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先月(2017年8月)

りんさんのレビュー一覧

投稿者:りん

33 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本恋のドレスと白のカーテン

2012/03/16 00:58

19世紀英国ヴィクトリア朝 ひそやかに花ひらく淑女の物語 完結

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

本編完結。
あとがきでは番外編の計画もあるとのことですが、やはりここでひと区切りと
なるのでしょう。
ここまでどっぷりと、はまった少女小説は久しぶりでした。
途中の一冊をほんの気まぐれで購入したのを皮切りに、既刊本を全て集め、
毎回楽しみに新刊を買い、何度も読み返しては19世紀英国ヴィクトリア朝の空気を
感じつつ、クリスやシャーロックと一緒に泣いたり笑ったり。

等身大で描かれるヒロイン・ヒーローは決して完璧ではないし、欠点もあるけれど、
それすらも愛おしくなるほどに人間味あふれる物語が、私にとっては最大の魅力でした。
貴族と労働者。
当時の社会構造から考えて、本来はありえない組み合わせですが、
それが少女小説として無理なくハッピーエンドに導かれていて、
読後感がとても良かったです。

誰かを愛して幸せになろうと思った時、心がまとう光、優しい思い。
それがもしかしたら恋のドレスだったのかな。
最後まで、「結婚」そのものに、言い知れない不安を抱いていたクリスが、
幸せになってもいいのだと信じられたとき、クリスの心も本当の意味で
「恋のドレス」をまとっていたような気がします。
もちろん、そう思うことができたのは、誰よりもロマンティストで努力家で、
一途にクリスを愛しているシャーリーや、親友のパメラを始めとする周囲の人々が
いたからでしょう。
そして、彼らから愛されるクリスの、誠実に相手を想う心があったからだと思いました。

だからこそ、クリスは淑女と呼ばれるにふさわしい女性なのかもしれません。
決して、人目を引くような大輪の薔薇ではないけれど、
ひそやかに、やさしく花ひらく一輪のオールドローズのように。

これから読もうと思っている人にとっては、手に取ることをためらいそうな
冊数ですが、個人的には、自分の子供にも大きくなったら読ませてあげたいくらい、
お勧めなシリーズです。

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紙の本恋のドレスと湖の恋人

2010/11/07 15:44

極上の紅茶にミルクを入れて、砂糖をスプーン山盛り2杯分

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

間違いなくシリーズ中、本編では最高に糖度の高い巻でした。
しばらくシビアな展開が続いたので、とてつもなく贅沢なアフタヌーンティーを頂いたような気がします。

身を隠すために滞在した安宿で、クリスは縫い物をして、シャーロックは机に向かう。言葉を交わさなくても、お互いがお互いの存在に安心している。
そんな、何気ないシーンが、二人が一緒にいる未来を暗示しているようで、お気に入りです。結局のところ、シャーロックはクリスを守っているつもりなのに、実は自覚の無いクリスに翻弄されて、泣きを見ているのがかなり笑えるんですけどね。

最後のほうで、シャーロックの父親との対決に向けて、一歩を踏み出そうとする二人が交わす短い会話が、二人の強い絆を感じさせてくれて、頼もしかったです。

反面、戦争の影が見え隠れしているところが、このあとラストに向かってどう描かれるのか、楽しみであり、不安でもあるところです。
個人的には、癒し系キャラのイアン先生が好きなので、ぜひぜひ彼にも幸せをおすそ分けしてあげてください。

アイリス・・はちょっと驚きましたね。前作、月の降る城で、ジャレッドに協力したことといい、今回の独白といい、母親や妹へのゆがんだ愛の理由と闇のドレスの謎をだいぶ明かしてくれました。ただ、クリスの母親、リンダについてだけは、やはり本人が語らないと真実は見えないようです。

ラストが見えてきたとはいえ、まだまだ目の離せない作品です。
青木先生、素敵なアフタヌーンティーをごちそうさまでした!

