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もくりんさんのレビュー一覧

投稿者:もくりん

12 件中 1 件~ 12 件を表示

秒速10センチの越冬

2005/11/01 00:37

講談社は今すぐ重版、もしくは文庫化すべき

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

主人公はフリーターの男。歳ははっきり分からないが、30ちかい20代だとおもう。美しい鼻梁を持った女が好き(芸能人でいえば、おそらく伊東美咲が好きだと思う)。そして貧乏。本を発送するバイトをはじめる。ラインワーカーだ。人間は機械になれない。機械に近づくことはできる。でも、将来とか希望とか、周りの同年代とか気になるのが人間で、機械はそんなこと考えない。主人公も、必死で機械になるため、他人のことは考えないようにしている。同僚のコバヤカワには「冷たい」といわれる。でも、近づけば自分が辛くなるのを知っている。傷の舐めあいほど危険なものはない(たまにはいいと思うけど)。主人公は語る。『おれはもう老いぼれだ。たいていの道は既に閉ざされている。まだ若かったころ、ほとんど無限にありそうな選択肢を前にしておれは何も選び取れなかった。おれはいろんなものを好きになっちまう質で、おれがなり得るもののすべてになりたかった。すべてになれないのなら何にもなりたくなかった。自分を何か一つのものに限定することができなかったのだ。(略)けれども今、ほとんど何もかもが閉ざされてしまうと、ただ悲しいだけだった』いい文章。しかし主人公はこうも言う。『……人生ってのは悪くなる一方のものだ。ちょっと無理してでもどっかでこらえなきゃ、いつまでたってもマシにならないんだよ』至極、まっとうな意見じゃないか。(図書館本)

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あたまのいいバスト

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 言わずと知れた高学歴の才女、眞鍋かをりである。
 水着と横浜国立大学を卒業してアイドルから女優へと転身した彼女。ドラマ『ウォーターボーイズ』の初回では封印した水着姿を見せ、僕を含むファンを喜ばせたが、あくまで例外。
 この写真集は、今ではお目にかかれない若き眞鍋かをりの水着姿がなんと900円という低価格で拝見できる(ワォ!)。ワンピースの服から始まるが、白いビキニやピンクのビキニ、赤のビキニ、と水着がメイン。どのショットも知性的な(?)賢い(?)バストがページを占めている。もくりん的ピューリッツァ賞は、体にピタッと密着した、体のラインがくっきり分かる黒い水着の写真。カメラに背中を向けて、こちらを振り返っている。ワォ! ワォ!! 僕はこの写真を見る度に『もくりんくん、生活態度を改めてね』という、聞こえない声が写真から聞こえてきます。その度に、俺はこんな生活を送っていていいのかーっ、と思う(思うだけですけど)。その後に『別にいっか。ネッ、あそぼ』という声が聞こえてきて、ホッとして慰められます。その後、テレビから貞子が出てきたように、写真から手が伸びてきて僕の手を掴み……って全部、妄想ですけど。ええ、全部嘘ですけど。そんな感情を引き出させる一枚って事です。

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何のために本を読むのか?君達は!

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 書評などというものを書き始めると、気に入った台詞を書き出したり、キャラの性格を箇条書きにしてみたりと、本を読む事以外にすることが出来てしまう。これがライターという職業にもなると、気に入ったページに付箋を貼ったり、ミステリーのプロットを抜き出してみたりと、純粋に本を楽しむということはどんどん遠ざかっていくのだろう。

