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  3. 金田 悦二さんのレビュー一覧

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    体が硬い人のための柔軟講座 (NHKテキスト 趣味どきっ!)

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    中野 ジェームズ修一 (講師),日本放送協会 (編集),NHK出版 (編集)

    5つ星のうち 4.0 レビュー詳細を見る

金田 悦二さんのレビュー一覧

投稿者:金田 悦二

4 件中 1 件~ 4 件を表示

紙の本大相撲大変

2006/09/12 23:14

大相撲に愛のムチ

8人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 「何やっとるか 日本人力士」。本書は相撲を愛する著者からの愛のムチである。
 相撲ファンならずとも、朝青龍・白鵬・朝赤龍・安馬などモンゴル勢の活躍はもちろん、イケメン琴欧州・怪力の把瑠都・露鵬(暴力ざたでも名をあげた?)など欧州勢も台頭するなど外国人力士の活躍が華々しいのに引き替え、日本人力士は貴乃花以降横綱も出せず、カド番を繰り返す盛りを過ぎた大関・関脇陣ばかりで不甲斐ないと思っている。
 著者は温泉教授として名高いが、モンゴル研究家・大相撲研究家としても知られている。05年の前著「朝青龍はなぜ負けないのか」から1年待たずに出された本書「大相撲 大変」は、現状にさらなる危機感を募らせた著者が、大相撲人気の回復を心から願って綴った決定版である。
  「白鵬なみだのわけ」
  「朝青龍はなぜバッシングされるのか?」
  「なぜモンゴル出身力士は強いのか?」など
 正確なデータとモンゴル人力士の心理やモンゴルという国の自然・食べ物・家族力などモンゴルの文化・社会をも知り尽くした著者ならではの分析が、小気味よいテンポで展開される。そうだったのか、とひとつひとつ頷いてしまう。
  「大切なことは、外国人力士が教えてくれた」
  「日本人力士、こうすれば強くなる!」
 日本人力士復活を願った厳しい言葉が続く。
 大相撲を考える上で欠かせないデータとして、例えば力士の給与や褒賞金さらには役員報酬まで明らかにされていて興味深いし、現在は考慮されていない勝率を評価基準にすべしと主な力士の勝率データも掲げている。巻末にはモンゴル出身力士名鑑も付いていて重宝する。コラムでもモンゴル相撲の詳しい解説や白鵬パーティーでの秘話など楽しめる。
 著者は大相撲とは「国技」ではあっても「神事」ではなく「スポーツ」ではあっても「格闘技」ではないという。その大相撲は今後も外国人力士がトレンドリーダーとなっていくが、本当の人気回復には封建的な相撲部屋、時代遅れの相撲協会・横綱審議会などの改革が必要と直言している。それにとどまらず、「朝青龍、モンゴルに帰れ!」と心無い声を投げつける日本人にも、「かつて日本人の美徳とされた勤勉さ、実直さ、他人に対する思いやりなどを忘れかけているのではないか」と切って返す。決して手を抜かず、着実に努力を重ねれば実を結ぶとモンゴル人力士が改めて気づかせてくれたのだと説く。
 「まずは取組を楽しもう!」大相撲を愛してやまない著者からの言葉を素直に受けて、ともかくは声援を送り、相撲の魅了を堪能しようではないか、そんな気持ちにさせてくれる。相撲ファンだけでなく現代日本人に必読の書である。