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紙の本恋のドレスと翡翠の森

2011/07/05 00:36

すれ違いつづける母と娘は、どこへ向かうんだろう

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ヴィクトリアン・ローズ・テーラーシリーズの最新巻。
「ハクニール公爵家編後半」ということで、英国上流階級の雰囲気を堪能させていただきました。
それにしても、人って置かれた環境と、自分に何を求められるかによって、立ち居振る舞いが見事に変わっていくものだと思います。
親友のパメラに助けられ、今までの環境との違いに戸惑いながら、それでも好きな人のために、新しい場所で受け入れられようと努力するクリスは、本当に健気で可愛い淑女です。

貴族と労働者。厳しい現実が目の前に立ちふさがっていることに変わりは無いというのに、シャーロックの意思の強さとまっすぐな愛情が、読者に安心感を与えすぎです。(笑)
おかげで、クリスとハクニール公爵との対面シーンもそれほど緊張感なく読めました。
会話の内容は厳しかったですが、かえってクリスの決意を固めることになっただけの気も・・・。

なにより、シャーロックの育ちの良さゆえの楽観的な思考が、クリスの「結婚への不安」をあっさりと吹き飛ばすシーンには、思わず笑ってしまいました。
英国式の素敵なプロポーズだったのにー。

そして、今回は、ずっと謎につつまれたままだったリンダの心情が、少しだけ語られていたような気がします。
クリスのお父さんである夫レイノルズとの思い出。それはリンダにとって幸せと哀しみの記憶だから、それを封印するには、彼の子供であるクリスと向かい合うことを恐れて、すれ違い続けるしかなかったのかなあ。それもまた哀しいことですが。

母と娘って、特別で微妙な関係だと思います。それはもしかしたら父と息子という関係にも当てはまるのかも知れないけど、親子でも同性であるゆえに、自分と似ているところを見つけて、嫌になったり、逆に愛しかったり、必要以上に意識してしまうこともある。
これまでも様々な母と娘が描かれてきたこのシリーズですが、最後の最後で、リンダ(母)とクリス(娘)は和解できるのか、それともすれ違ったままで別れることになるのか、ジャレッドの行動の結果がどうなるのか、まだまだ目がはなせません

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紙の本恋のドレスと月の降る城

2010/06/23 01:11

過去に生きる人、未来を見つめる人

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

もしかしたら、二人の違いはただそれだけだったのかもしれない。
ヒューとシャーロック。
二人ともに、英国の歴史をその身に受け継いだ者。
けれどシャーロックは未来を見つめ、ヒューは過去の呪縛にからめ取られて生きている。
いろいろな意味で変革の時代だった19世紀末が舞台のお話だけに、あざやかな対照だと感じました。

さて、前作で覚悟を決めたシャーリーは、期待を裏切らず、しっかり活躍してくれました。(ジャレッドも!)
彼にクリスが必要なこと、そしてクリスに彼が必要なことを、持っているすべてのカードをかけて証明すると言い切ったシャーロック。その言葉通りに、貴族の彼だからこそ出来るやり方でクリスを守ったのは、最高にかっこよかったよ!(笑)

まだまだ難題が待ち受けているけど、それすら忘れそうになるほどに、二人が一緒にいる風景が当たり前に感じられて、なんだか嬉しい気分です。(パメラは「気に食わない」と評していましたが)

それにしても、タイトルにある「月の降る城」・・・どうして「月」なんだろう。
古い血筋にこだわり、時代に取り残されて、もはや自分で輝くことすらできなくなったヒューバート・クラインをイメージしているのか?それとも過去を眠らせるためにマグダフ城に降り立ったクリスのイメージなのか?あるいは、まったく別の意味が込められているのか・・?これも今後の展開で明かされる謎のひとつかもしれません。

そういえばこの巻、今まで名前だけ出ていたヒューバート・クライン、リコ・クライン父娘が初登場しています。個人的に、二人とも予想を裏切るキャラでした。
怖いよー、リコ。もしかして彼女が最終的にクリスの前に立ちはだかる存在なのかな?と思わせる迫力でした。

