サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

  1. hontoトップ
  2. レビュー
  3. にんぎょさんのレビュー一覧

レビューアーランキング
先月(2017年8月)

にんぎょさんのレビュー一覧

投稿者:にんぎょ

9 件中 1 件~ 9 件を表示

紙の本英語でよむ万葉集

2005/01/11 14:28

英語と日本語どちらも声に出してよみたい

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 母国語が英語、そして日本語と中国語にも造詣の深いリービ英雄氏の万葉集の英訳に、その歌についての彼の鑑賞と、どう英語で訳して=詠んでいったか、がつけられている。
 新書版で、最初は持ち歩いていたのだが、どうしても読むときに声を出して読んでしまうので、家以外では読めない本だった。次は書き写しながら、またしみじみと味わいたい。
 著者の言葉についての深い知識と鋭いセンスはさすがで、枕詞の訳も「なるほど」と思うばかりだし、たとえば富士の歌に入ってくる“lofty”という単語は富士とセットに感じられて、それこそ、英語における枕詞のようだ。叙景詩のイメージの広がり方は英語に訳すことで改めてその大きさに感嘆する。詞書(ことばがき)の訳にも一つ一つ納得と発見がある。
 英語の単語の持つイメージともとの歌のイメージの呼応は、期待を裏切られることがない。
 万葉集の素晴らしさ、日本語の豊かさをを再確認させてくれる、とても読んで幸せになれる本だが、やはり万葉集を母国語として読める私自身の幸せを一番に感じてしまった。例えば、 「川かみの根白高萱(たかがや)。あやにあやに さ寝さ寝てこそ、言に出にしか」「垣(くへ)越しに麦食む子馬の はつはつに逢い見し子らし、あやに愛(かな)しも」「多摩川に晒す調布(てづくり) さらさらに、何ぞ、この子の、幾許(ここだ)愛(かな)しき」などの東歌のこのリズム・語感を、そのまま楽しめること。…というわけで、やっぱり翻訳の難しさも再認識させられることにもなった。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本タフの方舟 1 禍つ星

2005/05/10 21:27

久々めぐり合った爽快なスペースオペラ

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

本の帯の惹句は「ジュラシックパークの興奮とハイペリオンの愉悦がここにある。宇宙一あこぎな商人ハヴィランド・タフ登場!」ダン・シモンズ好きであろうが、ニーヴン好きであろうが、クラッシャー・ジョウ好きであろうが、この本に嬉々として飛びつくこと間違い無しと思われます。
主人公タフは身長2メートル半、無表情でまっしろな皮膚、はげ頭、太鼓腹、大きな手足という、加藤保憲をもっと魁偉にしたような男。第1話の「禍つ星」で手に入れた過去の遺伝子技術の遺物、どんな生物のクローンも作ってしまう胚種船のたった一つ残された使用可能な船を駆って、「環境エンジニア」を開業して宇宙を行く!
宇宙一あこぎなんて形容されてるタフは、猫撫でながら腹のたつ慇懃無礼な態度で交渉するけど、それが抜け目なさそうでいて、実は間抜けで、実は誠実で、それでいてどんな時にも泰然自若で最後には言い分きっちり通しちゃうという、涙が出そうにいいキャラなんですね。
この本は三話収録で、それぞれのエピソード一つ一つ恐竜やらファンタジーじみたおなじみさんな怪物やらの総出演。常識を超えた知性生物、それに宇宙での活劇までお楽しみを各種取り揃えて供してくれます。タフの手ごわい相手として配されるのがまた根性ありそうなお姉さまぞろいで、それもまた嬉しがらせてくれます。
この連作が、5月末刊行の四話収録の本で完結なのですか。それを待ってから通して読むべきだったという思いと、それでおしまいかいっ!という思いで、心は乱れます。ああ、もう読んじゃったわ、もったいない!

