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    3月のライオン(1)

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    羽海野 チカ(著),先崎 学 (将棋監修)

    5つ星のうち 4.5 レビュー詳細を見る

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    はらぺこあおむし 改訂

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    エリック=カール (さく),もり ひさし (やく)

    5つ星のうち 4.5 レビュー詳細を見る

ゆきはじめさんのレビュー一覧

投稿者:ゆきはじめ

68 件中 1 件~ 15 件を表示

法人の品格

11人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 すでにベストセラーということですが、肩を並べる「国家の品格」という本のとなりで「法人の品格」という副題を連想しました。
 誰しも、自分に都合のいい環境を築きたい、有利な条件で取引きしたい、欠点は知られず良く見られたいと思うものですが、大企業になれば成る程、影響力の大きさを自覚し、企業自身も取り巻く社会もしっかりした倫理観を持って、時には利害を超えた行動をとって欲しいものです。
 書かれる側にも色々と言い分はあるでしょうが、どこかの政治屋さんのように「私は法律から外れていない。」と違反すれすれでも困りますね。
 この本は、日頃ほとんど取り上げられない視点で、ある意味知りたくない、考えたくないことを教えてくれる経済社会の問題集ではないでしょうか。

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紙の本モモ

2009/08/26 15:26

本質を見失った近代化への反省

10人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 分野を絞らずに気の向くまま読んでいた何冊かの本の中で偶々紹介されている、この「時間泥棒」の話を一度読んでみたいと探していましたが、仕事帰りに立ち寄った書店で見つけた子供の本コーナーの棚には2冊並べられていました。30年以上前に和訳されたものがいまだに人気のようです。

 大都会の街はずれでおおらかな仲間達と暮していたモモが、時間の支配人の代わりにカメに導かれ、時間泥棒組織に盗まれた「時間の花」を取り戻す話は、もっともらしいけれど根拠の無い常識をすり込まれて、余裕を省いた気持ちで忙しく流されている社会において、本質を見失った近代化への反省と、スローライフによる自己実現への憧れを思い起こさせます。
 幸せって何でしょうか。

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人気講師が普段の講座でまずこんなことを話すだろう

9人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 歳の所為なのか気持ちの所為なのかはわかりませんが、最近本を読んでも内容をすぐに忘れてしまいます。そのため少し見直したりする訳ですが、改めてこの本が言いたいことは何だったのだろうかと考えると、18歳までにいろいろな能力を鍛えておきなさいということでしょうか。
 7人の人気講師が普段の講座でまずこんなことを話すだろうという内容を同じ口調で綴っているようです。

 二十歳を過ぎたら職に就いて働くということには生活費を稼ぐというはっきりした目的がありますが、逆にそれまでの時間には自立心が育つ前から義務的教育としての学校生活が与えられている所為か、何をしておくべきか、何のためにしておくべきかを自覚できないまま過ごしてしまう若者が多いのだろうと思います。そしてよくわからないけれど学生だから何となく勉強しておかないといけなさそうだ、と思って私自身も過ごしました。

 今更ですが、あの時期は充実した人生を過ごすために自分の能力を鍛えたり特性を見つけたりするための時期だった、そのためにいろいろな勉強をしておくことは大事なことだったんだとこの本を読んで自覚しました。
 今だから思えるという事でもあるのでしょうが、中高生には素直に読んで欲しいものですし、教える側にも参考になると思います。

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娘さん自身の回想記が心に残ります

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 いわゆる「メソッド」をご自分家で実践されたというような話ではありませんし、成功談という感じもあまり受けなかったことは予想外です。また、第一部に書かれているお父さんの話よりも、第二部に綴られる娘さん自身の回想記が心に残りました。

 娘さんが東大に合格した本当の理由は、やはりご本人の学習能力の高さが一番でしょうし、それを親も学校も認めていたから受験の意思に驚きもされなかったのだろうと思いますが、能力を活かす本人の意志と努力が周囲の力添えもあって実を結んだということはよくわかります。
 これ以上は無いという究極の受験に本気で取り組んでいる時の圧迫感や緊張感はなかなか想像もできませんが、話を聞いておくだけでも受験生には参考になると思います。

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エコロジーなのかエコノミーなのか

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 京都会議以来、環境保護が声高に言われていますが、問題の本質に行き当たるまでにも誤解や曲折のあることが少なくないようですね。
 人間が何もせずにじっとしていることが一番の環境保護だと言ってしまえば極論ですが、環境対策にお金をかけることに経済効果以外の意味が果たしてどれだけあるのかは疑問です。
 環境への効果は計りにくいですし、活動に付随する全てを総合するとなると尚更ですが、エコロジーのエコが単なるエコノミーに替わっていないか、今までの常識が本当に正しいかどうか、ひとつひとつ見直してみる必要があるかも知れませんね。そんな気にさせられます。

