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TKOdesignさんのレビュー一覧

投稿者:TKOdesign

紙の本デザインのデザイン

2004/01/08 16:10

デザインの本質

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今、「デザイン」という言葉はとても便利に、かつ汎用的に使われている。
例えばauのinfobarを店頭で見かけたとき。
「これ、デザインいいよね」と真っ先に口をついて出る。
多分それをきちんと翻訳すれば「これ、見た目いいよね」と語っているのみで、その見た目の奥に秘められているケータイとしての機能や他製品への批評を含む深澤直人氏の思想にまで咄嗟に思いをめぐらせては、きっといない。
それを手にし、実際に使用し、「これ、使い勝手といい携帯電話としてのデザインがいいよね」と語るのであれば、それは違う「デザイン」である。
 乱暴かもしれないが、原研哉は後者の「デザイン」ということに思いを馳せ追求し、この書を書き上げたのだと思う。多分。

この本を、朝の起きがけにちょっと読んでみたのだが、
「デザインを言葉にすることはもうひとつのデザインである。本書を書きながらそれに気づいた」というまえがきの最初の刺激的な一文で、一気に目が覚めた。

 というのも、誠に僭越ながら、僕にとってのデザインとは、思考を整理し、文章化することなのだ。

 と、そんなことを考えながら読み進めていったが、たしかに「まえがき」は意欲的で刺激的である。しかし、第1章に入って頭の中に「?」「?」「?」が並んだ。悪い意味でである。

というのも、「世界」とか「時代」とか「未来と過去」、「社会全体」といった“大きな言葉”が並び始めたからだ。
ちょっと無自覚に多用されている気がしてならない。
そして「デザインの概念」の話(つまりウィリアム・モリスやバウハウスなど)へと移行するのだが、この書の目的であるデザインを語るのであれば、「デザイン」という言葉を使わないで語るべきなのだ。多分、筆者の思考と力量をもってすれば、それも可能なはずである。
 しかしながら(といってもちょっと躓いてしまったのだが)、第2章以降は筆者が手がけたプロジェクト(「リ・デザイン展」であり「松屋銀座リニューアル」であり「無印良品」であり)の実践論であるから、そこでは本質的なデザインが語られている筈である。
 それを楽しみに毎朝の起き掛け一杯に読みたい1冊である。

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