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本お菓子放浪記

2005/08/03 20:32

主人公の伸びた背筋に救われる

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

戦中戦後の日本の社会の中で天涯孤独な少年が、甘いもの−お菓子−への思いを支えに、過酷な現実の中を生きぬく物語。
帯文では「酷くて哀しい物語なのに、何故こんなにユーモラスなのだろう」とありますが、ユーモアよりも哀しさが応える話です。読んでいて結構ごつごつあたってくる部分があり、自伝的な部分も多いらしく、書く側の気迫とか、思いの強さに身体のどこかをぎゅっとつかまれるような気がする本です。
菓子パン、金平糖、お汁粉…時局が時局だけに、甘いものは貴重品で、主人公シゲルが出会うお菓子はほんのわずか。エクレアなどはとうとう実物は一回も登場しない幻の憧れのお菓子。また、代用食のお菓子もどき。そして、それぞれに切なかったり辛かったりの思いが痛烈にまとわりつきます。それはまた、それにまつわる人間との関係の反映です。
戦中戦後の苛烈な、人間性がもろに露呈される時期の物語です。一番の悪役「ホワイトサタン」をはじめとして、「ひどい」と感じるに人も皆自分を肯定する理屈を持っています。理屈の権威に寄りかかってそっくり返っている者や、また別の理屈に寄って開き直っている人間。でも、その中でシゲルはごまかしのない「本物」であろうともがきます。「本物」の優しさで接してくれた人にこたえるために。
戦中もギリギリのところで生き抜きますが、戦後の浮浪者生活の描写では、私は心底ぞっとします。この有様から今の状態まで来られて本当に良かった、と痛切に思います。
上野駅にひしめく浮浪者の群れを
「それはなんと言ったらいいのか……ある「豊穣」の景色でした、戦争が栽培した悲惨の、たわわな実り……。見事な豊作でした。」(374ページ)
敗戦から一夜明けて、「聖戦」は「侵略戦争」となり、死んだ人は「軍国主義」殺されたのであり、生き残った空っぽの心の人たちには「一億総ざんげ」で責任が分配され…
「生き残ったことを罰せられてでもいるように、恥多いくらしにまみれているのです。」(375ページ)
このあたりの描写には、実際にその時代を知らない私が、報道写真などからだけでは窺い知ることの出来ない、その場にいた人の呻きを聞く思いがします。
中学生の感想文課題図書でもあった本ですが、大人になった今のほうが痛みを感じます。自分の理屈が借り物でないかどうか、耳に快い情報や意見だけ選んで入れていないか考えずにはいられなくなる本です。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

相手に惚れ抜く友情にまた泣こう

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 あの感動作、下妻物語完結編。
 今度はミステリ仕立てながら、桃子とイチゴがそれぞれの道を歩み始めるまでを描いて教養小説的な匂いにあふれてます。
 原因は違うものの、高校を卒業できなかった二人がほんとは無いはずの春休みに遭遇してしまった殺人事件で、なんとイチゴが容疑者に。面白いからと警察を撹乱する桃子と、おろおろするイチゴ。そしてそんな二人の前に現れる未亡人になったイチゴの恩人、亜樹美さんと、亜樹美さんの亡くなった夫でイチゴの初恋の人・竜二の友人セイジ。桃子の才能も認められていきます。
さすがに前作ほどのインパクトはないものの、最後の315〜319ページに泣かされました。この数ページに自然に涙を流すためにはこれだけのストーリーが必要だったわけです。
 自分の美意識を支えに、世の中に対して一人で昂然と生きていた桃子が、抜けていても一直線に正しく生きるイチゴという友人の心に触れ、「ダサくてクサくても、思い込んだ道を突っ走る」ために、そして世界へ関わるために、そこで自分の場所を得るために踏み出します。
 「下妻に愛着なんかない」と言い切る桃子ですが、イチゴのいるところは彼女にとってやはり拠り所です。イチゴにとっても桃子の存在は宝です。
 イチゴのボケと桃子の突っ込みはこの本でも炸裂しています。イチゴの割れ鍋に閉じ蓋的な2度目の恋の相手、セイジさんにも笑わせていただきました。本当に純粋なカップルで、桃子ちゃん、心を猿にして突っ込んであげないと、こんないたいけな二人では悪い人の食い物にされてしまいそうです。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

心あらば、この乙女らの雄々しさに泣け!

