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sunchanさんのレビュー一覧

投稿者:sunchan

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紙の本文化の否定性

2003/06/21 00:01

文化のマイナス面(否定性)を助長させないために

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 著者は、各個人が持つ固有の文化的背景というものが、その人のアイデンティティの重要な供給源という積極的な意味合いよりも、逆にその文化的背景に絡めとられて精神的に硬直した状態を余儀なくされることで、むしろ重荷になりつつあると考える。文化の影響を楽観的に見るよりも、そのマイナス面をもっと意識すべきだと説く。表題の「文化の否定性」とは、そうした文化のマイナス面を意味する。

 文化というものを、自文化の紹介といったレベルで軽く考えていると、その本質を見誤る。それぞれの文化には固有の価値観があって、文化の間に優劣はないと考える「文化相対主義」は、20世紀後半の一大流行思想となったが、こういう考え方を無批判に当然視していると、とんでもない結果を招くこともある。

「多民族多言語社会の困難は、互いに文化を異にする民族集団が自己の文化を異文化に合せて「国際化」するよりも、文化を存在の中核として異文化との差異をつくり出そうと互いに競い合うところに生れる。」(42頁)

「文化変化を重ねながらも、独立した「象徴と意味のシステム」を保持しよう(たとえ、部分的であっても)とする文化集団は、かえってその文化に眼覚め、鋭くそして象徴的に「文化防衛」意識をもちはじめている。」(92頁)

 どれほど小規模な単位であろうと、全ての文化には価値があると考えることは、西欧中心主義に対する対抗概念として極めて大きな力を発揮した。しかし、それによって自文化に「眼覚め」、「差異をつくり出そうと互いに競い合う」ことになった諸民族の中には、そうした運動が先鋭化して、血で血を洗う民族紛争へと発展したものもある。

 文化相対主義をいいことに、俗悪な形で差異を作り出そうとすることには、大きな危険が潜んでいるという著者の指摘は、傾聴に値する議論だろう。そして偏狭なナショナリズムが紛争へと発展させないためには、消極的な方法ながら、各自の抑制しかないのである。

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