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レビューアーランキング
先月(2017年6月)

phiさんのレビュー一覧

投稿者:phi

14 件中 1 件~ 14 件を表示

紙の本聖書 新共同訳

2005/11/21 10:45

現代までの社会を築いて来た,そのルートとして,1度は読んでおきたい

10人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 誰もがその名を知っている『聖書』。しかし,これまで,関心は全く無く,この書物を手にすることは有りませんでした。以下はそんな“極一般的,日本の若者”である私がこの,世界のザ・ベスト・セラに挑んだ感想です:
 通読してみて,判ったのは,「旧約」と「新約」とは全く異なる構造を持つ書物だ,ということです──因みに,量としては,「旧約」は「新約」の約 3 倍です──。『聖書』についての知識を,全く持っていなかった頃には,「新約」は「旧約」の続編なのかな? 程度に考えていたのですが,これは完全に間違いでしたね。
 先ず,「旧約」の方ですが,こちらは,最初に,そのタイトルの通りの「創世記」によって,神による世界の創造が語られ,その後,「出エジプト記」や「レビ記」,……,などで,イスラエル人の歴史が描かれます。「ヨブ記」,「詩編」,「箴言」,……,などの,それぞれの構成・文体もヴァライアティに富んでおり,リーダビリティは高い,と思われます。
 他方,「新約」は,キリストの業を記録した,一連の「福音書」,「使徒言行録」,多数の書簡,そして,最後に「ヨハネの黙示録」──以上で構成されています。
 「福音書」はマタイ・マルコ・ルカ・ヨハネの 4 人各々によるものが収められているが,それらの内容には,大差は有りません。詰りは,視点の相違,ということですね。
 「ヨハネの黙示録」は,非常に,読み応えが有ります。世界の終焉が,そして,神による再生が,ダイナミクに描かれ,正に最後を締め括るに相応しい書である,と感じました。
 読んでいて,多少辛かったのは「新約」の中の「●●の手紙」と題された書簡集でしたね。延々と説教されている──実際にそうなのですが──気分に成るんですよ。
 それから,これはお負けみたいなものですが,あぁ,これがあのシステム名に成った……,とか,こいつが HOBBES が用いた……,これが『マトリックス』の……,FAULKNER のあのタイトルは……,ここが『悪霊』の……,と,「トリビア」の宝庫ですので,それらを発見するのも面白い,と思いますよ。
 後,巻末に,「付録」として,地図,「聖書について」と題されたアブストラクト,用語解説などが有りますので,『聖書』に関するを知識をお持ちでない方は,最初にそちらに目を通されれば,本編を理解する助けに成る,と思います。
 最後に,ユダヤ教徒/キリスト教徒でなくとも,又,それらの宗教に対する関心が無い方でも,読んで,損は無い,と思います。私は,死ぬまでに読むことが出来て,良かった──そう感じました。■

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紙の本ユリシーズ 1

2005/10/21 15:59

正に偉業──100年前に為された,cutandpaste,そして,remix。

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 この作品は 100 年前の文学におけるヒップ・ホップですね。全体を通じて流れる“ビート”に当るのが『オデュッセイア』で,その上に,多種多様な文学・思想・ノイズなどが,サンプリングされ,載せられています。今思い付く所では,大友良英のや David SHEA の作品とのアナロジィを感じますね。又,各章,文体ががらりと変えられている,という点では,18 人の MC たちによるマイク・リレイ,と考えることも出来ます。現在では,サンプリングも当り前の手法ですが,1 世紀も前にそれを,発想し,実行したジョイスは正しくパイオニアです。リアル・ヒップ・ホッパですね。
 後,真剣に本作品に取り組みたい,と考えるのでなければ,必ずしも,前以て『オデュッセイア』を読んでおく必要は無い,と思います。しかし,『ダブリンの市民』と『若い芸術家の肖像』──これら 2 つは必読でしょうね。■

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紙の本ハッカーズ 第3版

2006/03/13 21:26

唯の「プログラマ」にではなく,「ハッカ」に成りたいのなら,先ずは本書を。

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 これは悲しい物語──ノンフィクションですが──です。ハッカという一種族の誕生から,隆盛,そして,衰退までが克明に記されています。
 先ず,「真のハッカーたち 50 年代と 60 年代の MIT」と題された「第 1 部」から,ストーリィは始まります。
(パーソナル・コンピュータが無かった時代に,「真のハッカー」?)
と,疑問を感じたのですが,読み進める内に,成程,と唸らせられました。その時代には,個人がコンピュータを持つことなど,夢の夢であり,コンピュータに触れることが出来る場所,と言えば,大学の計算機センタでした。そこで,ハッカたちは生まれます。初めて見る巨大なコンピュータに興奮し,好奇心の向くまま,あれこれと弄くり回し,最速の処理を求め,最短のコウドを紡ぎ出します。ハッキングにさえ優れていれば,仮令,それが中学生であろうと,彼/彼女を,認め,仲間に入れます。秘密など,全く有りません。正しく「真のハッカーたち」です。
 「第 2 部」では,ハードウェア・ハッカの活躍が描かれます。個人が所有することが出来る,最初のコンピュータと成った Altair の登場を軸に,サン・フランシスコ周辺で生まれたコミュニティの活動が生き生きと描写されています。この集会では,欲しいもの──それが,情報であろうと,ティップであろうと──は無料で手に入ります。そして,各自,帰宅し,自分の Altair で,新たなコウドやティップを試します。もし画期的発見をした場合,発見者は,次の集会でそれを披露し,その方法を知りたい,そのコウドが欲しい,という者には,喜んで──勿論無料で──それらを提供します。著者の LEVY は,この頃を,ハッカたちの「黄金時代」,と呼んでいます。
 一転,Ken WILLIAMS が主役と成る「第 3 部」は,読んでいて,本当に,悲しく,そして,寂しく成るパートです。小さく,コウズィな雰囲気を持ち,ハッカの楽園のようなソフトウェア会社を,WILLIAMS は設立します。しかし,彼の会社が,成功し,大きく成るにつれて,資本主義に飲み込まれ,官僚制を敷き,ハッカ精神は追い遣られて,遂に,ハッカとは手を切りたい──そう,WILLIAMS は考えるように成ります。そして,実際に,ハッカたちを追い出し,「プロフェッショナル」な──作品の芸術性やクリエイティヴィティなど,無関係で,唯,期限までに仕事を終えてくれる──プログラマたちを雇い入れます。Sierra On-Line 社における,ハッカたちの最期です。
 「エピローグ」に,やっと,Richard Matthew STALLMAN が登場しますが,彼の発言はハッカたちが消えてしまったことに対する悲しみに満ちています。特に,「AI ラボ」に向けて書かれた文章では,彼の絶望が胸に迫ってきます。
 最後に,「ハッカー倫理」として,本書中で挙げられている 6 つを紹介します:
 実地体験の要求を拒んではいけない
 情報を制限してはいけない
 ハッカーはハッキングによって判断せよ
 コンピュータは芸術を作り出せる
 コンピュータは人生をよいほうに変えうる
 いかがですか? 上の点に共感できた方なら,この本を愉しむことが出来る,と思います。

