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    体が硬い人のための柔軟講座 (NHKテキスト 趣味どきっ!)

    体が硬い人のための柔軟講座 (NHKテキスト 趣味どきっ!)

    中野 ジェームズ修一 (講師),日本放送協会 (編集),NHK出版 (編集)

    5つ星のうち 4.0 レビュー詳細を見る

紫月さんのレビュー一覧

投稿者:紫月

203 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本図書館戦争

2011/05/11 09:35

お得感満載

20人中、19人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

著者によると本書のコンセプトは
『月9連ドラ風で一発GO!』
らしい。

でも、連ドラよりも数段おもしろい。

ライトノベル風でさくさく読めるし、その実、中身もしっかりと詰まっている。
本好きにはとりわけ、引きこまれる内容だ。

しかし、タイトルだけを見れば、なかなか本書を手にする気になれなかったのも、また事実。
『図書館戦争』って。。。
図書館が武装するなんて、イメージできない。というか、したくない。そんな小説、ばかばかしくて面白くないだろう、と思っていた。

でも、意外や意外。

荒唐無稽だと思っていた設定も、読んでいくうちに気にならなくなっていく。

さすがに図書館の武装化、対立組織との抗争などはリアリティがないけれど、規制の強化の示唆や、犯罪の原因を犯罪者の読書傾向に見るなど、そうした短絡的な論理は現実に、ある。

本を焼く国ではいずれ人を焼く

本書のような世界になってしまったらイヤだなあ、と思いつつも、登場人物たちがあまりに楽しくて、『図書館戦争』の世界は爽快だ。

主人公の笠原郁などはあまりに純粋すぎて気恥ずかしいが、十二分に魅力的だし、堂上の不器用な優しさに惹かれる女性も多いだろう。
その他、数々の脇キャラがそれぞれとてもいい味を出していて、順に主役を振ってもいいくらいだ。

タイトルに違和感を感じて読み始めるのが遅くなってしまったシリーズだが、これから一気に読んでしまいそう。

文庫化されてお値段もお手頃価格。さらに短編「ジュエル・ボックス」収録でお得感満載だし。

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紙の本塩の街

2011/08/20 09:27

大人だって、ライトノベル

19人中、18人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

番外編も完全収録された、有川浩のデビュー作。

空から塩の結晶が落ちてきた。以来、人間が塩化していく塩害が発生する。
そんな東京の片隅で、秋庭と真奈は出会った。
ある日、二人の前に
「世界とか、救ってみたくない?」
と、軽い口調でそそのかす男が現れた。

本書は受賞時とは若干、主人公たちの年齢が異なっているという。
当時ライトノベルというジャンルは、あまり大人が読むということは考えられていなかったらしい。
しかし本書では設定を応募原稿のままに戻し、さらに続編などを収録させて、リスタート。著者の書かれたとおりに戻って、たいへん嬉しい。

大人だって、ライトノベルを読むんですよ。
当時はどうだったか知らないけど、近頃のライトノベルって本当に面白いものが多いもの。
そして、大人が読むに堪えうる作品の最たるものが、有川作品だと思う。

塩害の設定にはちょっと納得できないところもあるし、リアリティだってちょっと、とは思うけれど、そんなものは脇に置いといて忘れられるほどに、面白い。

ぐいぐいと惹きつけられるストーリーと際立ったキャラクターたち。
長編なのに、読み終わるまで手放せないもの。

本書は自衛隊三部作の陸自編。
この後に空自編『空の中』、海自編『海の底』と続く。
立川駐屯地が後半の舞台だからということで陸自編なのだけど、秋庭は戦闘機パイロットだし、あんまり陸自って感じがしないのね。
どうせなら、戦車とか出してほしかったかな。
だからまた、新しい自衛隊三部作を書いてくれないかな、なんて願ってしまう。この三部作だけでなんて、終わってほしくなくて。

――世界を救うなんてご大層なお題目のために命を賭けられるものなどいない。
彼が世界を救ったとしたら、彼女のためだけに救ったのだ。彼女がその世界にいるから――

自衛隊もので、甘酸っぱいラヴストーリー
。そして男らしくて無骨で不器用な優しさが心憎い秋庭。何事にも一所懸命で、ひたむきな真奈。
弁が立って、人をくったような入江。

