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MYCさんのレビュー一覧

投稿者:MYC

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紙の本冷たい校舎の時は止まる 下

2004/08/13 08:04

冬の教室とホワイダニット

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メフィスト賞というのは本当に当たり外れが大きい。しかし通しで見ると、受賞者がもっとも活躍している賞でもある。とすると、この場合の当たり外れの落差はそのまま受賞作のバリエーションの広さと、それから来る読者個々人の好みの違いに拠るものではないかと思っている。
この作品は、そんなメフィスト賞の第31回受賞作である。

ストーリーは、親しい男女8人の高校生が時間の制止した冬の高校に閉じ込められ、過去に自分たちのクラスに起こった投身自殺の謎を解くというものである。ところが、この作品はいわゆる本格ミステリーの文脈で読むと違和感を感じることになるだろう。本格ミステリでは探偵役の登場人物が事件の状況を整理し、お互いの行動を把握し、矛盾点を突き詰め犯人を導き出そうとするだろう。しかし、彼らはそれをしない。お互いの心情を思いやり、親友に対しどこまでも優しくあろうとし、仮説を突きつけるようなことはしないのである。

この作品は本格ミステリー的なたくらみに満ちている。しかし、あくまでこの作品の本質はディティールである八人の高校生の群像に宿っている。彼らが、何を考え、どのような過去を持ち、何をおこなってきたのか、そこから「動機」を推理し、真相を導くことがこの作品の主眼とされている。

物語中に挿話される彼らのエピソードはみずみずしく、本当に丁寧に書き込まれている。当初に違和感を感じたキャラクタの造詣も、物語の進展に伴って次第に厚みを増してくる。確かに若書きの感はあるが、それすらも高校時代という過ぎ去った日々へのノスタルジィを呼び起こさせるよう機能しているようにも思える。

これまでの講談社のミステリーファンだけでなく、ふだん推理小説を読まないような人にも、青春小説としてオススメできる小説である

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