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LFさんのレビュー一覧

投稿者:LF

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紙の本知識人とは何か

2004/04/20 20:11

サイードという「羽」

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 1993年のリース講演(BBCラジオ)をまとめた本著は、一貫して表題の問い、
つまり「知識人とは何か」に関して続けられている。サイードの考える、或いは
彼が定義する「知識人」とは、それは「知という鎧と剣を携えた、最も勇敢で孤独
な亡国の抵抗者」であり、かつ「最も夢想的な現実主義者」とでも言えばいいのだろうか。

 権力の中心に安寧することを厭い、周辺者として絶えず「告発」する嫌われ者…など、その姿は幾らでも形容することが可能であり、また何一つ当てはまらない「世界」という信仰における永遠の異端者なのである。その身を断頭台にかけながら、なおも抵抗する「彼ら」は、例えばアドルノであり、マルコ・ポーロであり、そして「エドワード・サイード」なのだ。

「亡命者」或いは「知的」亡命者としての知識人は、新たなる「国家」の中で周辺的な位置に身を置き、その権力中枢や信奉者達に対して常に懐疑の眼差しを向ける。権力のメカニズムとその作用、それが標的にするあらゆる事柄に対して最も注意深い洞察を向ける。そして、何よりも多数者と少数者という最も不遇で不運なこの関係性に対して、(誰よりも思慮深い者達が)「悪意という形式を借りた良心」の忠告を向ける、この知識人の行いは、社会という基本的カテゴリーの中に埋もれた(埋められた)、「最後の亡国者」に対する最も良心的な一つの呼応なのである。

 声を大きく、けれど思慮深く、敢然と権力の残酷な眼差しと最悪の「ロック・オン」に如何なる躊躇も無く立ち向かう「知識人」、そんな稀代のヒーローを念頭に置き(或いはイメージとして)、サイードは知識人像を描いている。

 時代のリプレゼンテーションズ、知識という武器を手に、一人抵抗を続けるアウトサイダー、表紙に描かれた翼の絵は、そんなリプレゼンテーションズの縦横無尽に言説の世界を飛び巡る姿に敬意を表し、かつ「憧れた」サイードの幸福な夢なのである。

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