実はつい最近、個人的にロンドンを訪れたばかりですが、そこかしこに、作中に出てくる地名があって、それだけで嬉しくなってしまった自分がいました。
シャーロックの屋敷があるランベス、車の名前を取ったメイフェア、ウェストミンスター。ロンドン塔。二人がよく使うウォータールー駅。
もちろん変わりゆくものはたくさんありますが、残るものも確かにある。
19世紀、それよりもずっと前から受け継がれてきた歴史とともに、二人に優しい未来が訪れるようにと願わずにはいられません。

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紙の本恋のドレスと聖夜の求婚

2010/03/09 00:44

これまでに見た、もっともすばらしい黄昏

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

―全身全霊で恋をした。
クリスがアディルに着せた黄昏の恋のドレスを見て、そう言い切れるほどにクリスを愛している自分を自覚したシャーリー。
ここからが、彼の本当の見せ場になりそうです。

既刊の随所で愛すべきヘタレ度を披露してきた彼ですが(笑)今度こそ覚悟を決めてくれました。というか、彼が覚悟を決めないと、どう転んでも希望の光が見えてこないほど、泥沼化している状況。まあ、反面教師のようなモアティエ公爵家のゴタゴタもなんとか収束して、個人的にはコーネリアとビアードがまとまって一安心。
それにしても、所々に織り込まれたほのぼのストーリーが、緊迫する状況を少しだけ和め、なおかつそれによって、これから対決する闇が強調されるようで、目が離せません。

結構意外だったのはアディル嬢。コーネリアとクリスとパメラと4人でカードをして遊んだり、クリスと仲良く話す彼女は、以前のつんと澄ました、感情を表に出さない冷たい氷のような青ではなく、美しく澄んだ海のような清涼な青のイメージに変わりました。

それと、ジャレッドがここに来て、かなり重要な位置につけてきた気がします。以前から思っていましたが、ジャレッドとシャーロックはどこか似ているというか、相性がよさそうというか、世慣れた兄が、真面目で一途な弟をからかいながらも、見守っているような・・・。
いや、まさかね。これで実は異母兄弟とか言ったら、かなりびっくりですが、まあ、そんなことは無いんでしょう。

他にも見どころ満載ですが、ストーリーは数々の謎を残して、クライマックスへ!
次刊、たぶん闇のドレスの面々が待つスコットランドの城が舞台になると思いますが、クリスとシャーリーがお互いを想う気持ちを、どうやって闇と戦う力にするのか、とても楽しみです。

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銀朱の花 螢の庭

2007/10/03 00:30

こんどの舞台は・・

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

日本ですか?!
表紙だけだと、そう思い込みそうな感じですがもちろん違います。
物語の中に存在するセラウィン帝国。
前作のブノス編で登場した冒険家の旅した国として、名前だけは登場していましたが、設定はかなり日本の文化に近い感じです。

今度の聖痕の乙女はセラウィン帝国の皇帝のいとこ姫
橘姫の容姿は黒髪、黒瞳のセラウィンの民からすれば、かなりの異相であり、やはり幼少期をその容姿ゆえに寂しく過ごすことになります。

たおやかで、でも芯が強いという主人公のキャラクター設定は変わらずでほほえましいやり取りに、安心して読めました。

主人公ではないものの、彼女のいとこである皇帝、焔王はエンジュの夫カウルにイメージが似ていて笑えました。
もちろん文化の違いはありますが、それを踏まえてのストーリー作りで楽しめます。この巻もいくつか伏線が張られていて、続きが楽しみな一冊でした。

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紙の本もりのピザやさん

2007/10/02 23:58

うちの子のお気にいりです

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

寝る前に「読んで!」とせがまれるNo.1の絵本です。
なぜそんなに好きなのか?
聞いてみても、「面白いから」としか答えてくれない子供たちは
今日もこの本で眠りました。

いや、普通面白かったら眠れないだろうと思うのは大人だけ?

