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バッカスさんのレビュー一覧

投稿者:バッカス

5 件中 1 件~ 5 件を表示

紙の本老師と少年

2007/02/21 16:14

考える基本形式問答

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 本屋で平積みにされていた。横には池田晶子さんの新刊もあった。池田さんの「14歳からの哲学」を読んだとき、僕のパースペクティブはがらりと変わった。目から鱗が落ちるという言葉をその通りに体験させてくれた。少し言葉を変えれば「学ぶとは変わることである」という体験でもあった。『老師と少年』を読んだときに走ったガツンという衝撃は、池田さんの本から受けたものとは質が違うものの、その影響は同様に大きくなるのではないかと思い、ワクワクしている。しかしまだ僕はこの衝撃の正体をつかめていない。だからそれは感動と呼んでいいものだと思う。
 「自分とは何なのですか。」「何のために生きるのですか。」「死ぬことは悪いことなのですか。」と少年は老師に問う。両親も友達も彼の問いの意味を理解しない。老師だけが少年の問いの意味を理解してくれている。それは老師が同じ問いを昔持っていたからだ。老師はその自己の体験を話して聞かせる。僕はその問答のうちに、同じ問いについての自分の考えとの一致や不一致を発見する。そしてこの不一致の先にこそ、何か自分の考えを一歩進めてくれるものがあるように感じている。だから同じ箇所を何度も読み返し、著者の考え方の論理を読み解こうとする。それは時間もかかり根気のいるものだけれど、哲学の醍醐味でもあると思う。人の考え方を自分でも同様に考えることができたら、それは僕の考えでもあろう。いやそれは実は誰のものでもない「考え」であるのだ。
 「この本を理解できるものは僕と同じ問題をかつて一度は考えたことのある人間であろう。」とある難解な書物を書いた哲学者は語った。本書は平易に書かれているけれど、逆にそれだけ自ら考えなければその真価を味わえない書物の一つであろう。「すぐ読める」、「平易である」とは現在もてはやされている書物の評価であるけれどそれだけ抜け落ちた部分が多いということだ。だからさらりと読まないでじっくりと読みたいと思う。僕はまだこの本を読んだ時の違和感をぬぐい切れていない。だから何度もじっくりと読み返すことになるだろう。読み返し、考えた分だけ何かが帰ってくる。本書にはそんな期待が持てる

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紙の本日本料理神髄

2007/05/06 14:14

もっと知りたい、もっと味わいたい日本料理

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 老舗料亭青柳主人、小山裕久。作り出す料理だけでなく、日本料理を世界に広める活動も認められている、日本の最高の料理人の一人であるらしい。
 本書はそんな著者が料理人を目指す若者に向けて書いたもので、著者が料理について考えたことや他の料理人との会話を通して、修行の心構えや助言が読者に送られている。平易でありながら、深く考えられた考えに触れることは、これから料理人を目指す者にとって有益な本であることは疑えないだろう。しかし本書は私のような一般読者にとっても意味がある。それは単に成功者の考え方に触れるというだけの意味ではない。日本料理の奥深さを垣間見ることのできる案内書なのである。「日本料理とは素材を生かす料理」という小山にとっては、「切る」という行為も素材をよりおいしくするための「調理」である。いつか小山が庖丁で料理した鳴門の鯛が食べたい。本書を読み終わっての感想である。

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紙の本文学論 上

2007/03/03 21:45

漱石書き始めの原点

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 文学とはどのようなものか。小説家である前に東大教授であった夏目漱石がロンドン留学時代に集めた数々の実例を元に論ずる。文学の内容にはどのような種類があるのか。読者に起こる情緒にはどのような種類があるのか。現実に存在したらさも不快なものがどうして文学になると美しく感じられるのか。悲劇が人に好かれるのは何故か。
 漱石は小説を書き始めたときには既に完成された文学論を持っていた。数々の文章の実例を持っていた。小説という技術が読者に与えうる影響に自覚的であった。如何に高いところから漱石が小説を書き始めたのかがわかる。何か文章を自分で書きたいと思う人には参考になる一冊である。漱石の本と平行して読むとさらに味わいが増す。また、読後にシェイクスピアを読みたくなること、請け合いである。

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教育亡国

2007/03/28 14:13

20年以上前の教育に対する憂いが、今にもそのまま当てはまる

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

自分の座右の銘である「学んだことのたった一つの証は変わることである」は、灰谷健次郎さんの本の中で見つけた林竹二さんの言葉だ。林さんの著作をいつか読みたいと思いつつも、十年近くの間触れることがなかった。その間に林さんの著作の価値は古びてしまっただろうか。本書を読んでむしろその価値は高まったと感じた。もう20年以上前になる1983年に本書は書かれている。しかし指摘されているテストを軸とした学校運営や文部省や教員の教育に対する姿勢などは今も日本で行われている教育にそのまま適用することができる。
一つ例を挙げよう。学校で教える内容は文部省によって決められている。例えば小学校では分数を習い、中学校では方程式を習うというように。そしてこれを教えるのが教師の役割だ。自分は中学まで公立学校に通っていたため、これは常識だと思っていた。しかし林はこれは戦前の教育であると指摘する。教育は国家に責任を負うのではなく国民に責任を負うのだ。何かを知りたいと思い、持続的に追求する姿勢。それが学校で教えるべきことだ。子供たちは成績の良し悪しに関係なく、勉強したがっている。だからそれは可能なのであり、それが可能ではないのは教師の能力や文部省を頂点にした学校の制度にあるのだ。こういった林の指摘に我々はそろそろ耳をかしてもいい。子を持つ友人が増えた。親は、教師以上に子供に影響を与えうるのだから。

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インフラそれもまた歴史

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ローマ人が作り上げたインフラについて考える一冊。長きに渡って繁栄した国家であるローマ。そのローマ人が整備した街道や水道に代表されるハードインフラや教育や医療といった社会システムとしてのソフトインフラとはどのようなものであったのか。それを作り上げたローマ人は何を考えていたのか。他の巻とは違い、インフラのみに特化した本書は歴史書物としては珍しいものである。しかし著者の過去を見る目は真摯であり、またその視界は現代の我々の社会をも捉えている。その意味ではやはり真の歴史書物に数えていい一冊。

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