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小出 鐸男さんのレビュー一覧

投稿者:小出 鐸男

紙の本メディアと広告

2001/05/07 18:16

伝統的なマスメディアからネット広告まで,メディアと広告の関わり合いを多彩で具体的に議論

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 現代産業社会でメディアと広告が不即不離の関係にあることは,今さらいうまでもないだろうが,インターネット時代といわれる21世紀初頭の今日,その関係が一段と緊密なものになりつつある。メディアも広告も,各々の立場から新しい対応を迫られているといっても過言ではあるまい。そうした現代の課題を,そのものズバリの書名が示すように真正面から取り上げたのが本書である。
 内容は,序章のほか「メディアの今」「メディアの機能と役割」「広告環境の変化」「ビジネスの転換期」の5章から成る。堅苦しい論文集ではなく対談,インタビュー記事が随所にあるといった多岐にわたる構成が,いってみれば類書にない特徴。新聞広告局のPR誌の連載企画をもとに編集したものだけに,話が多方面に及び拡散するのはやむを得ない面もあるが,それがかえって読み易さを誘ってくれる,という長所になっている。また,執筆陣も大学の研究者,新聞・テレビの広告責任者,企業の宣伝担当者,広告代理店の実務者など多彩なため,視点が偏らず,議論が多方面に発展しているのが読者に役立とう。
 「一体どこまでが広告なのか」という古くて新しい広告の本質的な問題に始まり,話題のインターネット広告に代表される新媒体の効果指標をどこに求めるかまで,広告界が当面する課題,さらにはメディアのIT化と企業の危機管理のあり方までが論じられている。
 もっとも40項目を超え,50人を上回る執筆者の多さは,ともすれば精粗にばらつきを見せ,それが先に触れたような長所にもなるにせよ,全体の統一を乱したきらいは免れない。せめて20−30人にしぼり込み,各々のテーマを今少し掘り下げてもらいたかった。また,99年春から2000年秋までの連載分をもとにしたため,引用データなどに時差を感じた面もある。ただ,それも考えようではそれだけメディアと広告の変化が急速なことを示すわけで,読者の緊張感を促すまたとない資料といえるかもしれない。
(C) ブックレビュー社 2000-2001

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市場は拡大しているというが,まだ全書籍の1%足らず,その将来性は大きいか

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 インターネットを用いて書籍の通信販売を手がける“オンライン書店”が日本にお目見得して5年。出版界にさまざまな話題を与えているが,はたして出版にイノベーションをもたらしたといえるだろうか。2年余の実績を持つオンライン書店のマネージャー,出版流通を主要テーマとするシンクタンクの調査マン,出版業界の専門紙記者の3人が,その実情と将来性を徹底追求。
 一般にeコマースの名で呼ばれるネット通販の中で書籍が持つ特性は何か。3人のイメージが微妙に食い違っているのが,少々気がかりだがそれだけに味わいは深い。したがってネット通販や出版流通にある程度の知識を持つ読者なら,第1〜3部を後回しにして,3人がパネルディスカッションで討論する第4部の“オンライン書店は書籍流通をどう変えていくのか”から読むのも一方法だろう。
 そこではオンライン書店の利用者の分析,オンライン書店間の競争といった実態分析だけでなく,検索をはじめとしたシステムはできたが,肝心のコスト負担のあるべき姿,いい換えれば収益性について真剣な意見交換が行なわれている。
 昨年秋に行なわれた公開セミナーの報告をベースにしたものだけに,ここ半年の動きが十分汲みとられていない憾みはあるが,何が本当の意味での革新か,現行の書籍のマージン体系は妥当かどうか,つい先ごろその維持が認められた再販売価格維持制度との関係をどう考えていくかなどの指摘は行き届いている。
 書籍売り上げ全体の1%程度にすぎない年商80億円程度という規模が,どこまで大きくなるかは不確定だが,それよりもオンライン書店の誕生が出版流通に与えたインパクトの大きさを注目したい。袋小路に入り込んだ混迷状態の書籍流通が,オンライン書店という起爆剤によって改善の突破口を見出すことを期待したい。
(C) ブックレビュー社 2000-2001