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 映画を見て、読んでみようと思った。そして、今まで嶽本野ばらを読んでいなくて、損をしていたと思った。

 おかしい。下妻という田舎で思いっきり浮きまくりのロリータやってる桃子の一人語りの、世の中に背中向けちゃった部分と、実にシビアに現実を見る部分のよじれたギャグのおかしさは最高。レトロで良い子のヤンキーをやっているイチゴのアッパラパーな突き抜け感も笑える。

 思いっきり笑えるが、泣けた。 

 桃子はテキヤ、バッタ屋の父と、不倫で家出の母を持つ堂々たる欠損家庭の娘であり、現実認識の鋭さは人並み以上。余計な甘えを持たない、人に期待しない彼女はどうしたって孤独。イチゴはクラス中から馬鹿にされ、自己嫌悪の孤独の中にいた。
 しかし彼女たちは、卑屈に集団に擦り寄ることで孤独から逃れようとはせず、また世の中に対してすねることもせず、自分たちの美学を貫いて敢えて孤独に生きることを選ぶ。その美学がロココの世界であり、イチゴの「主義」なのである。それは傍から見て、いかにスットンキョウであろうと、眉をひそめられようと、自分をごまかすことなく、苦しさと闘う乙女なのだ。
 見た目は違えど、二人はお互いを知る者なのだ。そして馴れ合いからは生まれない孤独を知る者同士の友情は、ここにこそ育むことができるのだ!

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本物は言いよう

2004/11/19 09:36

面白い!その上、まさに実用書

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 この本は「FC」(フェミコード)対策のための実用書だそうです。フェミコードとは何か? 性や性別についての望ましくない言動を検討するための基準で、思いがけないセクハラの疑いをかけられないために、笑いながらFC感覚を身につけよう!というもの。

 しかし私が読んで思うのは、これは世の中に流布している女性がらみの言説の、女として「なんかムッとする、ムカッとする」気持ちに明快な根拠と対策を教えてくれるありがた〜い実用書ではないか!でした。

 世に流布する「何言ってるのよ〜!」な発言はいっぱいなんですが、こまったことに「どこがどう気に入らない、どこが正しくない、こう正して」ときっちり明快に突きつけるほどいつも論点を整理できない、ってのにイライラします。
 「セクハラしてるかもしれない人たち」ばかりでなく、「女だからなんだってんだよ〜」とか、「アタシの私生活がアンタにどう関係あるんだよ〜」的な発言をどう返すか、どうかわすか、言われる側への指南書でもあります。
 もちろん、第一に読んでいただきたいのはその舌禍を撒いてらっしゃる皆様です。本当に、頭がいいはずの知識人やらオピニオンリーダー、国会議員の皆様の、もののたとえ方、少子化対策、女性へのリアクションたら、こうやって一挙に並べてみると壮絶にトンデモです。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本正しい保健体育

2005/01/14 09:42

性と生と成長をストレートに

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「もともと男子は、金玉に支配されるようにできています。」
「本当は「やりてーぜ」「入れてーぜ」の二大テーゼがあれば人間の男は事足りるはずですが、そういう「本当のこと」だけを言わないために、義務教育を受けるものなのです」(8ページ)
とまあ、刺激的というか、ある意味期待通りの書き出しですが、内容は真面目に性と生を語るものです。人間の本業はエロなことを考えることであって、義務教育のみならず、それ以外のすべての知識は、社会生活が本業だけでは維持できない人間に金玉支配からの脱出を意味するものだ…う〜ん、本当ですね。

 書き方は「みうらじゅん」というキャラクターらしいおちゃらかしの感じはあるけれど、妄想の飼いならし方、自分の自分自身での育て方、大切な人を持つ意味、親がしなくてはならないこと(子どもに限界設定くらいできなくては駄目だな)など、まっとうにすがすがしいほどストレートに語るものでした。絵や図のセンスも効果も抜群。

 私がはまったのはこれ。
「女子だけが体育館に集められて映画を見ていました。あれは一体何を見ていたのでしょう?」(83ページ)
 その回答には、そうだったのか、と一人で納得。と大爆笑。
 私は病欠が多くて家でイーストウッドとかフェリー二、アルドリッチの映画を見ていたが、そうか、そうだったのか。

 ヤングアダルト向け新書だが、大人こそ読みましょう、の本。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

