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    体が硬い人のための柔軟講座 (NHKテキスト 趣味どきっ!)

    体が硬い人のための柔軟講座 (NHKテキスト 趣味どきっ!)

    中野 ジェームズ修一 (講師),日本放送協会 (編集),NHK出版 (編集)

    5つ星のうち 4.0 レビュー詳細を見る

田舎のバッハファンさんのレビュー一覧

投稿者:田舎のバッハファン

2 件中 1 件~ 2 件を表示

予想以上に深みのある芸術論

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

本書を読んでまず驚かされるのは、その方面では良く知られたレコードマニアの顔を持つ村上氏が単なる音マニアでなく、かなりの耳を持った音楽評論の才能もあるということが伝わってきたことである。いわゆるクラシックを聴くだけのマニアは、オーディオ再生装置の音の良さを競い合い、レコードのレアものを持っていることを自慢するばかりで、その中身をきちんと聴き取っているとは思えず、本書の村上氏もそれと同類項であると私は思いこんでいた。それでも、マエストロ小澤の考え方が垣間見られるであろうと、あまり期待はせずに本書を読むことにした。しかし、随所でマエストロ小澤が聴衆側の考え方として傾聴せざるを得ないことを村上氏が語っており、それに対する小澤氏の対応が非常にすばらしかった。

 村上氏の話はかなり抽象的なものが多く、表面的にしか捉えられなければ一部に出ている村上氏の話が具体性に乏しく自分の見方の押しつけで面白くないという、中央公論などに村上氏が寄せているエッセイと同様の評価もありうると思う。しかし、クラシック音楽を楽器を奏でて実際に演奏したことがあるのでは?(そうであるか否かは私は知らないが)ことすら思わせる、単なる一人の聴衆の視点を超えた所が随所に見れれ、興味深い捉え方が多いと私は思うし、何も読み手が彼の意見をその演奏の唯一絶対の聴き方と考える必要も無い筈である。巷の音楽評論家とはかなり違った視点からクラシック音楽に対するオリジナリティーの高い捉え方が新鮮で面白かったの加え、それに対して、小澤氏が論理的に音楽を解析して応じて行く話とのマッチングも本書の読みどころだと思う。小説を書きながらBGMとして音楽を流し聞きしているのでは、ここまでの評価は無理だと思う。文章にリズムを求め、それが感じられない作家は早晩すたれるという村上氏の言葉はうなずかされるものがある一方、そういう意味では氏の文章は小説によってかなりリズムの違うものが見られ、ことによるとBGMが違うせいにも思えてきた。

 癌の手術後の療養ということで、思わぬ形ながら、これまでの自分の演奏を振り返るチャンスを初めて得ることができた小澤氏が、自分の音楽に対する考えを老年ならではの力量でまとめて行く上で、この対談はかなり役立ったようにも思える。カーネギー・ライブの成功、特にブラームス一番のこれまでにない出来の一端を、この対談で村上氏の疑問に応えて行く過程でで担った可能性も否定出来ないとすら思えてくる。

 1点残念だったのは、一章だけ対談を離れ、村上氏がスイスレマン湖畔のOzawa Schoolに参加した所で、一流の技巧は持っているものの音楽性の面で甘かった若者を、短期間で見違えるような音楽家に育て上げて行く過程を、もっと具体例を添えて書いて欲しかったことである。村上氏の耳とペンの力量をもってすれば、映像以上のことを伝えることができたと思うし、小澤氏が彼を呼んだのは、そこを期待してのことである気がしてならない。 

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紙の本わが魂の安息、おおバッハよ!

2004/06/30 20:01

定期演奏会のパンフレットの解説文の集大成

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

本書の大部分は鈴木氏が自ら指揮した演奏会のパンフレットに鈴木氏が書き下ろした曲の解説を集大成したものであり、2大受難曲に始まり、ミサ曲ロ単調に続いて、現在進行中のカンタータ全曲演奏に沿った、カンタータの解説となっている。もちろん、音楽の専門知識が無い一般聴衆にも理解できるよう配慮されている。

 すなわち、バッハの宗教音楽を、時に指揮者あるいは演奏者でないとわからないような視点も含め、イラク戦争の話題まで取り込んだ、読みごたえのある文章が並んでいる。何度もクラシックの演奏会に足を運んだことはあるが、パンフレットにある曲の解説は書いてあってもポケットスコアに書いてある程度のものが普通で、指揮者自ら、このような文章を書き下ろすこと自体私は聞いたことが無い。しかも、かなりの間隔を置いて書かれた文の論理が一貫している点もすごいと思う。

 バッハは実はキリスト教信者ではないのでないか。そうでなければ、あれほど冷静に(悪く言えば俗っぽく)宗教音楽を作曲出来るものでないとの説もあるようだが、この本を読めば全くそんなことはないし、バッハがいかに聖書をよく読んでいたかも知ることができる。

 受難曲、カンタータを通じて、コラールをどのように位置づけ、どのように演奏するかという考えに触れると、鈴木氏のカンタータ全集や受難曲のCDが世界的に高い評価を受けている理由もわかってくる気がする。

 宗教音楽と聞いて腰が引けてしまっているバッハファンには、是非一読されることをお勧めする。楽譜の大半がバッハの直筆であるのはよいのかもしれないが、曲を知らないと、素人では読みづらい所が惜しい気がした。

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