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先月(2017年2月)

小孫 茂さんのレビュー一覧

投稿者:小孫 茂

1 件中 1 件~ 1 件を表示

いまなお変革を急ぐ米銀と比較し,邦銀経営の失敗の本質と再生への道のりの険しさをプロの目で詳述

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 世界の金融界は1970年代から変革の嵐の中にある。改革に真っ先に取り組んだ米銀もなお厳しい変革の過程にあり,米銀の最高峰とされたJPモルガンですらチェース・マンハッタンに買収される事態になった。この猛烈な環境変化への対応に遅れた邦銀はその敗因を正確に把握することなく,「メガバンク」という名の戦略なき再編に走っているのではあるまいか。元銀行マンの目から見ると,邦銀再生への条件は厳しく,課題はあまりにも多い。
 日本の金融システムを動揺させ続けている構造変化は何も日本だけに起こっていることではない。1970年代の金利の自由化を皮切りにした環境変化は先進国経済全体を巻き込んだ動きで,これに米銀がいち早く自主的に対応したのに対して,邦銀は当時の大蔵省という銀行行政任せでの対応となった。この違いがいまでも「当事者意識がない」と批判される邦銀の弱点の根っこにあるとする指摘は極めて正しい。言い換えれば,邦銀の心理状態はいまだに「護送船団」と呼ばれた保護・規制時代のままであるともいえる。
 その弱点は市場経済時代に必要な市場リスクの評価や与信リスクの審査能力の欠如という邦銀にとっての最大の課題にも通じる。さらに金融の各専門知識に疎く,同質の人材ばかりで構成する邦銀経営陣の資質の問題も,米銀との比較でわかりやすく示している。こうした点を考えると,規模だけ世界最大規模のメガバンクを作っても,邦銀の再生にはつながらないことがよくわかる。
 全体として,専門家向けの提言書でもあり,金融の素人向けの解説書でもあるという二兎を追った感がある。旧日本長期信用銀行の銀行員だった著者は,とかく主観に流されがちになる自らの実体験から語るという手法をあえて避け,客観的な事実と他の研究者の分析をまじえながら極端なまでに淡々と論を運ぶ方法を選んでいる。この狙いは読者の理解を助けるという意味ではある程度成功しているが,第1章を中心に過去の説明に終始する部分が多すぎる前半には改善の余地がある。
(C) ブッククレビュー社 2000

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