とにもかくにもこのシリーズは既刊全部をそろえた唯一の絵本です。
子供が一番見入るのは、森の形の大きなピザの絵のところ。
あらいぐまのピザやさんはコミカルでちょっとせっかちなキャラクター。
本当の動物の特徴も踏まえていろんなお店を開く動物たちがかわいいのです。(もちろん全く関係ないのもありますが:笑)

幼稚園くらいまでの子どもさんになら楽しんでもらえると思います。

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紙の本王子とワルツと懐中時計

2013/05/06 11:53

シリーズファンには嬉しい短編集でした。

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

王子とワルツと懐中時計
読めば分かりますがこのタイトル、4つの短編のうち3編のそれぞれのキーワードですね。
それに4つめのリルちゃんの短編とあき先生のおまけ漫画がついて、大満足。
事前に公開されていたタイトルで、主人公になりそうなキャラクターを想像していましたが、
期待を裏切らず、ファンには嬉しいラインナップでした。

とくにシリーズの中でも、ミステリアスな役どころだったジャレッドが主人公の「青い弾丸の騎士」はすこしだけ雰囲気が違って楽しめました。
本編で謎の多かった彼の背景を描いているのですが、理解できそうで、結局理解できない。
ありえないかもしれませんが、彼の両親とアルフレイドの物語が描かれた時に全てが分かるのかもしれません。
どちらにしても、アルフレイドとジャレッドの会話からわかった彼の出生の事情はすでに過去のことで、
今の自分には関係ないという感じの最後でしたね。ジャレッドらしい。

もちろん、主役カップルの短編「二年目の舞踏会」は楽しく読ませていただきましたが、この二人については、
相変わらずの幸せモードで、シャーリーがクリスにべた惚れなのを再認識。
そこで怒るか?シャーリー!そんなんじゃ宮廷舞踏会に出られないでしょう!と突っ込みつつ、読了しました。
でも、クリスもそろそろ旦那様の思考回路を理解してあげようよ(笑)

アントニーの短編「彼の懐中時計2」は本編の裏時間ですね。
いまさらながら、アントニー、GJ!彼が居なかったら、本編のあの最後はありえなかったようです。
できれば、彼のハッピーエンドが読みたかったなあ。

ずっと忙しくて、最近は本を購入してもすぐ読めないのですが、さすがにこれには飛びつきました。
ひさしぶりに大好きなシリーズの世界に抱かれて、癒されるゴールデンウィークになりました。

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銀朱の花 祝福の歌

2005/09/25 23:27

このカップルで続編が読みたいなあ

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

読み終わってまず思ったのは、「このカップルで続編書いて欲しいなあ」でした。
主人公にとって世界の全てだった修道院は、心を乱すものが何もない「楽園」。図らずも俗世に連れ出された彼女が出会ったのは若者らしい正義感にあふれる青年だった・・・
となれば、恋愛メインで進むのかとおもいきや、やはり、聖痕の乙女は時代に求められる存在。国の混乱を治めるために出現する運命のようです。
「祝福の歌」はこの二人の恋の行方というよりは、シルヴィアナ王国の内乱として歴史に残るはずの兄弟王子のすれ違いがメイン?という感じでした。
枚数の関係か、恋愛面はそれとなく二人が惹かれあっている雰囲気をちりばめたような感じで、もちろん納得のラストなんですが、もう少しページを割いてそこへつながるエピソードを入れて欲しかったです。
あー欲張り。でもだから「続編書いて欲しいなあ」の気分になったのかもしれませんね。
とにもかくにも、新刊で必ず買おうと思えるシリーズであることは確かです。
既刊の銀朱の花シリーズ(といっていいんでしょうか?)へつながるお話でもあり、シリーズをまだ読んでいない方は、もしかしたら、前作「楽園の歌」と、この「祝福の歌」から読みはじめると、物語が分かりやすいかもしれないですね。

