の省庁再編でも,総務省については内務省の復活とさえ囁かれた。本書は新書版ではあるが,その歴史,GHQによる解体の経過など細かに実像を解き明かしている。特に地方行政の要であった知事について,具体例を挙げて紹介しているのが分かりやすい。また警察組織についても多くの頁を割き,極めて簡素で効率的な行政機構と地方行政を実現していたかを解説。巻末に参考文献リストが載っているが,ほとんどが戦前の資料で,そういえば戦後内務省に迫った優れた研究書が刊行されていないことに気付いた。これも,内務省の亡霊現象の一つなのだろうか。いずれにしても,国内行政を考える上で貴重な本。一読をお薦めする。
(C) ブックレビュー社 2000-2001

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