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強引にではなく、強く育てる

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 著者が主宰する小学生向けの学習塾では先回りして教え込むというようなお節介をしないそうですが、実際に教えない方が効果的だという場合は案外多いと思います。
 また、いろいろな意味で教える側の押し付けだった「詰め込み教育」の弊害を、何とかしようと試みたけれども教育内容が薄くなっただけで終わってしまった、という事実は「詰め込み」の対義語は「ゆとり」ではなかったということを証明しています。

 手取り足取りの指導が教育現場への批判や目に見える成果への要望に答えようとする情熱の表れだとしても、生徒が自分で考えよう、やり抜こうとする意欲や力までも殺いでしまっては何にも成りませんね。「自力・地力」強育を支持します。

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紙の本小説日本銀行

2009/12/27 16:21

人間関係と組織の特徴が凝縮された場所

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 サブプライムローンの破綻に端を発し、リーマンショックで決定的になった世
界的金融不安がもたらす不況の中で、日本銀行の果たす役割は地味ですが大きい筈です。そんな興味から、580頁の大作ですがちょっと覗いてみる気になりました。
 昭和21年からの数年間が大蔵省や連合軍総司令部との関係を中心に、秘書室勤務の主人公の目とその擁護者である相談役の目で見た総裁周辺の様子として語られています。外部の者にとってその内情は知る術もなく、読後感を解説者が述べているようにこれで日銀のことが良くわかったという訳にはなりませんが、日本における組織の中の組織として、人間同士の関係や組織と個人の関係における特徴が凝縮された場所なのだろうという認識を強くしました。
 この本が何度も復刻され読み続けられていることは、その場所が常に衆目の的であると同時に、時代や場所は違えども人間の本質に変わりは無いことを実証しているように思えます。それにしても流石に城山作品、大作でも飽きずに読み切られます。

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これからの世界のあり方

5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 主題を見る限りでは自己啓発本のようですが、副題にあるとおり「環境・食料・エネルギー」問題の実態と解決の方策が石油の話から農業の話まで対談形式で綴られています。
 それが単なる問題提起に終わらず、具体案と実行するための心構えを問うているところが貴重に思います。
 手段を選ばない金融錬金術の破綻による地球規模での経済災害が爆発した今、これからの世界のあり方を決心するためにも、誰もが読んでおくべき一冊だと思います。

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エッセイ集のようですね

5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 仕事術と言っても具体的なHOW・TO本ではなくてエッセイ集のようですね。仕事に向う心構えや考え方とそれにまつわる脳科学的分析が書かれています。

 副題として刷られている「わかる」を「できる」に変えるというのは「インプット」を「アウトプット」につなげることを意味していて「感覚系」の知識・感情を「運動系」で行動・表現することのようです、と書くと何だか難しそうに聞こえますが本文では脳の特性との関係を踏まえてとてもわかり易く説明されていますので抵抗無く頭に入って来ます。

 脳を「活かす」も「眠らす」もちょっとした「勇気」でしょうか。生理学的裏付けには何だか説得力があります。

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3つのポイント

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

書名どおり71の項目が8章にまとめられています。勝手に各章の題目を付け替えてしまうならば、1概論、2準備、3実践、4展開、5休息、6応用、7選択、8転換、ということでいかがでしょう。さらに重要テーマを、齋藤流に敢えて3つに絞るならば、脳を追い込む、休める、整える、ということでしょうか。
 TVで見慣れた著者のやわらかい雰囲気そのままに、わかり易く書かれている著作に共通することですが、話が特に小分けされているため一層読みやすく感じます。また、潜在力という言葉には、深海の如く、深く、遠く、発揮し難いといった響きがありますが、案外、顔を洗う水をすくうように、身近で手の届く場合もありそうだと思えてきます。

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紙の本スローカーブを、もう一球

2010/08/31 07:08

結言がまた粋

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

8人の主人公がそれぞれのスポーツに青春を懸けた短編集です。

淡々と、或いは劇画的に表現された、緊迫、清涼、高揚、躍動という感情の起伏が臨場感を伴って伝わってきます。
結言がまた粋に味わい深く、そこはかと無い余韻を残します。

