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    5つ星のうち 4.0 レビュー詳細を見る

少女魂さんのレビュー一覧

投稿者:少女魂

1 件中 1 件~ 1 件を表示

紙の本アメリカのマドレーヌ

2004/11/17 00:59

何十年もの時をえた、最高のプレゼント

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

子供の頃から大好きで、終りなんて存在しないと安心して高を括っていた、マドレーヌシリーズの最終巻です。
最初の「元気なマドレーヌ」から60年余り、この本をめくるのが、待ちに待ったって感じで、うれしい反面、名残惜しさでいっぱい。

「アメリカのマドレーヌ」のそもそもの構想は、1960年代に大統領夫人だった、ジャッキー(ジャクリーン・ケネディ)がマドレーヌシリーズの大ファンで、作者のベーメルマンスにファンレターを出した事から、二人の親交は始まります。
そしてジャッキーの提案もあり、マドレーヌ達がパリからホワイトハウスに遊びに行くという内容のお話が作られ、出版されるはずだったのだけど無理になった、という経緯があったと何かで読んだ事があるので、(大統領は暗殺され、ジャッキーはホワイトハウスを出たのだから、当然と言えば当然なのだけど)そんな訳で、今回出版された「アメリカのマドレーヌ」は、どんなお話になったのか皆目検討もつかなかった。

内容はマドレーヌのひいお祖父さんが亡くなってしまい、遺産を相続するために、ミス・クラベルや寄宿舎のみんなで飛行機に乗って、パリからクリスマス直前のテキサスへ出かけて行く。この遺産というのがゴージャスで、牧場、デパートはおろか金鉱や油田まであるのだ。
一瞬、小さな女の子もついに金満家に成り果ててしまったかと思ったが、心配御無用。無邪気さで、微笑ましい事件を巻き起こしていく、かわいいマドレーヌのままだ。
なんと、今まで最大級の謎?であった、マドレーヌの名字も明かされます。

この本の中の総ての絵は、作者ベーメルマンスの死後、残されてた下絵を元にお孫さんのジョン(彼はまだ若く1970年生れです)が、描き足して完成されました。彼が描き足してくれなければ、本書は日の目を見る事が無かったのかも知れないのですね。
本文中に
「細部をまねるのでは無く、祖父の目を通して物を見るように心がけたつもりです。」
とあるだけあって、挿絵のレベルも高く、真似しました的な違和感もなく、あくまで個人的印象なのですが、今までのマドレーヌシリーズより丁寧に描かれてる気がします。

ベーメルマンスの娘である、バーバラのクリスマスの思い出に関する短いコラムも載っているのですが、幸せ過ぎて胸が痛いくらいのクリスマスの情景を書いてるにもかかわらず、思わず涙が出てしまった。
その短いクールで淡々とした文章から、私の頭の中で、1949年のニューヨークのクリスマス風景を容易に思い描く事が出来たからだろうか。
翻訳者の江國香織さんのさじ加減が絶妙だからなのだろうか。まさに翻訳のなせるわざと言えるだろう。

マドレーヌの他に
1 はくしゃくとくつしょくにん
2 サンシャイン
合計3つのお話が収録されていて、どれも古い良い時代の心温まる、クリスマスが関係ある話だ。
絵本としてはぶ厚く、読みごたえがある一冊。
既存のマドレーヌシリーズから、随分と長い長い時間を経た分、マドレーヌが大好きな子供、そして大人にさえ最高のプレゼントとなる事だろう。


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