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大切な何かを思い出させてくれる物語

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

どんな犠牲を払うことになっても自分より相手を優先させる。もしくは相手の立場を思いやる。
今の世の中からは消え去りかけている自己犠牲。
今回のヒロインはまさにそれを実践していて、現実の世界に生きる私達に、そんな「人間らしい美徳」を思い出させようとしているようにも思えました。
そして、真摯な思いはいつか必ず報われるのだと・・・。
個人的な印象でいえば、ライトノベルというジャンルは気軽に読める、深い意味など考えずに読むものですが、このシリーズに関して言えば、ライトノベルという形をとっていながらも、読む人が一瞬立ち止まって、「今の世の中本当にこれでいいの?」と考えさせられる設定が沢山あります。
だから楽しみながらも何か大切なことを思い出させてもらっている気がします。
今回のヒロインは前作ヒロイン「聖痕の乙女」タージュの義理の姉。婚約者エルリックのお兄さんの奥さん(ちょっと複雑)ですが、二人の心がお互いへの想いを取り戻してゆく過程は悲しくて優しい物語でした。
「聖痕の乙女」というある意味特殊な存在ではなくても、人はすべて自分の物語をつむいでゆくのですね。
そして最後はハッピーエンド。これもまた癒しの物語の定番です。
この本には、「とこしえの薔薇」と別に、タージュの夫エルリック(この時点では結婚してる)の親友にしてシルヴィアナ王国の王太子殿下が主人公の短編も入っているので、副題「ブノス異聞」にふさわしくブノスが舞台のサイドストーリーが2つ楽しめます。

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紙の本恋のドレスと陽のあたる階段

2011/04/07 23:10

陽のあたる場所へ・・・ふたりならきっと大丈夫

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

愛して、愛されるために。
なんでもする、と誓う。
すべては、あなたのために。

冒頭のこの言葉が、この巻のすべてなのだと、読み終わって初めて気づきました。
たぶん、クリスの「思い」であり、シャーロックの「思い」でもある。
お互いが、お互いのために現実と向き合うふたりは、まさに「親に認められた結婚」という陽のあたる場所へ向かって、階段を上り始めたようです。

それには、もちろん周囲の協力も必要で・・・。
コーネリアやアディル、クラウド(この方、ちゃんと登場したのは初めて。)にアントニーにパメラ。みんなが自分にできることでクリスのために、(ついでにシャーロックのために)協力してくれているのが、とても温かく幸せに感じられました。
人が人を思う力ってやっぱりすごい。
皆がクリスに協力しようとするのも、過去にクリスがお客様として出会った令嬢たちや周りの人たちと真摯に向き合い、相手を危険から守ろうとしたからですよね。
時に、命をかけても。
クリス自身はこんな風に自分に返ってくるなんて、思ってもいなかっただろうけど、そこが母親のリンダとの決定的な違いなのだと思います。
結局、今回もリンダが何のためにクリスに会おうとしたのか良く解かりませんでした。
リコとクリス、彼女にとって大切なのはどちらなのか?
個人的には、このあたりも最後はすっきりさせて欲しいな。

それにしても、今回のお気に入りは、ソフィアお母様!
過去、クリスに天然の対応でダメージを与えた方でしたが、自分は『なにがあっても夫の味方』と言い切れる、とっても素直でかわいらしい公爵夫人でした。

頑固だけど妻を大事にする父親と、夫を愛し子供を愛する母親がいるハクニール家。こんな理想的な家庭で育ったから、シャーロックはどこまでもまっすぐで未来を信じられる人になれたんですね。ある意味、彼は少女小説の理想的なヒーローだと思います。
(それなのに、どうしてあんなに思考過程が笑えるんだろう。)