そう。どこかで読んだことのあるキャラが勢揃い。
有川作品の原点が詰まってる感じがする本書。
デビュー作とは思えないくらいに読み応えがあって、面白かった。

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紙の本萩を揺らす雨

2011/09/19 09:18

コーヒーの香りと、風雅な和食器

11人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「紅雲町のお草」はオール讀物推理小説新人賞受賞作。

その他
「クワバラ、クワバラ」
「0と1の間」
「悪い男」
「萩を揺らす雨」
を収録した短編集。

主人公の草さんは76歳。
「古蔵屋」という和食器とコーヒー豆の店を営んでいる。
店を手伝っているのは、元スキー選手の久実ちゃんだ。
一人暮らしの草は、店を営みながら毎日散歩をし、ポトフを煮込んだりちらし寿司を作って友人の由紀乃さんに届けたり。
また、「萩を揺らす雨」では、草のひっそりとした恋が語られている。

そんな静かな暮らしの中、草はささやかな謎を解いていく。

和服姿の草はしっかりとした、落ち着いた女性だ。行間からはコーヒーの香りが立ち上ってくるような気がするし、和食器の風雅な形は目に見えるよう。

しかし草の暮らしはそれほど優雅でもなく、忍び寄る老いの気配に怯えたり、物忘れが始まりつつある友人を見て悲しんだりと、かなりリアルだ。

老いて気楽に一人暮らし、とはよく言うけれど、夜に一人歩きをすれば徘徊だと間違われるなど、草は厳しい現実の中を生きている。
しかしそれを必要以上に嘆いたり、後ろ向きになることなく、淡々と受け止て日々を過ごしていく姿には、ある種の強さが感じられる。

古家を改築したコーヒーの薫り高い「古蔵屋」を舞台に、コーヒーを入れたり、久実ちゃんと談笑したり。そしてたまに、近所の小さな事件に首を突っ込んでみたり。

終盤に差し掛かった人生のあれこれに立ち向かいながらも、しっとりと生きていく草。

ほっと気持ちが落ち着くコージーミステリだ。

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紙の本空の中

2011/08/27 08:19

色々なものをぎゅっと詰め込んだ、贅沢な作品

10人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

謎の航空機事故が続いて起こり、メーカーの担当空の中
者と自衛隊パイロットは調査のために事故空域に飛んだ。
そこで、彼らはあるものと出会う。

一方、パイロットの父を事故で失った少年は、海辺で未知の生物と出会う。
胸躍らせる出会いは、やがて皮肉な運命を連れてくる。

自衛隊三部作・空自編。

SFとかロマンスとか少年の成長物語とか、人間の弱さや強さなど、色々なものをぎゅっと詰め込んだ、贅沢な作品。

主人公カップルは空自・F15Jパイロットの光稀と事故調査員として派遣された高巳。そして高校生、瞬と佳江。

二本柱の仕立ては、大人もライトノベルを楽しめるようにという工夫だろうか。
ええ、存分に楽しめましたとも。

瞬の良き友人であり、保護者も兼ねているような感じの宮じいという人物がいるのだけど、この宮じいと佳江の土佐弁の暖かな響きが、瞬と未知の生物、『フェイク』との交流を語るのに、とてもいい効果を上げている。
彼らの関わり方は本当に感動もので、胸にぐっと来た。

そして、突如と現れた未確認生物に対する光稀と高巳の真摯な対応にも、胸を打たれる。

著者の作品はキャラクターたちがみな一所懸命で、とても好感が持てるのだ。

また、『知能が高いけれど知識のない』生物に対して、コミュニケーションに苦慮する様はなかなかに読ませる。

他者とのコミュニケーションの難しさは、未知の生物とに限ったものではないのだけれど。

文庫バージョンでは「仁淀の神様」も追加収録されている。
本編が気に入った人には感涙もののおまけだ。

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紙の本ツナグ

2011/09/04 10:35

ツナグの一族は、あの人の?

