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先月(2017年6月)

倉知敬さんのレビュー一覧

投稿者:倉知敬

3 件中 1 件~ 3 件を表示

紙の本ツアンポー峡谷の謎

2001/02/08 19:40

おすすめコメント

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 ヒマラヤ山脈に長い流路を刻むツァンポー川は、その東端で流れを西から東へ変え、深く刻まれた峡谷となって大屈曲部を形成している。この大屈曲部は全長500キロ余、谷の深さは最深部で6000メートル余、グランド・キャニオンをはるかに上回る世界最大の峡谷である。
 1924年のキングドン=ウォードの旅は、この峡谷での植物調査と地理学上の調査、幻の「虹の滝」の解明であった。その探検の記録に加え、外界から隔絶されたさまざまな民族との出合いも綴る。75年の歳月を経た今日でも、なお踏査さるべき領域、対象が残されている峡谷であり、情報が少ないところなので、本書の価値は今でもたいへん大きい。
 古典的な探検記の翻訳が出版されなくなってから久しい。今、キングドン=ウォードに最も造詣の深い碩学、金子民雄氏の手によって世に出されたことは、一つのニュースである。

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 世界中の地理的発見がしつくされた今日なお、地形概要や山容がはっきりとらえられていない山岳地域が残されている。それがヒマラヤ山脈の東端にある、横断山脈一円の山々、チベット、中国雲南・四川省、ミャンマーの境界にまたがる一連の山群である。
 著者は、長年にわたって、“ヒマラヤの東”の奥深い山々を訪ね、その人知れぬ魅力的な存在を紹介してきた。本書は、初期の探検の記録を手がかりに、その懐に分け入り、未知の神秘的な山々と、少数民族の村を訪ねた紀行である。
 先駆者の足跡の紹介から、著者自身の苦心を重ねた11回に及ぶ踏査行の興趣に富む旅の話、この地域を貫く大河の水系による山岳区分の論述などにおよび、現在でもなお、こうした本格的探検紀行がなされているのを知ることのできる貴重な労作だ。

中国の知られざるアルプス・横断山脈。けわしい地形に隔てられて棲み分けている少数民族の地をほぼ全域にわたって踏査した紀行に加え、初期の探検家の足跡を紹介し、知られざる山々への門戸を開く。

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 ヒマラヤ、カラコラム、パタゴニアなどの開拓時代に、未踏地域解明に活躍したシプトンの伝記。生涯にわたって未踏の山河探検に捧げた一生を、その人間的側面に重点を置き、人生の意義を追求してやまない人間像として、描き出している。
 特に、5回にわたってエヴェレスト遠征に参加し、誰よりもエヴェレストに熟知しながら、1953年、初登頂をはたした英国隊隊長の任をはずされる経緯を詳述しており、歴史上の人物となる栄光を失った悲劇を明らかにする一方、本当のシプトンの真価とは何か、という本質を追求する。
 また、20世紀半ば、未だ地図上に“UNEXPLORED”と印された広大な空白部を次々と踏査する過程も追いかけており、ナンダ・デヴィ内院、シャクスガム渓谷、ヒスパー氷河周辺、パタゴニア・アイスキャップなど探検行に触れ、地理上発見の時代のロマンと業績を生き生きと伝える面白い読物ともなっている。

エヴェレスト初登頂の礎を築き、晩年にはパタゴニアとフェゴ島にもパイオニアの足跡を印したシプトン。業績は評価されても栄誉を享受することはなかった人物の内面を描く。98年度ボードマン=タスカー山岳文学賞受賞作。

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