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先月(2017年4月)

小夜嵐さんのレビュー一覧

投稿者:小夜嵐

1 件中 1 件~ 1 件を表示

紙の本マークスの山

2003/09/27 03:40

映像的な印象

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 山は好きだろうか。好きだという人には文句なく勧めたいが、そうではない人も多くいることだろう。私はというと、特別好きだというわけでもないし、山登りなどとてもできそうもない人間だ。
 本書では山が重要な位置に存在する。さまざまに描き出される山と、山に登る幾人もの男たち。描き出されたそれらは不思議と、まるで興味のない私をも引き込む力があった。圧倒的で容赦なくそびえ立つ山。暗さ、孤独、迷い、苦痛、絶望、そして上りきった先のえもいわれぬ感動。その光景がまだ見ぬまなうらに映ったような錯覚をおぼえた。

 氏の文体は硬質で骨太で、執拗なほど濃密である。時にそれらの感触さえ思い浮かべるほど、質感をもって緻密に描写されている。また、氏の文章はいくつもの鮮烈で印象的な場面を私の脳裏に映し出してきた。それらはあまりに非現実的で、狂おしく、哀しく、美しかった。

 この作品は、テーマやメッセージ性、あるいはミステリを求めて読むべきものでは、おそらくない。人の読み方はそれぞれだろうけれど、できることなら映像や感触や感情でもって、この世界を感じて欲しい。
 この独特の筆致は魅力である反面、読みがたくもある。読むことが苦痛に感じられることもあるかもしれない。けれど、それらの中に感覚にうったえるものがあったなら、いくらかの困難を覚えたとしても読みきって欲しい。
 読み終えた後にはきっと、印象的な何かが、焼きついているだろう。

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