 このマンガの主人公、田家実地子さんは本好きの誰もが経験した、本を読む事が好きになったきっかけの一冊をただ今、読書中なのだ。
 田家さんは就職を控えた学生なのに試験そっちのけで『チボー家の人々』を読んでいる(試験前は本が読みたくなるのよねぇ)。通学途中に本を読みバスに酔う。夜、蚊を駆除しながら本を読む。小説の中に出てきた難しい言葉を頭の中に思い浮かべる(そういえば、中学の時に太宰治にハマっている女の子が居たっけ)。そのうちに田家さんの周りに小説の主人公、ジャック・チボー氏が現れ始める(う〜ん、似たような経験が……)。
 小説の中では『革命』や『資本主義』といった言葉が『論議』されているのに、現実の世界では、煮〆の煮方を覚えさせられたり、雪かきの道具を取りに行かされたりと、格好悪い日々を送っている。そして、いよいよ就職の日がやってくる。それと共にチボー氏等、同士達ともお別れをすることになる。
 僕はてっきり、チボー氏達に『仕事!? そんなものは奴隷のやる事だ』と言われるのかと思ったら、田家さんの『仕事をします』という言葉に『成功を祈るぜ、若いの!』とチボー氏達は田家さんにエールを送ったのだ。
 なんかイイですよねこういうの。学生と労働者の間に分け隔てが無いのって。その後のシーンで、仕事一辺倒だと思っていた田家さんのお父さんが『好きな本を一生持ってるのもいいもんだと俺は思うがな』と言う(うちの親父も仕事人間なのだが、こういうことを言うのだろうか? もしこういう発言をする人間なら、カッコイイ男! と思えるのかもしれない)。
 
 僕が本好きになったきっかけの一冊は村上春樹の『ねじまき鳥クロニクル』だった。この本に影響されてプールに通おうかな、と思ったり、井戸は無いから深い穴を掘り、その中に入って力を溜めよう、などと考えたりした。この小説を読んだ時に感じた『読書の楽しみを初めて知る』楽しみをもう僕は感じられないと思うと、田家さんが羨ましくてしょうがないのだ。純粋に本を楽しんでいる田家さんが。
 
 何のために本を読むのか? と考えるくらいなら本なんて読まない方が良いのかもしれない。

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紙の本蹴りたい背中

2004/03/27 00:39

現実と虚構が交じり合う幻想小説(嘘)

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 ファッションモデル「オリチャン」のパラノイア的ファンである男子高校生「にな川」が登場する小説。
 にな川は、オークションで雑誌のバックナンバーを競り落とし、ヌード写真とオリチャンの顔をコラージュする。家族とはうまく折り合いがついていなくて、離れのような所で生活している。こんな性格を有しているのだから学校でも孤高の存在だ。
 そんなにな川に朗報が! オリチャンと会ったことがある女子がクラスに居たのだ!! その女子はコーンフレークを貪り食っている所をオリチャンに目撃され、市役所前で写真を撮られているオリチャンを目撃していた。なんだかんだでこの女子とオリチャンのライブを観に行くことになる。が、土壇場でコイツが遅刻。
 この女、何なんだ!? 
 僕がこの小説の感想を書くと、やーっぱり「にな川」視点になる。
 で、このにな川にビミョーな気持ちを抱いているのが、綿矢りささん(舌噛みそう)の分身ともとれるハツ。ここで現実と虚構を取り違えて、想う。

「僕のような人間でも、綿矢りささん(舌噛みそう)は許してくれるんだ。っていうか、むしろ好意?」と。

 ネットでの騒ぎっぷりを見ると、こう想ったのは僕だけではないような気がする。もし、りさタン(佐藤友哉さんのユヤタンに倣って)がこのようなフィーバーぶりを予想して「にな川」を描いたなら、可愛い顔して意外に戦略家であるといえる。

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結局、誰にもわからない

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 僕も御多分に漏れず、思春期があった。現実からの逃避として「死」についても考えた。『エヴァ』のシンジくんも悩んでた。そして、あの酒鬼薔薇くんもきっと悩んでいたに違いない。

 著者は事件の原因を全て抽象的な「死」のせいにするつもりは無いとしながら、「死」というものを重要視する。そして、酒鬼薔薇くんの視点で事件の現場である北須磨団地や、両親と深く関係している沖永良部島に行き、そこで「死」の風景を目撃する。
 生きる事だけを考えて作られたニュータウンには墓地が無く、「死」に対する免疫を持っていなかった。そんな「若い」町で育った、酒鬼薔薇くんは阪神大震災や祖母の死という唐突に現れた「死」に直面する事になる……。
 
 彼の中で何が起きたのかは、本人も含めて誰にも分からないのかもしれない。が、町の開拓者にして自治会町のおじさんは、「墓をつくるのが、わしの最後の仕事になる。墓が大事や」と著者に語った。

