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浅基さんのレビュー一覧

投稿者:浅基

4 件中 1 件~ 4 件を表示

紙の本陀吉尼の紡ぐ糸

2004/03/26 18:36

吉原に溢れる光、弁財天に宿る闇

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 明治から昭和初期を題材にした作品で有名なものといえば京極夏彦の妖怪シリーズでしょうか。他にも貫井徳郎の明詞シリーズが思い浮かびます。そして、この朱雀シリーズ。これらの作品に共通しているのは、当時のカオス的雰囲気、つまり、光と闇がそこら中で混在しているからこその足元がふらつく感覚を全面に打ち出しているところでしょうか? 最終的には理論的な結末をつけつつも、裏にある怪奇や妖しさを最後まで引っ張りぬく。最後、読者は探偵役の快刀乱麻な理論でクラクラになる上、妖しいベールがバッサリ斬られるサマにもクラクラさせられる。現代ものミステリでは知ることは出来ないそんな風味に触れてみたくはありませんか?

 神隠しが起きると有名な吉原弁財天で、頭が上下逆についた老人の死体が目撃される。それだけでも異様なのに、老人は誘うようにおいで、おいでをしていたというのだ。駆けつけた刑事・馬場は必死に探すが、死体は全く出てこない。「死体まで神隠しにあったのか?」捜査を始めようとした矢先、事件が特高扱いとなり、全く触れることがかなわなくなる。「一体どうなってるんだ?」馬場は密かに調べを始めだす。
 朝日新聞の三面記事担当記者である柏木は、その弁財天を舞台にした奇妙な夢を見る。死んだはずの想い人が花魁姿で老人を異界へと連れて行くという夢。しかも、その老人は発見された死体である藤原隆だったのだ。気になって仕方がない柏木だが、弁財天で軍といざこざを起こしたために花柳界担当にさせられてしまう。「こんな時代に、なぜ吉原なんぞの記事を書かねばならないんだ!」不本意ながらも向かった吉原で、彼はそれ以上に馴染めないある人物と会う。吉原の自衛集団である車組の親方で顧問弁護士・朱雀十五。盲目で美しい朱雀だが、その性質は躁病気味で嘘つき。吉原には近づくまいと誓った柏木のもとに、花柳界前任担当記者である本郷が妙な話を持ってきた。「吉原弁財天での被害者は自分の夫ではないかと言う女性がいるのだが、会うかい?」その出会いが、自分を事件へと一層引き寄せるとも知らず、柏木は頷くのだった…。

 吉原好きとしては、吉原の地味な登場に少し残念な気がしますが、全体的にはかなり面白かったです。残念なところをもう1つあげると、朱雀があまり見えてこないのがなんですね〜。柏木君の暑苦しいまでの青さや直情さはよくわかったのですが、朱雀の方は…。確かに陽気だし異様ではあるけれど、それほど浮世離れはしていないような気がするんです。シリーズ化ゆえにそうなった部分はあるかもしれませんが、探偵朱雀と銘打っている以上、もう少し出ても良いんじゃないかと…。

 最後に…。文章の流れが少し独特です。事実とそこに至るまでの経緯がバラバラなことが多いので、提示された事実が一体どこから導き出されたものなのかわからず戸惑うことしばし…。事実と経緯が一体で証拠の最小単位であることが多い中、この作品は事実、経緯で最小単位として形成されているので、慣れるまではどうにも収まりが悪いです。最終的には、その構成に納得させられる部分もあるので、早めに慣れてくださいませ。

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紙の本白い巨塔 新装版 2

2004/02/04 18:41

人であると言う者、医者であろうとする者

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 1巻を読んだ方でドラマがきっかけだったと言う方は、僅かな違和感を覚えたと思います。ですが、2巻ではもっと違和感を覚えるのではないでしょうか。原作は原作、ドラマはドラマとは言っても、やはり比べてしまうのですよね。
 2巻では人の醜さが一層目立っています。あまりにも自分勝手な行動に、呆れてしまいそうになることもしばしば。ただ、里見が好きな方は喜んでください。里見が表舞台に出始めます。

