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いーさんさんのレビュー一覧

投稿者:いーさん

3 件中 1 件~ 3 件を表示

まるで、おとぎ話のように

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

伸たまき改め獣木野生が、ライフワークの「パーム・シリーズ」を措いて描いたのは「おとぎ話」だった!
第2巻には、心の傷を癒してくれる人間を求めてさすらう幸運の黒猫と、テレビのキャラクターに恋して人間になった植物の、2話が収められている。
基本的に勧善懲悪。教訓があって、残酷なところもちゃんとある。「おとぎ話によくある簡単な筋書き」に、獣木野生らしい人間観やエコロジカルな主張を織り込んで提示される、THE WORLD。
もしかすると著者には不本意なことかもしれないが、一種の「癒し系」としても読める。スミレの変化であるバイオレット嬢が長い放浪の末に至った境地には、少し泣いてしまった。
教訓。「誰もいないと思っていても、花と猫と妖精があなたを見ています」

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紙の本レオナルドのユダ

2003/12/30 14:16

「洗礼者聖ヨハネ」の微笑のように魅惑的で、その背後の闇のように深い謎

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

これはまず、「最高のものに出会ってしまった者がいかに身を処すか」という寓話である。
三人の人物がレオナルド・ダ・ヴィンチの晩年を語る。弟子であった貴族のフランチェスコ・メルツィ、フランチェスコの従僕のジャン、教皇の取り巻きである著述家のパーオロ・ジョーヴィオ。
レオナルドに対するスタンスは三者三様だ。フランチェスコは狂信的に崇拝する。ジャンは、深く魅せられる一方、「絵を描きたい」という身の程知らずな夢と厳しい現実の間で苦しむ。パーオロは、才は認めつつ、会ったこともないレオナルドに理由のない反感を抱く。
1519年のレオナルドの死後、物語はひとつの謎をめぐるミステリーの様相を帯びる。
レオナルド・ダ・ヴィンチは「ソドマ」だったのか?
「愛は同時に相手の弱点を認識した上で成り立つ」とうそぶくパーオロ・ジョーヴィオが、フランチェスコたちに言わせれば「荒探し」のため乗り込んでくる。秘密を暴こうとするパーオロと、弟子たちの攻防。
しかし、本当は誰もレオナルドの真実の姿など見たいとも知りたいとも思っていない。常々「師匠たちの師匠は自然、神の創り賜う自然だよ」と語り、「観察し、分析し、推論し、実験する」ことを実践したレオナルドだが、確かにその点では、パーオロが揶揄したように「才能ある弟子を一人も残さなかった」ようだ。
当時から有名だった「最後の晩餐」について、ジャンは
「私には師を囲む私たち弟子のように思えました」
と述懐する。フランチェスコの恵まれた境遇を妬み、小さな裏切りを重ねていた彼は、ユダは自分だと考えていたのだ。が、しかし…。
レオナルド・ダ・ヴィンチを裏切った「ユダ」は誰だったのか? それが明らかにされるとき、「最後の晩餐」は鮮やかに反転するだろう。

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紙の本中井英夫全集 9 月蝕領崩壊

2003/12/21 16:27

星よりもさびしい

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

中井英夫が自らの主題とした「死と変身とそれをつらぬく時間」は、この巻にも通奏低音のように響いている。
それが最も高まるのは、「初めて出逢って即座に互いを分身と認め合った」という、「B」こと田中貞夫の病と死を記録した表題作『月蝕領崩壊』である。
Bの病状に一喜一憂し、神に祈り、小説が書けないことに焦り、「B公を病気にしたのは自分だ」と苦悩し、乱酔し…こうした記述が続く中に時折、まるでガラスの破片に浮かぶ小さな虹のような、こんな描写が混じる。
「Bがすべての楽しみに倍音を響かせていた」
「二重星が羨ましいというだけ。何億年でも一緒にいられるのだから。」
「星よりもさびしい、B。」
芸術家に霊感を与える女性をミューズと呼ぶが、これは何と呼べばいいのだろう。
『月蝕領崩壊』は二部構成で、第二部の末尾には「第一部へつづく。」との指示がある。メビウスの輪の完結。いや、無限大の記号というより、著者が羨んだ二重星の影というべきか。

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