9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

『使者』と書いて『ツナグ』。死んだ人間と生きた人間を会わせる唯一の窓口。
高校生の姿をした彼、ツナグ。

「黄泉がえり」とか、そうした「泣けるホラー」ジャンルか、と思いながら読み始めたけど、少し違う。

死者と会うにあたっては、様々な決まりごとがあって、その約束事がとても現実的。
事務的ですらある。

ツナグとの待ち合わせ場所は病院。
連絡方法は携帯電話。
死者と会う場所は高級ホテルの部屋。
しかし、費用は一切かからない。

一人が会える死者は一人だけ。
逆もまた然り。

孤独なOLが会いたいと望んだのは、数か月前に死亡したアイドルだった。
――アイドルの心得。

あの子が死んだのは、私のせい。
事故死した親友を呼び出した高校生。
――親友の心得。

「困ったら、ここに連絡しなさい」
亡き母に教えられた電話番号を頼りに、もう一度母に会いたいと願った息子。
――長男の心得。

プロポーズの直後に失踪した恋人を待って七年。生きているか、死んでいるかも分らない彼女に、それでも会いたいと願った男。
――待ち人の心得。

そして最後に、ツナグの秘密。使者の一族のこと。その能力。ツナグの決まりごとが明かされる。
――使者の心得。

学園物の名手の名を欲しいままにしてきた著者だが、近頃は様々なジャンルを手掛けている。
作家としてどんどんと成長する時期なのだな、とまるで親のような目で見てしまう。

この作品にも高校生は登場するが、色々な年代の、様々な職業の人が主人公だ。
彼らが使者に合う理由も様々。
死者と会って生きる勇気を得るもの、激しい悔いと絶望を覚えるもの、心の整理をつけるもの。
使者と会った結果も、それぞれに違う。

爽やかな読後、胸を衝かれるようなショック、ふんわりと心温まる一話。
とりどりの物語が、4本の糸で紡がれている。
本書は一律に感動を呼ぶ話ではなく、一話一話、それぞれに楽しめる短編集だ。

しかし最終章には、それらをまとめるように『使者の心得』が控えている。
上手い構成だなあ、と舌を巻く。

そして最後に、おや、と思った。
使者の少年の苗字。

これは。

『子どもたちは夜と遊ぶ 』や『ぼくのメジャースプーン 』の、あの人の?

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イマイチだと思った今回も、なかなかに充実

9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

隔月刊行のヨガジャーナル。
今月号も指折り数えて待っていたのだけど、いざ内容をみると、今回はちと華やかさに欠ける。

美しいモデルがポーズをとっている、優美なシークエンスがない。
あらら。
いつも、シークエンスのコーナーだけは、切り取ってファイリングしてるくらい大好きなのに。

でもせっかく買ったから、と気を取り直してチェックしてみると、本号の私的メインは
『夏までにコア美人になる!』と『体の硬い人のためのヨガ』。

コアを鍛えるヨガって、正直あまり好きじゃない。
柔軟性を高めるポーズの方が優雅だし、体が硬い私としては挑戦という意味合いもあって、モチベーションが上がる。

でも、コアって大事だよね。
基本でもあるし。
地味だけどさ。
と、内心であーだこーだと呟きながら、一週間がんばってみる。

と。
効果は抜群。
しかも速攻。

人間、現金なもので、ウエスト回り、お腹周りに顕著に効果が表れると、とたんに地味なポーズが輝いて見えてくる。

すごいわ、これ。
このシークエンス、毎日の基本パターンに仲間入り決定だわ。

で、『体の硬い人のためのヨガ』はというと、とっても基本的なものだったので、まあ、ポーズの再確認といったところ。
新しい発見はなかったのだけど、『体を柔らかくする4つのヒント』というコーナーがあって、その中の一つに「柔軟性の個人差を確かめる」というものがあった。