 全5巻の中、2巻がどこに位置するのかを簡単に書くと、教授選考会で教授会へ推薦する候補者の選定するところから財前が国際外科学会へと旅立つ日までです。
 教授となり我が世の春を謳歌する財前には、怖いものも遮るものも何もない。たくさんの人間と事実が彼を助長させ、彼の万能感を肥大させていく。本当に彼を大事に思うもののつぶやきを無視し、未来を信じて上り続けようとする財前に、嫌な感じを受けました。それと同時に、ひたひたと近づいてくる影にやりきれないものも感じる。その声に耳を傾けていれば、彼には影など存在せず、いずれ望む姿を手に入れられただろうにと…。

 財前が教授になってからは里見も強く現れだします。常に医者としてのあるべき姿を追い続ける里見と、医者も所詮は人であるという財前。この先に待ち受ける事実が2人をどう翻弄するのか、楽しみでなりません。

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東京異端者日記

2004/02/04 17:39

ゲイが多数派な毎日

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 今の世の中、ゲイと呼ばれる人々が熱狂的に人気を得ることがある。例えばKABA.ちゃん。一昔前の彼はヘテロであるように見せていた。確かに、戦略的な部分も多いとは思うけれど、当時のゲイを取り巻く状況が今と変わらなかったら、もしかしたら彼は最初からゲイとして表舞台に立っていたのかもしれない。とはいっても、実際にゲイと呼ばれてしまう人々の赤裸々生活や真っ正直な気持ちを聞くことは…あまりないのが現状でしょうか。

 さて、そこでこの1冊。ゲイの赤裸々で真っ正直な気持ちがガンガン書かれています。えぇ、それは目からうろこ、笑える内容! ゲイであるという事実がこうさせたのか、森奈津子自身がこうなのかはわかりませんが、随所に笑いがこみ上げること間違いなし。何気に過激な内容なのに、笑いで許されてしまうのは、彼女の文章のなせる技。だって、「官能小説も書いてる人だし、過激すぎるんんじゃ…」と恐れることはありません。文章は丁寧で綺麗ですから、「あら?」と思ったときには過激描写も終わっていますから。

 ヘテロな人も、自分はゲイなのではと悩んでいる人も、ゲイの人も性癖のことは忘れて、森奈津子の奇妙に面白い毎日をご堪能ください。

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姫百合たちの放課後

2004/02/23 18:39

女学園は妄想の花園

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 凄い勢いでファンを増やしている『マリア様がみてる』ですが、この作品は女子校でのお姉様と妹の物語らしい。なんだ、そこが今の人々のツボなのか?というわけで、この本でございます。

 表題作の『姫百合シリーズ』はお姉様に憧れる妹の妄想の物語です。そして、もう1人の主人公として妹志願の少女に茶々を入れるボーイッシュな少女がいます。彼女は“光源氏”という異名を持ち、たくさんの少女を虜にしているのでした。ただ、コレだけでは普通の女学園モノで終わってしまいます。ココからが森奈津子の真価なのです。お姉様を狙っている(らしい)アマゾネスでサディストな先輩の登場! そう、サディストでボディビルダーな少女なのです。この設定こそが森奈津子の楽しさであり、真髄なのではないでしょうか。絶対に普通の設定で終わらせることなく、あくまでも自分の嗜好に正直に突っ走る。もちろん、そこには笑いが重要不可欠な要素でもあるのです。逆に言えば、自らどこかを崩していると言えなくもないわけですが、そこで四の五の言ってはいけません。でなければ、森奈津子の作品を存分に味わえませんから! 
 その他、口にするのも恥ずかしいような新たなスポーツや敬意の表明行動など、森奈津子ワールド全開の1冊でございます。内容がえっちいので、手に取れる方と取れない方がいるだろうと思います。そこは確かに残念です。ただ、そこをグッと堪えて手にとって見てはいかがでしょうか? きっとニヤリからフフフまでたくさんの笑いがこみ上げてくると思われます。特に、最後に収められている『お姉様は飛行機恐怖症』は前半部分の面白さは格別でございます(ちなみに、その部分には全くえっちい描写はありません)。

 森奈津子初心者には『耽美なわしら(完全版)』や『東京異端者日記』を、ある程度こなせた方には『西城秀樹のおかげです』を、森奈津子中級者以上の方にはこの本をお薦めいたします。

 あぁ、お姉様、うまくご紹介差し上げられないのがとても哀しいのです。

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