 「人はなぜ生まれて、なぜ死ぬのか? 人間なら誰しも悩む事。だが、大人になっても悩んでいるのはタダの暇人。思春期に悩めば充分」。あるアニメのキャラクターの台詞だ。僕もそろそろ、酒鬼薔薇くんの幻影を振り払い、「悩む」権利を次の人達に渡すためにも、この本を踏み台にして次のステージに進まなければいけないのかもしれない。

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村上レシピ

2003/08/09 17:45

雰囲気が一番大事なのかも…。

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 村上春樹さんの小説で描かれる料理は読者にとって『おまけ』だと思うんです。そういう意味でこの本は『おまけ』が主役の『チョコエッグ』本です。
 
 村上さんの描く主人公達はみんな食いしん坊です。
 長い旅の果てに星野君とナカタさんは定食を食べますし、他の主人公達は、暇さえあればサンドウィッチを作ってます。
 そして、料理の描写を読んでいる読者はお腹を減らします。たとえ、地球上の食物を残らず食べ尽くした後でも、必ずお腹を減らします。 

 この本は読者の食欲を現実世界で叶える為に出版されたものです。
 紹介される料理のレシピには、料理描写の引用と共に単行本、文庫本両方のページ数が書かれています。きっと筆者は村上さんの大ファンなんでしょう。だから、村上さんの小説を読んだこと無い人にも小説を読んでもらいたい! という気持ちがある筈。だから、本が丁寧なんです。この手の『便乗本』と違ってやっつけ仕事的姿勢は感じられず、親切さだけが伝わってきます。 

 ただ、このレシピ通りに作ったって、料理を盛り付ける皿や、食べる場所などで小説の中の雰囲気とはかなり違ってきます。
 いくら、切れ味の良い包丁でサンドウィッチを作ったとしても、コケティッシュな彼女も居ない、畳の上で胡坐を掻いて食べるサンドウィッチは不味いを通り越して、侘しさを深めるだけです。

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近江商人、大塚英志

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 というわけでリヴァイアサン7巻である(というわけで、ってナンダ! という人は木島日記3巻の書評最後尾をご覧ください)。
 
 1つめの話はアロマテラピーを小道具として使っている。大塚さんは現代で流行っているものを察知して、さりげなく物語のなかに入れるのがうまい。過去に書いたエッセイ(評論?)が某広告代理店(電○)の人達にウケただけはある。リサーチャー大塚英志である。
 2つめの話はワニがトイレに捨てられるシーンから始まる。『下水道のワニ』というニューヨークの都市伝説が作中で言及される。きっと、この都市伝説を種にして話を広げていったのだろう。民俗学者(世間話)大塚英志である。後半のシーンはB級ホラーアクション、とでも言ったらいいのか……とにかく読めばわかる。
 この2つめの話の中には、大塚さんのマンガでは珍しく『笑える』シーンがある。さつきがあることでビックリするシーンがあるのだが、ココだけマンガのトーンが違う。『エヴァ』最終話で突然現れたラブコメのような違和感。衣谷さんのタッチも違うような……気がする。
 
 さつきが色っぽいのだ。

 このシーンでは、さつきの乳が意外にデカイということもわかる(必見!!)

 というわけでこの巻には2つの話が入っているのだが、2つめの話は8巻に続いている。7巻を読んだ人間は、話の続きが気になって8巻を買ってしまうだろう。やっぱり大塚さんはリサーチャーでもなく、民俗学者でもなく、ましてやマンガ原作者でもなくて、根っからの近江商人なのだ(東京生まれだけど)。
 大塚さんの『あとがき』なる喧嘩武勇伝はありませんが、ページ数の関係なのか、巻末に衣谷さんの短編が2本収録されています。僕は『KISS MARK』好きです(ダブルミーニング)。