骨の形には個人差があるので、練習を続けていれば誰でも180度開脚やぴったり前屈ができるというものではないらしい。

そうだよね。
分かってたもん。

いじけつつ、自分の体をチェックしてみると、驚いたことにもっと柔軟性は高まるらしい。

うん、もうちょっとだけ行くとは思ってたけど、そうなのか。
と、単純にモチベーションの上がる私。

結局、イマイチだと思った今回も、なかなかに充実していたみたい。

次号の特集は『ヨガで夏のカラダの不調を改善しよう!』
いまからとっても楽しみだ。
次は、華やかなシークエンスが載っているといいな。

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紙の本アコギなのかリッパなのか

2006/01/21 10:16

政界にも畠中マジック

9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

政治の世界に興味はないし、もちろんその世界を扱った小説にも惹かれるものは何もない。
けれどあの畠中恵さんの作品なので、ちょっと読んでみることにした。
舞台は、とある元国会議員の事務所。
そこで働くのは21の大学生にして12の弟を養っている佐倉聖。
もと不良少年。
早い話、この小説は短編集で、やたら議員やら秘書やらが出てくるが、内実はほのぼのとしたミステリー小説である。
そう。
あの『しゃばけ』シリーズを現代に持ってきて、主人公の若だんなを健康に、そして元気が良すぎるくらい元気にしたのが本書である。
と決め付けるのはいささか乱暴かもしれないが、でも、おおよそでいえばそんな感じだった。
主人公の佐倉聖は口は悪いしがさつだが、21とは思えないほどに物事のわかった気持のいい青年だ。
政治家に必要なものは?と問われれば、
『気力、体力、時の運。ついでに腕力もあれば』
と答える剛胆な若者でもある。
彼を取り巻く議員たちも色々なキャラクターが設定されていて楽しいのだが、これまたいい人たち。
扱われる事件もまた、血なまぐさいものではなく、ほのぼのとしたミステリーばかり。そこへ聖が人情味溢れる解決を図るというストーリー。
なにも無理に政治の世界を舞台にしなくても良かっのにと思えるほど、政治嫌いの人にも政治に疎い人にもすんなりと読める話である。
『しゃばけ』シリーズと違うのは、あの独特の設定がないことで、いっそうすらすらと読めることくらいだろうか。
とにかくこのほのぼのとした小説を読めば、うさんくさく見える政治家の面々も、なぜか、懸命に働いている善人に見えてくるから不思議だ。
畠中マジックのなせる技かもしれない。

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紙の本おまけのこ

2005/09/06 12:59

心癒される人情妖怪推理帖

9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

帯には『愉快な人情妖怪推理帖』とありました本書。
『しゃばけ』シリーズ第四弾です。
ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞した第一弾から始まってもう四冊目。でもいつも、次はいつ出るんだろう?と首を長くして待っている、お気に入りのシリーズなのです。
本書はもちろん『ファンタジー』であり、『時代物』であり、また『ミステリ』であったりもする、一冊で三度美味しい優れもの。
病弱な若だんなが妖しの手代やその他の妖しの力も借りて、事件の謎を解き明かす物語です。
この設定がなかなか異質なのですけど、なかなかに人間関等とがよく書き込まれている上、若だんなの素直で優しい人柄がとてもいい味を出しています。
今回はそんな若だんなを取り巻く人や妖しがふんだんに活躍する、楽しい話になっています。
若だんなが幼馴染であり、たった一人の友人でもある栄吉と喧嘩してしまう『こわい』。ここで、若だんなは友の成長を目の当たりにします。
また、『畳紙』では毎回ひねた性質が際立っている屏風のぞきが、珍しくも優しいところを見せています。
そしてその他大勢的な妖し、鳴家(やなり)が迷子になってしまう『おまけのこ』。
他に、若だんなの幼い頃の話である『動く影』となんと若だんなが吉原初体験をする『ありんすこく』と盛りだくさん。
今回は若だんなを取り巻く人間や妖しが活躍したり冒険したり、普段見せない面を見せてくれたりしていて、ファンには嬉しい限りです。
現代ミステリと同じように、各事件の背後には人間の様々な思惑やドロドロとしたものが流れているのですが、主要人物(主要妖しも含めて)の人柄が温かく、ほのぼのとした読み心地を味わうことが出来るのです。
疲れたときには甘味を味わう若だんなのように、じっくりと読みたい一冊です。