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民話の謎から豊かな人生を

8人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 「大きなかぶ」の六つのなぞとは?
 なぜ「じゅうたん」が空を飛ぶのか?
 桃太郎の出生の秘密とは!?
 森にお菓子の家があるのはなぜか?  
 民話、伝説、昔話等は実に荒唐無稽である。しかし、その荒唐無稽さには奥深い理由があるのだ。本書では民俗学や口承文芸と関係をもつ分野の研究者たちが幅広い視点から世界の民話に潜む謎を解き明かしながら、変容してきた民話の楽しさ、文化の多様性の大切さを語っている。
また、随所に織り込まれる「若返り・不老不死の願い」「水に棲む妖怪・妖精」「特別な数字」などのコラムも学問の面白さを存分に感じさせる。
 かつて、吟遊詩人が語り、シルクロードの商人が旅で見聞きしたことに多少の味付けをして物語風に語ったというが、そこには単に情報伝達にとどまらず多様な文化が背景にあった。編者は、個別性と普遍性を同時に提供する口承文芸から得られる多様な価値観をグローバル化し、未来社会のデザイン・人生の多様なモデルの提示につなげようとしている。
 絶滅危惧種と憂慮される民話の世界がこんなにも深くて面白いものだったとは。子どもに昔話を語ることは、「大人が自分のために時間をとってくれた記憶が 大切にされた自分 という感覚を育てるだろう。しかも共有した楽しい時間の記憶は大人の生き方にもうれしい影響をもたらすはず」という指摘にはうなずける。民話を読んでみよう、語ってみようと思う。
 新書版で携帯に便利、民話ごとに読み切りなので空いた時間にちょこちょこ読める。「子どもに接する職業であるか否かに係わらず手軽に本書から多様な価値観を摂取してまなざしひとつで人生を豊かにするすべを得ることが期待できる」という。すべての大人たちへの心からのメッセージである。

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モンゴルで「ある実験」(ショック療法)がなされていた!!

7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

なんとモンゴルで「ある実験」(ショック療法)がなされていた!!
 「小さな政府」「規制緩和」「民営化」「格差」「自己責任」・・・私たちにも馴染みのある言葉になったが、モンゴルはこの道を駆け抜けて17年。結果は悲惨なものだった。世界第5位の援助を受けながら貧困率・失業率が高く、医療・住宅・教育・交通・環境などあらゆる公共サービスが崩壊の危機にあり、一人当たりのGDPが450ドルの最貧国であり続けるのはなぜか?モンゴルで何が起こっているのか? 本書は徹底的なインタビューと多岐に渡る膨大な資料の活用で実態を掘り起こし、その根本にあるものを摘出している。
 広い草原と素朴な遊牧民、そしてチンギスハーンと相撲力士たち。これが私たちの知っているモンゴルだ。実はモンゴルは1921年ソ連に次いで世界で2番目の社会主義国となり、ソ連の指導援助のもとそれなりに近代的な国家を形成してきたという。もちろん、権力者は極めて権威主義的であり、国民は批判することを許されずあらゆる自由も制限されてはいたが、教育・社会保障が整い識字率は極めて高く食べるに困らない安定した社会であったという。
 しかし、ソ連の崩壊を見るや、1990年モンゴルはいち早く社会主義を捨てた。ソ連からの援助が途絶えたモンゴルにはIMF(国際通貨基金)や世界銀行などの国際援助機関が入り、ある「実験」を始めたという。すなわち、民主主義=純粋市場原理主義を謳いトリクルダウン理論を信じて疑わない国際援助機関の誘導・強制によって短期に社会を変革させて「援助機関の理想とする国を作る壮大な実験」(ショック療法とも呼ばれる)であるという。その背後には、勝手放題をよしとする新自由主義者とグローバリゼーションを掲げ地球的収奪をもくろむ多国籍企業の存在が示唆される。そして、忘れてはならないのは日本のODAやJICAも同じ系譜にあるという指摘である。
 かつての共産主義政党・人民革命党は市場原理主義者に豹変し自らの利益を確保するため腐敗し、民主派と言われる政党もほとんど同様の状態であるという。かくして、援助機関の要求に忠実に応え続けた結果、国益は損なわれ大多数の国民が苦況にあえぐことになったのだという。そこには生身の人間の人生があることを忘れてはならないとの思いを強く感じた。
 実のところ、政治経済を主とした翻訳もので、小さな活字の2段組となれば敬遠したくなるのだが、読み始めてみると内容の正確さに気を配りつつも、センテンスにリズムがあり、実にテンポ良く読める。論文並みの高い水準の内容を平易な語り口で綴っている。とりわけ冒頭で語られる、民主化を求めて立ち上がった若者達の描写では、その場に立ち会っているかのように彼らの高揚感まで伝わり胸に迫る。新しい国を作るという息吹を感じた。そこには翻訳者の確かな能力と豊かな表現力がある。
 本書には優れた者が生き残るというダーウインの自然淘汰説を人間社会に適用した「社会ダーウィン主義」なる恐ろしい言葉も出てくる。日本では戦後最長の景気拡大とか大企業の利益史上空前などと言われているが、庶民は過労死か失業か、雇用が不安定で先行きも見通せない。しかも、それは不甲斐ない自分の責任であると思いこまされている。今、日本はモンゴルで「実験ずみ」の道筋を歩み始めているように思えてならない。モンゴルのために書かれた本書であるが、日本にとってあまりに示唆するものが多い。なお、原著は2004年までの記述であるが、日本語版にはその後2007年前半の状況まで追記されている。モンゴルを救い、日本を導く今日の必読書である。

