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先月(2017年6月)

ブルーベルさんのレビュー一覧

投稿者:ブルーベル

2 件中 1 件~ 2 件を表示

紙の本ムーミン童話の世界事典

2005/07/06 02:02

ムーミンの世界への入口

10人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

手元にムーミンの本が無い私は、子供の頃から図書館で借りていた。そのせいか、何度も読んでいるはずなのに、驚く程記憶はあいまいだ。
コンパクトなこの一冊に閉じ込められた本を読むと、ムーミンパパは、ムーミン捨て子ホーム出身だったとか、そういえばそうだったな、と思い出す事もあれば、小さなミーの隠れ場所は、ムーミンママのバッグはおろか裁縫箱だとか、ニョロニョロは夏至の前の晩に種を蒔くと生まれてくるとか、見落としているのか、初めて知ったような気がする事柄も多いことに気付く。
ムーミンの本編からの抽出だけで無く、作者ヤンソンさんの生い立ちもからめ取りつつ、それがムーミン本編にいかに反映してるかという事実などは、さすが事典を名乗るのにふさわしく、よくぞ、ここまでと思う位調べられている。
そういえば、子供の頃から不思議だった「どうしてムーミンの世界はとんでもない嵐や、地の底まで震わせるような大きい雷が、何度も登場するのだろう。」は、
ヤンソンさんの父親が無類の雷好きで、独立独歩のムーミンパパに案外と単純に父親を重ねているのかも知れないなと思うに至った。
ムーミン本編と関係ないのですが、とても心に残った話があります。彫刻家の父親と画家の母親を持ったヤンソンさんは、子供の頃から情熱を秘めた勇気のある子だったようです。
14才の時、大親友の男の子がいる島に合いに行く為に、父親の大反対を押し切って、一人で手こぎボートで、丸2日かけて訪ねて行ったそうです。その話にはロマンチックなエピソードがついてて、訪ねて来てくれた少女に、少年はオペラ「ラ・ボエーム」の全曲を歌ってあげたそう。
彼女の性分も然ることながら、彼女が何に価値を置いて、人生を過ごしていったのかを、暗示する様な素敵な話だ。
こんな経験によって、ムーミンの骨組みは作られていったのだろう。作品と作者は密接に結びついてて、鏡のようにお互いを照らし合わせている。
私は老女のヤンソンさんの写真しか知らないけど、この話から勇ましそうな、それでいて夢見がちな、そんな少女が容易に頭に浮かんでくる。
最後になりましたが、sade「雨」のページからのほんの一部です。
「とくにママは、雨の音をききながらの昼寝が好きである。」
今となっては、このママの行動はヤンソンさんの日常だったのだろうと思わずにはいられない。毎夏を過ごした小さな小さな島で、彼女は雨の音をききながら眠っていたことだろう。
その風景を想像すると、私も雨の中、ベッドを窓際に寄せて眠りほうけてみたくなった。

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Loretta Lux

2005/08/23 22:05

美しい子供たち

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

水色の空と雲を背景に、ブロンドに青い瞳を持った子供達。
どの子供も目の虹彩が強く、アンティークのビスクドールの様だ。
中にはmegumi、keisukeなんて日本人の子供のポートレートもある。
どれも極上に可愛いけれど、妙な違和感がある。
色形が60年代風のコートを羽織った少女。
このコートには、大きなシミがいっぱいついている。
まるで、誰かのお下がりを羽織ってきたみたいに、現実的だ。
外国の子供がほとんどだし、古い洋服達は決して懐かしい形のものではないのになぜか郷愁をさそう。
子供の顔と体のバランスも変だ。明らかに頭の大きさににはそぐわない小さな肩頼り無い5頭身は、おとぎ話の小人めいてる。
コンピュータを使ったと処理という写真とは、こんなにも被写体をアンバランスにかえてしまう。
けれど、美しく決して嫌な気分にはならない。
そんなとこからして、おとぎ話の世界に迷いこんだみたいに混乱してしまう。
ひざこぞうに貼っているバンソコウがなければ、自動人形に見えてしまう子供。
「The Book」は、三つ編みの女の子が二人かがんで、遊んでいる作品だ。
この構図はバルテュスの絵の様で、今にも、これからなにか起こりそうだし、一見、清らかそうに見えて、スキャンダラスな印象をも想像させてしまう。
どの子供達にも、それぞれ普遍的な物語があるように感じてしまう。
「The Wanderer」は、草地に寝そべった少女の作品。
子供の頃に、古い画集で見たことのあるワイエスの絵に、似ている気がする。
私には幼い頃、嫌な事があると、いつ建つともしれないクローバーだらけの造成地で、寝転んで空を眺める秘密の場所があった。
そんなことを、手で触れる事が出来そうなくらいに、ありありと思い出す。
彼女の作品には、人種や国を超えて、何か記憶の郷愁をさそうものがある。
書店で、積み重なるように沢山置かれていた本書は、オシャレ本に分類されてるようだが、それでは勿体ない。
嫌でも自分自身と向合ってしまう、魂の深い所に潜り込んで来る感覚は、記憶を一瞬の内にさかのぼり、取り戻せない子供時代の世界に通じている。
著者は、そこから私達が勝手に想像する物語の入口を開いてくれる、魔女のような存在なのかもしれない。

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