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先月(2017年4月)

ニック中川さんのレビュー一覧

投稿者:ニック中川

1 件中 1 件~ 1 件を表示

紙の本「原因」と「結果」の法則

2003/07/05 22:43

時代背景や宗教観を考えて読まないと危険な問題作

4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 19世紀末のイギリス人である著者によれば、「極端な貧困」も「病気や衰退」も心の「けがれ」が全ての原因であり、貧乏人も病人も本人のせいということらしい。彼が言いたい本意はわからなくはないが、現代からみるといささか極端な考えにみえる。この部分だけとりだせば、ホームレス狩りやカルト教団のバイブルとして使えるかもしれない。訳者がこの辺りの解釈に注意が必要な箇所について、きちんと読者に指摘していないのはいかかがものか。
 一方、著者は仏教に影響を受けたらしく、「釈迦」を偉大な理想家として引合いに出しているが、作品の全編にわたって伝統的なキリスト教の象徴で埋め尽くされている。欧米人やキリスト教徒なら、すぐに聖書のことばを思い出すだろう。テーマである「原因と結果の法則」は、仏教徒なら「因果応報」を思い出すところだが、著者が仏教について詳しく知っていたかは疑わしい。「環境」は「自分の思い」よってのみ改善されるという彼の発想は、仏教の自己清浄化の根本『諸行無常』や『諸法非我』(全ての物事は自分の思いどおりになるものではない)と鼻から食い違っている。訳者によれば、著者は元・経営コンサルタントで「独学」の「哲学者」ということだが、哲学の専門家ではなかったのではないか。あくまで独学した人の個人的な思いを書き綴った作品と思って読んだほうがいいかも。
 この本が、帯にあるように「聖書に次ぐベストセラー」というのも、この本の内容が、20世紀初頭のアメリカ人、とくに資本家やホワイトカラーの人達にとって、とても好都合なモデルを示していたからではないかと感じた。
 いずれにせよ、こうした時代背景や宗教観からくる文化の違いを十分考えずに、今の日本にこの自己啓発モデルを適用するのは早急だと思う。今の日本人が、訳者のいうように「落ち込んだりしたとき」にこの本を読んだりしたら、逆に疲れるかもしれない。
 それはさておき、訳者はあとがきで著者を「謎の哲学者」と言っていますが、私は著者も十分「謎」の人だと思います。「精神科学ライター」て何者?

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