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紙の本廃墟の歩き方 1 探索篇

2003/07/16 22:10

ちゃらいラーメン屋とはワケが違うんだよ!ワケが。

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 小学生の頃、家族と一緒に朝霧高原へ。地球の裏側まで続いていそうな、アスファルトの道路とフェイクっぽい高原の緑。ウキウキしている僕の視野に、突如現われたドライブインらしき廃墟。一瞬の出会いだったが、その風景は僕の心に焼きついた。
 この本には、日本全国に点在している廃墟物件約40件を住所、モノクロ写真、文章で紹介している。どの物件のモノクロ写真を見ても妄想力を刺激されて、いろんなシチュエーションが浮かんでくる。第三次世界大戦後を思わせるSF的雲上の鉱山都市。剥き出しの脳に電極を差し込まれた患者が居そうな、カルテやアンプルが残された精神病院。最近、某酒造会社CMの背景に登場する福岡の炭坑(志免炭坑)もキッチリと紹介されていて、「竪坑櫓」と呼ばれるコンクリート剥き出しの巨大なタワー施設は、地中に埋まった巨大ロボットの片腕を思わせる。
 どの廃墟にも行こうと思えば行ける。ただ、それなりの注意が必要だ。錆びた階段。ガラスの破片。突き出た釘。野犬に昆虫。本書はそれら危険要素に抗する装備も示しているが、あくまで自己責任、と釘をさす。最後に注意をもう1つ。雑誌で見つけて友達と行く『おいしいラーメン屋』と違って、「突然」現われる廃墟に心を時空の果てまで吹っ飛ばされる訳で、本で見つけて「突然」という要素を無くすと、廃墟のある風景は心に焼かれないはずだ。

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渚にて 人類最後の日

2003/08/12 02:27

未来版『渡鬼』

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 核兵器を使った戦争後の世界。北半球は核で汚染され、汚染されてない南半球で人々は生活していた。核汚染から、アメリカの原潜「スコーピオン号」は、オーストラリアに逃れた。しかし、オーストラリアにも核汚染の雲は確実に迫っていた。

 後何ヶ月で絶対に死ぬのだ。

 訳書特有のもので文体がト書きっぽいのが読みにくかったけれど、そのおかげで、SFというより、未来版「渡る世間は鬼ばかり」という感じがした。作中何度か、人類が存続できるのではないか? という希望を持たせるがことごとく、潰される。そこが、「渡鬼」の日常生活にゆっくりと忍び寄る死と美味くマッチして、飽きさせない。仕事に生きる艦長、レースに溺れるスピード狂の科学者、それぞれの人生に影響を与えつつ、ついにその日を迎える。読後、普段は考えもしない、核の恐怖のことについて考えてしまった。
 僕なら吉牛の牛丼食って最後を迎えます。あなたならどう過ごします? 最後の日まで。

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紙の本アブストラクトなゆーわく

2004/07/04 22:35

紅白に出たい、阿部和重さん

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 はたして、「anan」の読者と阿部和重さんの読者は一致するのでしょうか?
 
 阿部さんの小説には、ストーカーの家庭教師やスカトロ大好きロリコン警察官などが登場します。「anan」の読者、つまり「20代から30代」までの女性が追い求める「キムタク」的な人間とはまったく逆ベクトルな登場人物たちです。彼女たちの日常生活において、このような人間達と遭遇してしまったら、彼女たちは目を背けるであろうし、あるいは罵詈雑言、または無視といった態度を取るかもしれない。そういった意味で阿部さんの小説は、若い女性が好き好んで読むものではない。
 しかし、このエッセイは「anan」に連載されたらしい。
 しかも、一年も続いたらしい。
 不思議だ。
 書かれているエッセイもどーでもいい内容で、例えば、芥川賞に何回も候補されているにもかかわらず、賞が貰えないことから「小泉今日子文学賞」の設立を目論んだり(なぜ、小泉今日子なのか? その理由は書かれていない)、「小泉今日子文学賞」を設立しても受賞できなくては意味がない、と考えて芥川賞=紅白という図式を捻りだし、作家から歌手(ミュージシャンから作家になった、辻仁成の逆バージョン)になって紅白出場を目指したりする。
 つまり妄想だ。しかし、阿部さんの書く妄想は、どこか冷たい。醒めている。書かれている内容の馬鹿さ加減とのギャップ、温度差が楽しい。
 その温度差は、筆者の書く文章、つまり、強固な客観視=第三者=覗き見趣味からくるものだと思う。
 もしかしたら、覗き見趣味=ワイドショー的な文章に、おばさん予備軍である、若い「anan」女性読者が惹き付けられたのかも知れない。
 ちなみに阿部さんは現在、「EYESCREAM」という雑誌でエッセイを連載している。陰謀論や輸入盤CD規制問題などを相変わらずの「阿部節」で論じている。