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「地球環境」への素朴な疑問。目からウロコのQ&A・・大人が読んで子供たちに伝えるために

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

地球環境を守らねばと誰しもが思うようになったが、本当のところ何がどうなのか、子供たちに話してあげられますか?
「近頃の酷暑も豪雨も地球温暖化のせいだ、乱開発や汚染で環境が破壊されている」と毎日のように報道されています。一方、砂漠の緑化を目指してボランティアの人たちが植林に出かけたとか、井戸を掘って農業が可能になったとの話も聞く。
「誰のための地球環境なの?何が困るの?」「植林って本当にいいことなの?」「絶滅してもよい生物はいるの?」「井戸を掘って人は救われる?」など素朴ではあるが根源的な疑問・テーマに11人の専門家が答えている。
たとえば、砂漠など小雨地域に木を植えるということはどういうことをもたらすのか。もともと水が少なく木が育たないところに植えるためには、どこかから水を引いて来なければならない。それで、木は育つが撒かれた水の多くは蒸発してしまう。水を横取りされたところは以前にも増して困ってしまうため、井戸を掘って地下水を使うようになる。また、木は地中に根を張って水を吸い上げ葉っぱから蒸散する。つまり木は水を吸い上げるポンプの役割を果たしている。こうしてもともと少ない地下水を枯渇させ土地はさらに乾燥してしまい木も枯れてしまう。時には塩が浮き上がって不毛の地と化してしまのである。しかも、地下水の涵養には数十年から数万年というとてつもなく長い期間が必要であり、地下水は使い切ってしまえば再生不可能な希少資源であるといえる。そのことに、使い切って初めて気づくのだという。
 もう一つ例を挙げれば、「絶滅してよい生物はいるのか?」という疑問がある。蠅や蚊なら絶滅してもよさそうな気がするのだが・・・。
およそ1000万から3000万種いるとされる生き物のうち、毎年4万種という地球の歴史上かつてない猛烈なスピードで絶滅していると推測されている。そのうち生態系に重大な影響を及ぼすカナメの種が何なのかは、その種が絶滅して初めて分かる。どんなリアクションがあるか分からないし、もしかすると、人間に有益な化学物質を体内で合成しているかも知れない。今の科学ではわからないのだと告白する。
 「自然は思いもよらないリアクションをする」ことに最近やっと気づいてきたところだ。「風が吹いて桶屋が儲かる」式のことが実際に起こっている。さらに自然だけではなく、そのとき人がどんなリアクションを起こすかも予測がつかないという。
 では、大人は子供たちにどう語ればいいのだろうか?
まず「実は人間はなにも分かっていない」ことを認識する必要がある。子供たちに間違ったことを教えてはいけないと思うが、どれが正しくて、どれが間違っているかそう簡単にはわからない。いろんな説がある。だったら、正直にそういえばよい。大人たちは自分が知ったことを素直に伝えることだ、子どもは自分の頭で考えると説く。
 文章も平易で分かりやすく、子供たちと環境問題を話し合うにはまさにうってつけの本である。小学生高学年なら自分で読んでも十分理解可能だろう。子供たちに受け渡すことになるこの地球の環境について、科学者たちがこんなにも素直に語っている。本書は、まさに旬の一冊である。お安い1300円(税別)だ。

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