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    体が硬い人のための柔軟講座 (NHKテキスト 趣味どきっ!)

    体が硬い人のための柔軟講座 (NHKテキスト 趣味どきっ!)

    中野 ジェームズ修一 (講師),日本放送協会 (編集),NHK出版 (編集)

    5つ星のうち 4.0 レビュー詳細を見る

sagagaさんのレビュー一覧

投稿者:sagaga

6 件中 1 件~ 6 件を表示

ワイルド・ソウル 上

2006/05/09 23:55

極上の復讐劇

9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

戦後まもなく、豊かな耕作地と住環境が手に入るという宣伝文句を信じ、胸に希望を抱いてブラジルへと旅立った幾万の日本人たちがいた。しかし当時の外務省によって行われたこの移民政策は、実際は「口減らし」政策であり、彼らは現地人たちでさえ住み着かない未開のジャングルへと放り込まれた“アマゾン牢人”であった。家族を失い、どん底の生活から数少ない成功者へとのし上がった衛藤は、同じくアマゾンで辛酸をなめた養子のケイ、松尾、山本と共に外務省への復讐を企てる。
復讐劇というと陰鬱なストーリーを思い描きがちだが、この本はうまい具合に物語全体にラテンのスパイスが効いていて、暗い題材の中にもどこかあっけらかんとした明るさがある。登場人物もこれがまた良い。過去にそれぞれ人には語れぬ経験を持つ共犯者たちも、年とともに情熱を失いつつあるテレビ局社員貴子とその周囲の人々も、みな一様にひと癖もふた癖もある人間ばかりだ。特に日本に来てから中心的人物となるケイは、そのバカがつくほどの明るさでぐいぐい読者を惹きつけ、最後の最後まで期待を裏切らない理想的な主人公と言える。スピード感溢れるスリリングな展開、どこか憎めない犯人たち、そして極めつけはこれ以上ないというくらいの最高のラスト。読書が極上の娯楽であると改めて感じさせてくれる傑作エンターテイメント小説だ。

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終戦のローレライ 上

2005/10/19 01:12

五感で読む『終戦のローレライ』

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 ライン川の魔女「ローレライ」の名を付けられた超高感度新型索敵装置を装備した潜水艦イ507をめぐる歴史冒険小説。帝国海軍の最後の望みの綱としてドイツより譲渡されたイ507に配属となった折笠征人をはじめとする「帝国海軍のあぶれもの」たちは、謎の元SS隊員(ナチス親衛隊)フリッツ・エブナーと「ローレライ・システム」と共に、第三の原爆投下を阻止するため、米軍の大艦隊に戦いを挑んでゆく。
 元々福井晴敏さんの作品には「そりゃ無理があるだろ」的な要素が多く、いまいち感情移入しきれない部分が多かったが、この作品は別格。無理な設定は想定済みとして、それがもはや気にならないほどに作品としてのクオリティが高いと感じた。潜水艦同士の戦闘シーンをあれだけ迫力あるものに描く筆力もさることながら、随所にちりばめられた温かな言葉たちに心が揺さぶられる。特に、テニアン島で相手潜水艦を撃沈する決心をした絹見艦長の心に浮かぶ「海軍五省」には鳥肌が立った。
 ところで、もし単行本を手にする機会があったなら、ぜひ表紙カバーを取ってみてほしい。カバーの突き抜けるような爽やかな青とうって変わって、中は赤と黒だけの、シンプルだけれど衝撃的なデザインになっている。青く澄み渡った空の下、透き通る水の中で流された数多くの人々の血、彼らが沈んでいった海の闇を連想させる、そんなデザインだと感じた。
 目に焼きつく青いマリアナの空、撃たれた隊員の血の色、海水を伝って聞こえてくる海中の音、乗組員たちの合唱、鼓膜を押しつぶすほどの圧力、異臭が漂う狭い艦内。様々な感覚を総動員して、この物語の訴える痛みを感じ取ってほしい。

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紙の本バッテリー 1

2005/03/30 02:34

バッテリーという関係

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

まるで恋愛小説だ。

天才ピッチャー巧とその球を受けるキャチャーの豪。
2人がバッテリーを組みだしてすぐに、そんな印象を受けた。
ああ、やっと、最高の伴侶を見つけた。
そんな感覚だ。

野球においてキャッチャーはピッチャーの「女房役」と言われるが、
この小説の豪はまさにそんな役にぴったりの、気が利く頼れる存在。
かたや巧は天才肌の選手で、そのプライドたるやエベレスト並み。
そんな一見ちぐはぐな2人が出会い、互いを認め合い、
相手の考えていることがわからないといっては悩み、喧嘩して、
それでも互いを必要だと感じている。
その感覚はまるで恋だ。
友達ではなく、親友というのともちょっと違う。
野球をやっている人間、それもピッチャーとキャッチャーという
限られた人間だけに許されるバッテリーという特別な関係。
そんな関係を心から羨ましいと思う。
熱くて危なっかしくて、どうしようなく真っ直ぐな2人の関係が
このままずっと続いてほしい。
そう願わずにはいられない物語だ。

