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山口アキさんのレビュー一覧

投稿者:山口アキ

3 件中 1 件~ 3 件を表示

紙の本プールサイド小景・静物 改版

2005/06/25 06:20

生活ということ

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

この本のなかには生活があり、ほとんど生活しかなかった。この感想は、おそらくこの本を読んだ人の多くが感じるものではないかと思う。けれど、生活があるということは不思議なことだと思わせる小説だとも思う。
静物という話には夫婦と三人の子どもが描かれている。釣堀にいった話、父と長女の二人で映画を見た話、猪について聞いたことを父が子どもたちに喋る話、ぬいぐるみを取り合う話、逃げ出した蓑虫を見つける話。いくつもの挿話によってできている。何の変哲もない話ばかりだ。特別な感慨もない。
しかし、その変哲のない生活の裏には凄まじい悲劇が隠されている。それでも生活は小さな幸福に満ちて、慎ましやかな瞬間を続けている。そういう生活こそが生きるということなのだろうと、僕の中にじわりと染みこむものがあった。やはり、生活は不思議だ。
最後に、何の変哲もない生活を書くことで、一級品の小説を創りだしたことは驚くべきことだと、僕は思った。

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紙の本妊娠カレンダー

2004/06/21 15:29

怖い夢を彷徨う

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 悪夢は僕が最も苦手とするもののひとつだ。なぜなら悪夢は怖いからだ。
悪夢が怖いのは当然だと感じるかもしれないが、これは不思議なことではないだろうか。
 汗びっしょりになって目を覚まし、怖い夢をみていたことを思い出す。しかし、その夢の内容は何が怖かったのか分からないようなものだったという経験は誰しもあるのではないだろうか。なんでもないようなことなのに夢の中では耐えられないほどの恐怖心に襲われる。
 そんな怖い夢のような3篇の物語がこの本の中には収められている。静かで綺麗な、けれども耐えられないほど怖い物語。
 きっと丁寧に描かれた心理描写がこんなにもこの物語を怖くしているのだ。理性的に説明することはできる。感覚的にもしっくりくる。なのに何かが分からない。だから怖いのかもしれない。
 一度嵌ってしまったらなかなか抜け出せない独特な世界がここにある。グレープフルーツ、古い産婦人科病院、学生寮、蜜蜂、給食室などの小道具のようなものが堂々と使われているのも逆に新鮮な感じがした。

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牛乳の未来

2004/06/21 03:36

北国の方言に浸って

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 方言の魅力に気づいたのはほんの最近のことだ。
 なにせごたごたと方言ばかりを使いすぎるような田舎に生まれ育ち、時代錯誤かもしれないが、都会、特に「東京」に憧れを抱いてきたのだから、当然といえるかもしれない。
 方言の持つ魅力を感じ始めていた僕にとって、この本は一層その思いを強めさせるものとなった。
 「山地酪農の聖地」を作り上げた酪農家・斉藤さんの話を聞き書きしたものがこの本のメインとなっている。聞き書きであるがゆえに紙の上には自然な方言がのっている。北の柔らかい方言だ。
 区切られていないのびのびした空。首筋の汗を乾かすさわやかな風。きらきらと流れる冷たい小川。瑞々しく薫る牧草。悠々と牧草を食す乳牛たち。そんな山の牧場で岩に腰掛けながら、斉藤さんの話を聞いているような気がする。
 斉藤さんは酪農への思い、自分の過去、生き方の哲学についてリズミカルに、そして穏やかに、北国の方言で語る。一番自分自身に近い言葉で語られる斉藤さんの物語は、読み手の中にきちんと入ってくる。それが方言のよいところだろう。
 もちろん内容も興味深いが、方言と語りの心地よさを思う存分味わうための本だと敢えて言わせてもらおう。

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