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紙の本デジタル時代の出版メディア

2000/12/26 15:26

編集企画から物流・販売まで,5年前には予想もしなかった変化が迫っている。21世紀の出版はどうなるか

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 IT革命が流行語のようになってからほぼ半年。電子出版という言葉は読書人だけでなく広く一般の人々の関心を集めている。しかし,さて電子出版とは何かとなると,人それぞれの持つイメージが異なり,その実態は判然としないのが現実だろう。そうした中で,ごく初歩的な言葉の意味から,やがて来る本格的な電子出版時代までを平易に解説したのが本書である。学校の時間割を見習って全5章を5時間の授業に見立てて,段取りよく展開している。
 出版業界の専門的な問題は後回しにして,まずいま学術出版の世界で何が起こっているか。電子ジャーナルの利点と問題点を具体的に取り上げることから始めている。さらに,デスクトップ・パブリッシング(DTP)と呼ばれた編集制作過程に始まった電子出版が,本格化の兆しが見え出したオン・デマンド出版(絶版になった書籍を読者の要望に応じて小部数発行する)に至るまでの歩みが,説得力に富んだ筆で書かれている。
 外国資本の参入で注目されているいわゆるインターネット書店についても,単にその発展の行方について述べるだけでなく,新しい流通秩序を形づくるであろうとみている。それはいま出版業界が取り組んでいるPOSシステムや出版情報のディジタル化のスピードをしのぐもので変革の本命と位置づけているが,筆者が現役のベテラン書店人だけに教えられることは多い。
 ただこうした変化の速度があまりにも早いため,本書に書かれている現状がおおむね2000年の前半どまりであることが,惜しまれる。これもまた従来型の出版物の限界とみれば,納得できるというものか。なお,帯にうたわれている“印刷本なのか,電子本なのか”という宣伝文句はいささか的はずれの感がある。筆者も述べているように,この2つは対立するものではなく,それぞれが,その良さを発揮して共存していくし,またいかねばならないものであろう。
(C) ブッククレビュー社 2000

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新古書店の名で呼ばれるリサイクル業,その代表格とみられるブックオフのこれまでと将来を論じた読み物

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 出版界では相変わらず新書や文庫の創刊が続き,返品の増加がさらに激しくなろうとしているが,その中でひときわ注目されているのが,新古書店の名で呼ばれるリサイクル業の存在である。この本はその代表格とみられるブックオフのこれまでと将来を論じた読み物である。直営店,フランチャイズ店合わせて530,4万2000坪の売り場面積は,大手チェーン書店のトップクラスだし,この10年間で三十数倍,350億円に達した売上高は出版界の驚異の的だ。
 その秘密を支えるものは何か。粗利益率77%という他の業種に見られない高さによるのが最大の要因だが,同時に再販制と委託制にあることは見落とせない。多くのネットベンチャーのようにハイテクを駆使したものでなく,在来の業態のなかで不十分な品ぞろえを承知しながら伸ばしてきただけにポスト再販が課題であり,株式公開が一つの節目となろう。
 問答形式で書かれているので,読みやすく当たりはやわらかだが,その論点は厳しい。  
(C) ブックレビュー社 2000

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VHS対ベータマックスの“ビデオ戦争”をめぐる,し烈な争いを刺激的に描いたビジネス・ノンフィクション

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 予想を上回るデジタル化の中で,かつて日本の家電業界を2つに分けて争われた“ビデオ戦争”も昔物語になろうとしている。事実,今世紀最大の大型家電ともてはやされた家庭用ビデオが,DVD(デジタル多用途ディイスク)にその座を明渡す日もそう遠くはない。4分の1世紀前,方や日本ビクターを中心にしたVHS,方やソニーを盟主に仰いだベータマックスの2陣営が,がっぷり4つに組み,世界の標準規格をめざして闘ったのは一体なんだったのか。勝ったもの,また新たな戦いに挑んでいったもの,その経緯を正しく記録し誤りなく理解しておくことは,産業の発展にとって不可欠のことであろう。なぜなら規格の標準化こそが,技術を産業たらしめる基本条件であり,市場がグローバル化すればするほど,その必要性は高まるからだ。
 この本は「日経ビジネス」誌が70回にわたって書きついだ同名の連載読み物に手を加えたA5判,640ページの本格的なビジネス・ノンフィクションである。“夢”に始まり“ファミリー作り”“ハリウッドからの挑戦状”“亀裂そして修復”など14章のタイトル名が示すように,きわめて刺激に富んだ読み物である。
 舞台は日本国内だけでなく,映像のメッカであるハリウッド,フィリップスが代表する欧州市場,さらには日本の市場進出を阻もうとするワシントンの思惑へと広がり,その主題がもつ奥深さに興味はつきない。登場人物も,ある時は“経営の神様”松下幸之助であり,また“世界の商人“盛田昭夫と名だたるビジネスマンが顔を並べる。しかし,本当の主人公として見え隠れするのは,高野鎮雄(元日本ビクター副社長)という名の一人の骨太な技術家上がりの経営者である。
 そこには「いったん決めた規格は,ユーザーがいる限り,たとえ会社が潰れても守り抜くべきだ」という信念が脈打っている。単なる経営管理のノウハウを超えた強い意志が,VHSを世界の標準規格に育て上げた原動力であることが,強く胸を打つ。
 バブルがはじけた昨今,ビジネス読み物に対する関心は以前にもまして高まっている。経済や産業の本当の姿を知りたいという欲求がその根源にあるといって差し支えない。しかし,残念ながらその名に値するものは少ない。経済の仕組み,特に産業に対する正しい理解がないまま,単なる経営者への賛歌や時にはお門違いの恨み節が幅を利かせているからだ。
 その意味でも本書は,最近出色のビジネス・ノンフィクションといえるだろう。大宅壮一ノンフィクション賞を受けたライターなればこそだが,いつの日か,いま話題となっている“ITの英雄”たちを俎上にあげて書いてほしいと思うのは評者だけではあるまい。
(C) ブックレビュー社 2000

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