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紙の本東京DOLL

2005/08/04 08:57

ハードでメタリックな恋愛小説

9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

相変わらずの読みやすい文体。
最初からページを繰る手がとても軽く感じられます。
一ページ目から物語の中にどんどん入り込んでいける小説って希少価値がありますよね。
MG(マスター・オブ・ゲーム)と呼ばれる天才ゲームクリエイターの恋の物語です。
主人公の設定からして舞台には都会の町が似合うのですけど、地方に住む私は地域名や駅名が羅列されていてもイマイチピンと来ません。小説には東京を舞台とした物語がとても多いのですが、いつも入り込めないものを感じます。
が、著者の描く東京の街は生きている。
池袋ウエストゲートパークの池袋もそうでしたが、読んでいると、東京という街が映像を見るように目の前に浮かんできます。汐留も六本木ヒルズも、秋葉原も。
けして美化して描写しているのではないのに、ただ灰色の鋭角で彩られた都会の町が、とても魅力的です。
男性が描く恋愛というのは女性には共感するところがあまりないものですが、著者の恋愛小説はどこか中性的。とてもあっさりとしていて、セックスシーンも全然イヤらしくないのです。
——女性の肉体は天性の信号増幅器だ。わずかなインプットが数十倍のアウトプットになりもどってくるーー
という風に、ハードでメタリック。
著者の恋愛小説には『スローグットバイ』や『1ポンドの悲しみ』(どちらも短編集)がありますが、本書は長編なので当然ながら物語としての奥は深くなっています。
恋愛に巨大企業の罠も絡んでいて、エンターティメント小説としても面白いですね。
残念なのは、前二作の表紙の方がずっとお洒落で綺麗だったこと。
これは出版社が違うから、仕方ないのかしら。

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紙の本妄想炸裂

2004/03/09 09:44

炸裂どころか爆裂エッセイ

8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

『夢のような幸福』があまりに面白かったので、著者のエッセイを探し求めました。
本書は文字通り著者の妄想が炸裂…いや、もう爆裂しているとしか言いようのない楽しさです。

本書の内容は『刺激は何もない』『妄想旅行』『愛なき道』『妄想の世界』の四章に分かれ、それぞれ章のタイトルどおりの妄想エッセイが書き連ねられています。
どれくらいの妄想かと言うと…。
——悪い男につかまってしまった。——略——もう私はベッドから出られなくなってしまった。私をこんな堕落した人間にしてしまう、あなた、罪な男。その男の名は…電気毛布のカルロ。
という具合です。
なぜに電気毛布に性別があるのか、どうしてイタリア名なのかとっても謎なのですが、どこまでも果てしなく広がる著者の妄想ぶりは思い切り笑えます。

古本屋でバイトをする傍ら、著述業に励む著者の当時の生活が妄想を交えて語られているところがとても楽しく、親しみがもてます。
漫画をこよなく愛し、三味線にいそしみ、盆栽に惹かれる二十台の著者。この個性的なキャラクターがエッセイの隅々にまで反映されていて、ちょっと疲れたとき、気持ちが重いときなどにお勧めのエッセイです。

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ぜひとも続編を!!

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

健康・美・やる気。
初めの二つはよく見かけるキイワードだけど、三番目のやる気に目を引かれ、ちらっと見てみた。
すると、小さなおかずがてんこ盛り。
メインディッシュがどーんと紹介されているものよりも、ちょっとしたサブディッシュに心惹かれる性質なので、すぐにお買い上げしてしまった。

再春館製薬所のた社食が紹介されているのだけど、定食が紹介されているのは一週間分だけ。
なーんだ。
一か月分くらい載せてあればいいのに。
と一瞬がっかりしたものの、この定食の品数が半端じゃない。

メインの他にサブのおかずが4から5種。
それにごはんと汁物、デザートまでつくという豪華な仕様だ。
これを我が家に応用すると、サブを二日分と数えられるため、メインだけ追加すれば、二週間分の献立となる。

さらに、美メニュー、健康メニュー、やる気メニューの3つにカテゴライズされた副菜が70種も紹介されているので、バリエーションは数多い。

しかし何より素晴らしいと思ったのは、馴染みのある普通の食材で、普通の料理法で、普通の、しかしちょっとだけいつもとと違うような料理が紹介されているということだ。

なにせ馴染みがあるものばかりなので、作るにも敷居が高くないし、味だったおおよそは想像できる。
そして、少しの工夫、または気配りで、見栄えがよく、美味しく、体にいい。
特別な素材や調理法を使わなくても、少しの工夫で多くのアレンジを楽しめる。
毎日の食事を考えるのに、助かること助かること。

定食は一週間分だけだけど、中身はしっかり充実していて、予想外に使える料理本だった。
ぜひぜひ続編をお願いしたいものだ。

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紙の本ふむふむ おしえて、お仕事!