まさしく珠玉の短編集だと思います。

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紙の本佐高信の毒言毒語

2009/11/15 21:57

偏りを補正して全体の形を知る

5人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 ベストセラー本や世間(殆どTV画面内)で有識者として認められている人に
も容赦なく毒言が浴びせられています。私がよく読んでいる著者にも然り。

 世の中には尊卑虚実いろいろな人や本、話があるとわかっているつもりですし、各人には各様の説があり、日常生活やちょっと調べたくらいの情報はごく限られた知識でしかないとも思っています。それでも、ある程度無作為に届いた筈の情報は概ね全体を集約しているのだろうという期待を持って取り込む訳ですが、案外偏っていることの方が多いのかも知れません。
 また、他人にはまやかしに思えることでも、知らずにずっと信じて思い込み続けている限り、自分には真実でしかあり得ない訳ですし、極論すれば良くも悪くもすべて思い込みと言えなくもありませんが、それで済ませてしまうには余りにも気が引けます。
 偏りを補正して全体の形を知るためにはこういった類の本を読むことも必要ですし、そんな時でさえ「部分否定も部分肯定もある。」と著者が語っていることは念頭に置いておきたいものです。

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紙の本涼宮ハルヒの憂鬱

2009/08/28 23:52

10代後半向けやや萌え系学園モノSF小説

4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 確かに目立つ店頭の平積みではあったとしても、いつもなら気に留まらない類のカバーの絵柄から浮き出た「ハルヒ」という文字が、自分でも何の理由もわからない瞬間に興味を生み出し、気が付いたときには無音の小爆発が起こっていた。そんな表現をしたくなる10代後半向けやや萌え系学園モノSF小説ですね。

 シリーズ第1作を今頃読んでいるのは時代遅れだと言われそうですが、自分とは親子ほども世代の違う若者の間で有名らしい「ハルヒ」の物語とはどんなものなのか、教育的情報収集の一環としては充分に熟しきった必然的なタイミングでうまく重版に出会ったと、少しだけ「ハルヒ」的にポジティブに考えることにします。
 驚くのは、読んでいる最中に右脳の中で何故か「非現実的世界」が不思議なくらい違和感無く「現実的世界」に出入りしていることで、それはこの作品の素晴らしさに違いありませんが、左脳の片隅に現実逃避的若者が増えているという昨今の風評を思い浮かべてしまうのはネガティブ過ぎる反応でしょうか。

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紙の本小説盛田昭夫学校 上

2009/08/14 22:50

やり甲斐とやすらぎの比率の理想はどれくらいだろうか

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 なんとなく聞き覚えのある書名にそそられ読み始めて間もなく、5年間本箱の隅に挟まっていた1冊の隔週刊誌に同名の連載を見つけました。比べてみると細かい表現にも変更があって、かなりの推敲がなされたようです。気が付けば章の番号も変わっています。
 以前見たテレビの特集では初期の輸出ラジオに大量の不良が発生した話をクローズアップして世界進出時の苦難を伝えていたものの、この本ではあまり踏み込まれずその部分は些か拍子抜けしましたが、文庫本とはいえ上下巻に及ぶ長編にも拘らず、ダイナミックな出来事の連続に興味は手繰り寄せられて下巻に進みました。
 国産初のテープレコーダーからトランジスタの実用化を経てトリニトロンまで、上巻は創業から世界に認められるまでの話で、主に井深さんや後任社長の岩間さん等比較的身近な人とのやり取りの中で盛田さんの活力が発揮されています。
 それでも、高度成長期を駆け抜けた象徴的な人の凄まじさの前に、やり甲斐とやすらぎの比率の理想はどれくらいだろうかと、つい答えの出ない暗算をしてしまいます。

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率直さを基にする我がままさ

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 社長として生保会社を発展させ、電機メーカーを建て直し、経団連会長、大阪万博会長を歴任と聞いただけで、余程我がままな胡散臭い人物の話だろうと敬遠していましたが、城山さんの著述だからひょっとして、というやや消極的な期待で読んでみる気持ちになりました。
 執筆を勧められた著者も最初は気乗りしなかったものの、他のテーマの取材を進めるうちにあちらこちらで人物評を耳にして、否応なしに興味を膨らまさせられていった末の作品化だと打ち明けているように、俗的感覚で見た時の「そういう立場の人」らしからぬ人格者のリーダー振りが小説的記録として公開されています。
 「無事是貴人」を望みながらも「目で学び、耳で学び、足で学び」、大局を踏まえて、上にも下にも率直さを基にする我がままさで対応、実行してゆく様は魅力的で、「一度でもよいからお目にかかっておきたかった」と悔やむ著者の気持ちがよくわかります。

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