次回は夏の予定とか、今からもう心待ちにしています。

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紙の本雄飛の花嫁 涙珠流転

2004/11/12 00:50

政略結婚も洋の東西でストーリーが変わる

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

気づいたら年の差カップルが主人公の小説を続けて読んでた自分に気づいた。
別に他意はなかったけれど、たまたまそれが西欧を舞台にしたファンタジーと
東洋を舞台(設定はたぶん中国とモンゴルの中間あたり)にした本作、
「雄飛の花嫁」でした。

どっちもいわゆる王族の政略結婚と言われる種類の結婚で始まる。
年の差ありで男性のほうが年上。(本作は12歳違い)

もちろん主人公の性格設定には違いがあるし、一概には言えないけれど、
中世の西洋をベースにすると、歴史的にもどうしたってキリスト教の影響が
色濃くでてくるためか、まず結婚の事実が優先される。
(特に王族なんかは結婚自体が宗教儀式の一環なんじゃないかと思うような
描写もあるし。)
お互いの気持ちはその後動いていくようなストーリーが多いような…。

でも、この「雄飛の花嫁」は東洋ベース。
お互いの気持ち一つ(今回の場合はだんな様のほうが一方的に大人だったけど)
で結婚の事実があろうがなかろうが夫婦として寄り添える。
周りにしても必要以上に干渉しない。
騎馬民族のおおらかさか?とも思ったけど、やはりこれって西洋と東洋の文化の違いなんじゃないかと思い至りながら楽しく読了しました。

政略結婚から始まる恋物語。
年上のかっこいいだんな様に大切にされる幼妻をちょっとだけうらやましく感じるのは私だけじゃないはず。
興味のある方はぜひ手にとってみてください。

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紙の本たとえ許されない恋だとしても

2011/11/10 00:54

デビュー作から1年。なんとなく気になる作家さんです

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

デビュー作「氷雪王の求婚」が悲恋ながらも後味が悪くない作品で気に入っていたので、それとなくチェックしていた湊ようこさんの2作目。
今度こそハッピーエンドが来るかなと期待しつつ待っていたのに、
タイトルにはまたもや悲恋のにおい?
・・・ということで、ちょっとがっかりしながら読み始めましたが、文章は読みやすいし、
架空の国設定のなかにも、歴史への既視感があるあたりは、歴史物小説好きの私には
デビュー作と同等以上の良い印象です。

今回のヒロイン、レイアは、女副将軍という立場と腕前にも係わらず、王女という育ちの良さのせいか、素直でかわいらしく、女性としての自分に多少コンプレックスを抱きながらも前向きなところがいいなーと思います。

ヒーローのリギュロンも敵国の武官という設定ですが、彼はどちらかと言うと武人としての能力に似合わない、天然さがツボでした。
女性を褒めるのに、馬やら鶏やらに例えるなんて初めての感覚で、彼の親友のように、思わず突っ込んでみたくなります。

戦の始まる前のたった1日を一緒に過ごした二人が、お互いの本当の素性を知らずに恋に落ち、戦の終わるころに再会を約束するあたりは、悲恋要素十分でしたが、読了するころには、そこそこ納得できるあたりに落ち着いたので、ほっと一息。

惜しむらくは、後半がちょっと急ぎすぎかな。
もう少しページ数を割いて、2年の間、離ればなれになった上に「許されない恋」だと思いながらも相手を想ってしまう二人の葛藤がもう少し短いエピソードで入っていたら、お話し自体がもっと重厚な印象になったかもしれません。
私はそのほうが好みですが、ライトノベルという枠の中ではそこまでは求められていないのかも・・・。

それでも、個人的に気になる作家さんの一人になりそうです。
次回作への期待も込めて★4つで。

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女性であり、妻であり、母であり、なにより大英帝国の君主であるということ

5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「ヴィクトリア女王―世紀の愛―」という映画をレンタルDVDで視聴したついでに、勢いで買ってしまった本ですが、思いがけなく「目からうろこ」の一冊になりました。