2011/07/24 08:35

「ふむふむ」読んで、「ふーむ」と感じ入りる

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

職人さんや芸人さん、特殊技能を活かして働いている女性に突撃取材を行い、「ふむふむ」と相槌を打った四年にわたるインタビュー集。

連載の中で、著者は15種類の職業について、16人にインタビューしている。
その職業はといえば靴職人や活版技師、大学研究員やお土産屋、染色家など、多岐にわたっている。

だが著者が「ふむふむしたい」(まえがきに当たる)で述べているように、仕事への取り組み方、考え方は各個人によって異なる。このあたりを掘り下げて取材しているのが、興味深い。

だから、自分がよく知っているはずの分野でも、話をきく対象が変わると、これほど印象が変わるものなのか、という驚きもあった。

単にまじめに取り組んでいるか否か、の問題ではない。仕事に対する感じ方、考え方、向き合い方など、やはり個々によってその数だけ、その人と仕事ととの世界が存在するということなのだろう。

著者が楽しくインタビューを進めているので気軽に「ふむふむ」と読めるけれど、その中身は「ふーむ」と深く感じ入りながら読む、ということになる。

各職業での専門的な話、内実、なぜこの道を選んだのか?等々、この種のインタビューではごく一般的な質問だが、著者のお茶目な語り口が、好印象だ。

また、文中に飛び交う専門用語の華やかなこと!
どうして専門用語って、こんなに魅力的なのだろう。
そしてどの章でも、写真が何枚か挿入されていて、ブログ記事を読むような楽しさも味わえる。

しっかりとした内容を、著者独自の軽妙なまえがき、あとがきでサンドイッチした本書。
インタビュー集をいつもの爆裂エッセイで挟んだ、という感じで、なんだかお得感満載である。

いつか、インタビューした職業を題材に、著者が小説を書く日が来るのかしら、と期待が膨らむ。

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紙の本夏天の虹

2012/04/06 10:30

不覚にも、毎回、涙を誘われてしまう

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

シリーズ第七弾。
前作で小松原と添う道をとるか、料理に生きる道をとるか、思い悩んだ澪は、己の行く道を想い人・小松原に告げる。
澪の思いをしっかりと受け止める小松原。
そして、選んだ道を歩きはじめる澪。

前作を読んだ時点で予想していたことだったけれど、澪の行く手にはさらにつらく厳しい試練が待ち受けていた。
そう。
ある程度は予想していたとはいえ、これほどとは。
こんなにも次々と『艱難辛苦』が降りかかれば、たいていの人は心が折れてしまうんじゃないだろうか。
真っ直ぐに前を向いて精進すれば、きっと報われる日が来るはず。
でもその道のなんと遠く、厳しいことだろう。
この時代、女が好きな道を歩もうとするには、実際、いまの時代では考えられないほどの苦労があったには違いないけれど、澪の心の強さには、いつも胸を打たれ、励まされる。
が、そろそろ小さくてもいいから、なにがしかの幸せを手にしてほして思うのは、読者の心の弱さなのだろうか。

それでも、どんなにつらくともけっして心を折ることのない澪の強さ。
澪を支える周囲の人の思いやり。
不覚にも、毎回、涙を誘われてしまう。

心の重みに耐えきれずに体に変調をきたしてしまう澪だが、一柳の主人に諭され、又次の助けを借り、己のなすべきこと、できることを模索する。
澪の周囲の人間は暖かいだけでなく、時に突き放す厳しさも持っている。

読後はいつもの通り、心地よい感動と、なにがしかを教えられたような気持になる。

次作の発刊までは少し間が開くということだが、もうすぐ本シリーズに登場するレシピと写真と随筆とをまとめたものが出版されるとのこと。
それを楽しみに、物語の続きを待つことにしよう。

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紙の本オサキ江戸へ

2011/09/11 10:35

ライトノベル系時代小説の開幕

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

疲れていたのか、和みを求めていた気分だったので、ものすごく可愛らしい表紙に惹かれて手を出した本書。

サブタイトルの『もののけ本所深川事件帖』から類推するに、これはきっと『しゃばけシリーズ』みたいな感じだな。
じゃあきっと、癒されるだろう。

と予測して読み始めた。

結果は、期待通りに癒され、しかも楽しくって大満足。

『しゃばけシリーズ』はしっとりと情緒あふれる感じだが、本書は元気いっぱい、明るい気持ちになれる。

一言でいえば、オサキモチの周吉とオサキが活躍する時代劇なのだけど、オサキとはなにか?