根本は、普遍的な悩みなのか

7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 「もてない男」の小谷野敦が結婚離婚経験を経てあらわした「帰ってきたもてない男」
 タイトルからしてお遊びが入ってますが、ちょっと奇妙な感触の本でした。私は、「もてない男」は著者が非モテ系の自分をサカナに、恋愛と孤独についての本を紹介しているブックガイドみたいな読み方をしていました。この本は、さすがにこの著者らしく引用は多いけどブックガイドには使えません。
 恋愛の才能の有無とか、セックスが遠い苦しみとか、負け犬女性の高飛車などいろいろ言ってはいるんだけど、なんか論が滑っていく感があります。あくまで私に迫ってこない、という意味なのではきちんと読み解いている方はいらっしゃると思います。
 ただ、著者の言う「もてない」というのは、
・自分の好きな女性に好いてもらえない
・自分が恋愛感情を存分に捧げて悔いない人に出会えない
ということであって、不特定多数に騒がれたいことではないというのですから、もうこれは未来永劫存在する人間の悩みではないですか。
 そもそも、人間関係って不条理なものだというのが、私の認識の出発点ですので、東大大学院修了、ブリティッシュコロンビア大留学経験あり、サントリー学芸賞受賞暦ありのカタログデータ的にとても優良な男性の小谷野氏が、「なぜ俺がもてないんだ!」と叫んだところで(もちろんこれは著者のギャグでしょうが)そうなんだから仕方がないんですね、としか思えない。恋愛できる能力の優劣、というか人付き合いが得意でも苦手でも、本気の恋愛だったら苦しみはさして違わないのではないでしょうか。だって問題は「その一人」に好かれるかどうかなのですから。愛別離苦、怨憎会苦の理不尽は永遠です。
 男女を問わず、もてないことを認識してしまったら、それぞれ自分を道化にしたり、異性嫌悪になったり、とりあえずお金で解決方向へ走ったり、あくまで赤い糸の人を待ち続けたり、人はいろいろな行動を選択します。そういう事を描いた小説なら、古今東西、それこそ山のようにありますよね!その先に幸せがあるかどうかは運しだいですが。
 私が真には沁みない議論だと感じるのも、男と女の、また個人的な性と性行為に対する欲求度の違いに起因するのかもしれないな、と思います。でも、もてないのはやっぱり自分で対処というかジタバタすることで、そこで求めるものも人それぞれです。
 だから「もてない男」への批判・批評、「もてなければああして、こうしろ」的な反応にも違和感がありますが、著者の文章の書きぶりも、前作よりかなり挑発的に感じます。
 いや、今度も掘り出し物の本を紹介してもらえるかと思ったので、ちょっと僻目な感想になったかも。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

読んで楽しいお仕事案内

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 この本はタイトルだけで買ったので、読む前は漠然と「ウルトラマン研究序説」みたいなものかな?と思っていた。読んでみたら、それとはまったく違って、ゼネコンのお仕事はこんな風にやってるんですよ、のガイドブックだった。
「マジンガーZの格納庫」というネタを漫画から引っ張ってきて、もしそれを実際に作ってみるとしたら何が必要でどうやって作るか検討し、見積もりを出すまでの過程を通常の仕事と同じように進めていきます。実にまっとうに企業のお仕事案内で、しかも面白い。

 実際の手順に沿っているので、架空とはいえ、打ち合わせなども普通にお仕事口調で
 「いろいろご意見などいただきつつ考えていきたいのですが」
 「こちらとしても極力正確に検討してみましたが、難しい点はいろいろありますので、そのあたりはご承知おきください。」(144ページ)
みたいな感じで、粛々と進みます。その中に「超合金Z」を素材に使えないかとか、マジンガー自体を建設機械に使えないだろうか、なんていうのが「それでは、見積もりは通常の鋼製でさせていただきます。」式にごく真面目に入ってきてそこはかとなきおかしみにくすくす笑いや、時として爆笑を誘われます。
 
 私は建築土木には、しょせんは門外漢なのだが、その私にも、専門家(実務の現役バリバリさん!)があれこれ繰り出してくるプランがゾクゾクするように面白かった。この本は「物理や化学、理科を学校で勉強して何の役に立つの?」という問いへのひとつの回答になりうると思う。
 私たちに普段見えていない、そういう知識の上で作られた今の生活を送ってるってことをちょっと気づかせてくれます。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

9 件中 1 件~ 9 件を表示