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紙の本地下鉄に乗って

2004/03/25 23:33

銀座を歩きながら読んでほしい本

4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

戦前の銀座界隈の豊かさ、戦後の悲惨な状況下での貧困、
そしてその数年後に見事な復活を遂げる日本人たちを
尊敬と優しさと、懐かしさに満ちた言葉で描いた小説であり、
親子の再生と切ないくらいの無償の愛情を描いた秀作であると思う。

私は戦前・戦後の風景に実際に触れた世代ではない。
写真とわずかな書物くらいでしか知ることはできない。
けれど、毎朝通勤途中に通る和光に当時の面影を探し、
はるか50年以上もの昔へ思いをはせることはできる。
銀座4丁目交叉点を渡り、三越を横目に歌舞伎座方面へと歩いていく。
それらの建物は、遠い昔から銀座という日本を象徴する街をみつめ、
まるで記憶の守人のように威風堂々とした姿を現在に残している。
この小説を読んだら、それらを丹念に、注意深く観察してほしい。
きっとそこには戦後を生き抜いてきた人々の思いがあふれているから。
絶望しているときでも、きっと希望がわいてくる。
そんな街であり、そんな小説である。
銀座の街で小さな希望を手にしたら、帰りはもちろん、メトロに乗って。

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紙の本輪違屋糸里 上

2004/06/20 23:46

波乱の時代を生きた女たちの物語

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

一般的な「新撰組」を中心に描かれた小説だと思って読み始めたら、
恐らくその期待は裏切られるだろう。
ただ、その裏切りは決して読者を落胆させるものではなく、
浅田次郎さんらしい、優しさに満ちた裏切りだ。

この小説の主人公は、近藤でも、土方でも、沖田でもない。
彼らの陰に隠れてほとんど名さえ出てこない女たち、
島原・輪違屋の天神(太夫に次ぐ位)糸里、同じく桔梗屋の吉栄天神、
芹沢鴨と共に殺された菱屋お梅、そして新撰組が屯所として使っていた
壬生村の八木家のおまさ、前川家のお勝。
彼女たちを中心に、この物語は動いていく。
売られ、利用され、謀られ、それでも愛した男に身を捧げようとする女。
隊士たちの母代わりとなって、彼らを案じ、人としての道を諭そうとする女。
女として、母としての幸せを投げ打ってまで太夫になりたいと望む女。
隊士たちが流した血のぶんだけ涙を流す彼女たちなりの戦を
浅田さんなりの解釈で描いた本作は、もはやただの新撰組小説ではなく、
幕末の動乱期を生きた女たちの物語として読んだほうがわかりやすい。

土方への愛に苦しみ、自らの手を汚して糸里が手に入れた幸せは、
あまりに悲しく、それが女としての幸せであるとは言い難い。
けれど、敬愛する音羽太夫が最期に残した
『だあれも恨むのやない。ご恩だけ、胸に刻め。ええな、わてと約束しいや』
という言葉を胸に、太夫として初めて島原を練り歩く糸里の姿は圧巻だ。
悲しみも恨みも昇華させて、さらに強く美しくなっていく女たちの姿に
涙しながらも、笑ってしまった。

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臨場

2004/04/26 02:21

死者の代弁者・倉石

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

“終身検視官”と称される名物検視官・倉石を軸に描かれる短編集。
一作一作、適度な緊張感と謎解きが用意され、最後まで飽きさせない。

変死体が発見された現場から読み取れるありとあらゆる情報を分析し、
死亡推定時刻、死因などを調査する「検視」という仕事。
つまり「自殺」か「他殺」か、
その判断は検視官の能力にかかっているわけだ。
現場に残された僅かなヒントを見逃せば、殺された者は報われず、
殺人者は野放しにされたままである。
また逆に、自殺者を誤って他殺を判断すれば、
何十、場合によっては100人以上の警官に無駄骨を折らせることになる。

しかし、そんなプレッシャーもなんのその、
研ぎ澄まされた観察眼で鮮やかなまでに死因、死亡した時の状況、
はたまた死者の思いや犯人までもを明らかにする倉石は、
名高い名探偵たちと方を並べるほどの能力の持ち主と言っても
過言ではないと思う。

そんな倉石であるから、男も女も放ってはおかないわけで、
痩身でオールバック、しかもヤクザのような顔つきにも関わらず、
倉石は多くの刑事たちに倉石学校の「校長」と呼ばれて崇拝され、
彼の身の回りの世話をしたがる女も一人や二人ではない。
そういった部下たちや女性への、厳しいながらもどこか優しさを感じる
言葉や態度がまた良い。

そして、死者への真摯な態度。これがもう、たまらない。
もう何も語れない死者たちの「代弁者」、それが倉石である。
何も付け足さない、作らない、想像しない。
徹底的に真実だけを探そうとする倉石の検視は、
いわば死者への手向けなのかもしれない。

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