オサキとは一説によればイタチのようであり、また一説によれば小さな狐のようであり、要するに見た目は可愛らしい動物であるらしい。
しかしその本性は妖狐であり、尻尾の先が二つに裂けていることから「オサキ(尾裂き)」の名が付けられている。
また、オサキを使役する人間はオサキモチと呼ばれ、代々、その家の人間にオサキは憑く。いわゆる憑き物筋の家柄だが、周りから疎まれ、迫害されるのが常であったらしい。

ということで、本書の主人公であるオサキモチの周吉は役者にしてもいいような美形だが、どうしようもなく野暮な男だ。
が、常人にはないような力を持ち、白いキツネのように愛らしく、しかし口の悪いオサキとともに、奉公先とわが身に降りかかった厄介ごとに立ち向かう。

周吉のとぼけた性格、ユーモアたっぷり、しかも洗練されたな語り口で、すいすいと読める本書は、ライトノベル系時代小説だ。

周吉とオサキだけでなく、奉公先の主人夫婦やその一人娘、謎の浪人と、個性の強い脇役たちも勢揃い。

語り口がライトなのでさっくりと読めてしまうが、周吉とオサキは共につらい過去を背負っているし、語られている内容は鬼となってしまった人間の心である。

読み終えてみると、意外と中身の詰まっていた感触に、満足のため息が出た。

また、お気に入りのシリーズが一つ増えちゃった。

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紙の本闇を照らす恋人

2011/06/13 09:46

ますますヒートアップ

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

シリーズ第4弾。
RITA賞受賞作(アメリカロマンス作家協会より出される賞)。

今回は元刑事・プッチとヴァンパイア貴族・マリッサとの恋物語。

第一作目から惹かれあっていたはずの二人なのに、その後、すれ違ってしまっていたこの二人。
本書でやっと誤解を解くことができた。

と書くと静かな物語のようだが、前3作同様、今回も怒涛の展開だ。

プッチはレッサーに捕まって瀕死の拷問にかけられるし、ヴィシャスは未来の断片を見る能力が消えてしまい、また、ブッチとの友情に死ぬほど悩む。
ブッチ本人とマリッサの二人も、もちろん障害目白押しで、プッチが死に掛けること幾度か。
加えてレッサーたちとの戦いも、ますますヒートアップ。

ということで、とても分厚い文庫なのに、一気に読んでしまう。本書を手にされるときは、徹夜を覚悟した方がいい。

今回はカップル二人の問題だけでなく、ヴィシャスとプッチの友情、ヴィシャスとプッチの役割、といった問題も絡み、より一層、複雑な展開になっている。

また、ダライアスの生まれ変わりであるジョンも少しずつ成長していて、いずれこの少年が主人公になる巻も出るのだろうな、と思うと、ジョンの行動からも目が離せない。
なにせ、いたるところに伏線が張り巡らされているのが、このシリーズだ。

順にヒーローとなってロマンスを繰り広げる兄弟団のメンバーは、いずれ劣らず長身、筋肉マッチョ、超絶美形、とゴージャス揃い。お相手となる女性陣も美女揃いなのだけど、なぜかみな不幸だったり、大きな悩みを背負っていたりする。

恋を結実させる過程で、彼らがそれを乗り越える、といった設定は毎回のことだが、今回もそれは同じこと。

300年もの間お姫様として育ってきたマリッサは自立の道を歩き始め、プッチは過去と決別して新しい生を得る。

プッチにだけは、いつになく優しい書の聖母がかえって不気味だけど、プッチの戦いにおける役割を思えば当然のことなのかもしれない。元刑事、いきなり兄弟団の主力メンバーに抜擢だ。

このシリーズの素晴らしいところは、独自の世界が細部に至るまでしっかりと確立しているところで、『現実世界』に中途半端にヴァンパイアを押し込めたものとは、訳が違う。
圧倒的なスケールとストーリー性は、ロマンス小説の域を超えてファンタジーとしても十分に通用する。
パラノーマルとしては、もう、秀逸。

1作目から話が繋がっていくので、本シリーズを読むときは順に読むことをお勧めします。

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