もともと、ヴィクトリア朝を舞台にした物語が好きで、風俗や衣装、建築関係には前から興味があり、いろいろ本も読んだことがありますが、女王その人については一般的な知識しか無かった私にとって、「君臨すれども統治せず」のお手本といわれた女王はアルバート公との幸せな結婚生活とヨーロッパ各地に嫁いだ子供や孫たちによって「ヨーロッパの祖母」となった“女性であり、妻であり、母”のイメージしかありませんでした。

加えて、戦後生まれの日本人である私にとって、立憲君主と聞くと、政治に基本的に関与しない天皇陛下のような感覚が強かったので、ヴィクトリア女王が、国の政策や方針に対して、首相と意見を戦わせ、ヨーロッパの情勢や戦争に対して敏感に反応し、インド皇帝という称号に執着を見せるなど、君主としても大きな存在であったという事実は強烈な印象を残しました。
その意味でも、本書がとくに「君主」としての女王を描くに当たって、“戦う女王”という表現を使ったのは、とても興味深く的確な表現だったと思います。
また、構成がほぼ時系列で時の政権と女王との関係を追っているので、ところどころで小説とは違う読みにくさはあるものの、女王の治世の概要をたどるには調度良いボリュームの本だと思いました。

ジョージ三世の四男ケント公爵のひとり娘として生まれ、女性として、妻として、母として、そしてなにより64年という長い治世の間、大英帝国の君主として生きるために、想像を超えたエネルギーを保ち続けた偉大な女王は、20世紀の幕開けとなった1901年に81歳でその生涯をワイト島にあるオズボーン・ハウスで閉じることになります。
戦い続けた女王は、愛する夫との思い出が残る場所で、何を思って人生の幕を閉じたのか・・。

女王が亡くなる前に発した明確な最期の言葉は、「私はまだ死にたくない、まだまだ差配しなければならないことが数多く残されている。」だったそうです。
大英帝国の“君主”であり続けた女王らしいと感じるのは、私だけでしょうか。

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紙の本恋のドレスと約束の手紙

2008/09/05 01:01

ヴィクトリア朝時代の英国という設定には魔力でもあるんだろうか?

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

私はどうもヴィクトリア朝時代の英国が舞台になった漫画や小説に惹かれるらしい・・ドレスも建築様式も、生活様式も産業も実に興味深い時代です。

本作のタイトルにある「恋のドレス」という言葉には微妙に抵抗感があったものの、「ヴィクトリアン・ローズ・テーラー」というシリーズ名に惹かれてはじめて購入したのが、シリーズ7作目「恋のドレスと運命の輪」でした。本作はそのシリーズ最新刊です。

主人公の営む仕立て屋「薔薇色(ローズカラーズ)」に偶然妹のドレスを頼みにやってきた青年貴族と主人公が、いろんな事件を通して交流してゆくうちに恋に落ちるという設定は、ありがちといえばありがちな身分違いの恋ですが、この時代、労働者階級のミス・クリスティン(クリス)と名門貴族のシャーロックでは正式に結婚する可能性は限りなくゼロ。
それでも、二人はシリーズを重ねるごとにお互いを想う気持ちを育ててゆき、最新刊では恋人という関係になった二人の交流が描かれています。

恋人とは言っても、公にできる恋でもなく、二人がかわす恋文がお互いの性格を反映していて、思わず微笑みたくなります。

クリス自身の過去が十数冊のシリーズの中でほとんど明かされていなかったことを考えると、これからひと波乱あるんじゃないかと、期待させてくれる展開でした。

最後はハッピーエンドになって欲しいけど、どうなんだろう
恋のために王位を捨てたウィンザー公・エドワード8世はヴィクトリア女王のひ孫(たぶん)だったけど、シャーロックはクリスのために公爵家を捨て・・られないだろーなー。というかそういうタイプじゃない気がする。

周りの個性的なキャラも魅力的で、個人的には医者のイアン先生の「のほほん」とした雰囲気がお気に入りです。

そういえば新しくできたディズニーランドホテルもヴィクトリア朝様式とか。泊まりたいけど高い・・・

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