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紙の本仕事、三谷幸喜の

2004/01/23 17:26

年表、退屈な。

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 三谷幸喜のドラマにはオンナっ気が無いのは何故だろう? 
 そりゃー、『王様のレストラン』にはバーテン姿の鈴木京香(綺麗だったなぁー)や山口智子、『古畑任三郎』には犯人役に女優さんが出演している。『王レス』では西村雅彦と鈴木京香が不倫の関係にあったが、ドロッとした関係ではなくコメディーという物語に回収されやすいサラッとしたもので、ストーリーを面白くするためのネタだった。僕がいうオンナっ気の無さとはこういうものの事だ。
 本書は、小学4年生のクリスマス会での舞台から2001年までの仕事を時系列に並べた年表のような本だ。そこから分かるのは、ラジオの構成作家をやっていた事や佐藤B作とは古くからの知り合いだった事、また、この業界が人から人へ評判が伝わっていく事(要はコネ)で仕事が増えるということだけ。 
 ただ、巻末での精神科医、香山リカとの対談は三谷作品のオンナっ気の無さを解明する手解きにはなる。
 小学生の時に父親が居なかった事で超自我というものを自分で強力に作ってしまった結果、性的な抑圧が強くなった、という分析がされていて、実際に三谷は大学に入るまで女の子に興味がなかった、エロ本も買わなかった、という。
 分かり易すぎる答えだが、こういう性格が作品の一部を構成している事は間違いないだろう。

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紙の本木島日記 3

2003/07/21 12:12

大塚英志の創作方法は面白いマンガを生み出せるのか?

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 大塚英志の創作方法を地でいく、マンガだ。キャラの感情は横に置いておいて、シーンごとのカードをカチャカチャと組み立てていく。お話に無理ができると最後の最後で登場人物達の台詞で辻褄を合わせる。
 それが良いか悪いかは読者が決める事だ。

 ストーンヘンジと迷い子塔をリミックスさせた『身毒丸』(藤原竜也くんは出てきませんので、念のため)。UFOの設計図をめぐる謀略劇『天地に宣る』前編(後編は木島日記4巻です。つまり全編を読みたいと思ったら、2000円かかります。『踊る大捜査線 レインボーブリッジを封鎖せよ』が見れます。おつりが来てコーラも飲めます)。
 
 僕は4巻も読んだんだけど『だから何?』という感想しか持ち得なかった。マンガの中で登場人物たちが騙し騙されするわけだが、読者はその緊張感を味わえるはずもなくストーリーがガタガタ流れていくだけ(決して、水が流れるようにサラサラとストーリーは流れない)。
 確かに、大塚さんの端折りすぎた物語を余り補っている、森さんの描く画は、昭和初期の怪しい街の雰囲気を充分に醸し出してはいる。が、人物のアクションシーンになると誰が何をしているかさっぱりわからない。

 それでも、この画風は森さんだけが書けるものだ。
 大塚さんは田島くんや森さん、山崎さんにもっと感謝すべきだよ。読者の何パーセントかは彼(彼女)等の画を買っているんだからさ(特に田島くんにもっと優しくしてあげてください)。

 僕は大塚さんの評論も読んでいるから『う〜ん、なるほど。確かに一つのお話ができるのね』と納得できる。が、ジャンプを読んでいる少年がインテリジェンスな気分に浸りたいがためにこのマンガを手に取ったとき……どうだろう?(ジャンプの読者と大塚さんの読者がかぶるわけないんだけどね) キャラに感情移入など出来るはずもなく、ストーリーにしがみ付いていくので精一杯だろう。そして、ラストシーンを読み終えた時『これで1000円かよ。高けーよ』と呟くだろう。僕は呟いたんじゃなくて叫んだんだけどね。
 
 それでもやっぱり、『リヴァイアサン』の7巻は買うつもりだし、『多重人格探偵サイコ』の9巻も買う。気がつけば大塚さんの戦略にまんまと引っかかっている僕。大塚さんの唯一の才覚は商売にあるんじゃないか。

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