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先月(2017年8月)

wayarinさんのレビュー一覧

投稿者:wayarin

1 件中 1 件~ 1 件を表示

<地球1コ分の暮らし>へは

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「エコロジカル・フットプリント」という概念は知っていたが、それがどのように使えるのか、なかなか理解できなかった。本書は、エコロジカル・フットプリントの活用で実績のある第一人者たちが著者だけに、その辺の事情がようやく見えてきた。
よく言われるように、すでに人類の活動は、地球の環境容量を超えてしまっている。たとえば、日本人のような暮らしを世界中のひとびとが始めたら、それだけで地球2.4コ分も必要になるという(本書)。
私たちの地球はたったひとつしかない。<地球1コ分の暮らし>を実現しなければ、そう遠くないうちに、なんらかの破綻が来るのは明かだ。すなわち、無限成長をめざす経済を、有限な地球の環境容量に埋め戻すことが求められているのである。
そして、本書を読むと、そのもっとも有効な方法のひとつが、エコロジカル・フットプリントかもしれない、という気になってくる。
もはや地球にやさしい、環境にいいこと・・といった表現だけでは前に進まず、かといってCO2をこれだけ削減といった数字では抽象的で実感が湧かない。また、製品の細かい環境評価などは、それが地球全体にどうかかわるのかが分からない。
その点、エコロジカル・フットプリントは、まさに地球の環境容量というたったひとつのモノサシ(地球基準!)を使っているので、じつに明快である。
たとえば、さまざまな人間の活動を、地球何コ分といった親しみやすい表現で伝えることができる。地球基準なので、各地で比べたり、分野を超えてトータルな持続可能性の目標を立てることも可能だ。あるいは、測定結果の内訳から、どこをどのように改善・修正していけば良いかという発見やヒントも得られる。
こうしたさまざまな活用事例が本書には紹介されている。世界各地の地域・まち、企業、家庭や学校で、これほど活用されていたとは知らなかった。5つの大陸で<地球1コ分の暮らし One Planet Living>をめざすプロジェクトが始まっているというレポートも興味深い。
持続可能な未来へ向けて、私たちがどのような指針・目標を立て、どのように暮らしていけばいいのかということを、実感できるガイドブックである。

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