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紙の本イリアス 上

2005/09/23 11:16

2700年前のダイナミクスを感じてみませんか?

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 非常に愉しめました。初めは登場人物の,独特の呼称に戸惑いましたが,それに慣れると,巧く物語の流れに乗ることが出来ました。文体は特有のもの──比喩の多用など──で,その好みが分かれる所だ,と思いますが,私は,すっと入り込むことが出来ました。これには,訳の助けが大きかった,と思います。他の訳を読んでいませんので,比較は出来ませんが,松平氏のこれは,口頭詩の雰囲気を,良く出していて,巧い,と感じました。後,訳注の所々に,ヒューモアが見られる点も良かったですね。
 「ホメロス伝」は彼に対して特別な興味を持っている人には面白いかも知れません──と言った程度のものです。本当に,お負け,と言った感じですね。■

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紙の本悪霊 改版 上巻

2005/09/20 09:27

埴谷雄高の『死霊』と併せてお愉しみください

5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 成る程,確かに,これは埴谷雄高の『死霊』のサンプルですね。と言うか,サンプリングのレヴェルではなく,もうカヴァリングです。この作品に『カラマーゾフの兄弟』とカントの『純粋理性批判』とを加えて,それを掻き混ぜると,『死霊』の出来上がり,と,こうなる訳ですね──大雑把に過ぎますか──。
 ドストエーフスキイの諸著書について,良く言われるように,これも,リーダビリティは高いです。読ませますね。しかし……,まぁ,私などが大先生の作品にけちを付けても,袋叩きを通り越して,完全無視されるでしょうが,やはり気になったもので。
 それは全体の構成です。各章の接続が貧弱なんですよね。シークェンシャルに書いたのではなく,各々のピースを,用意しておいて,パズルのように配置しました,という感じ。この不連続感は,この作品が連載物だった,ということに起因しているかも知れません。19 世紀のことですから,現在の,コンピュータでのエディットなどは勿論無かった訳ですし。
 後,登場人物の中では,キリーロフに若干の共感を憶えました。某教授は某誌において「スタヴローギンに強く心を惹かれていた」と書いてらっしゃいましたが,私には,完全無欠である彼は遠過ぎます。
 読了後,『死霊』も,もし完成していたら,この結末だったのかな? と考えました。んんん……,やはり,この他に,書きようは無い気がします。■

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紙の本ファウスト 第1部

2005/09/08 12:57

ゲーテの気迫

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 第 1 部は比較的──飽くまで「比較的」ですが──スムースに進めます。しかし,第 2 部に移ると,ゲーテの,“気迫”と言うか,重さがずっしりと伸し掛って来ます。前以てホメロスの『イリアス』や『オデュッセイア』,ウェルギリウスの『アエネーイス』,又,旧・新約聖書あたりを読んでおけば,更に愉しむことが出来ただろうな,と思います。■

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紙の本若い芸術家の肖像

2005/10/17 09:21

文学による西洋的美の極致

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 素晴しい。素晴しい構造美です。読み終えた後,壮麗な建築物を,或いは,腕の良い DJ による 1 セットを思い浮べました。
 内容は,スティーヴン・ディーダラスという一青年の,幼少期から青年期までの成長を描いた,所謂ビルドゥングス・ロマンの典型なのですが,全体を通しての構成が非常に精巧に計算されています。私は,西洋的美を,強く感じました。
 周知のように,美には,大雑把に言って,西洋的/東洋的が有ります。簡潔に言うと,西洋的美は完全/偶数を,東洋的それは不完全/奇数を追求します。この作品は,その西洋的美を,文学という形で表現した傑作だ,と思います。■

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紙の本ギリシア神話 改版

2005/09/15 11:54

ギリシア神話の基本

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

これ,一読で理解できた人って,どれくらい居るんでしょう? 巻末の「固有名詞索引」を見ても,判りますが,もう,膨大な量の神々が登場します。私は,読み始めて,早々に記憶することを放棄しました。
記述は至ってあっさりしています。x は e をした,y は f をした,z は g をした,……,──このように,出来事──?──が淡々と綴られているだけで,風景・感情描写,会話などは一切有りません。ですから,神々の関係・神話の概要のみを知りたい,という方には適した本だ,と思います。■

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紙の本オデュッセイア 上

2005/10/08 09:36

既に完成されていた,“物語”の原型

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

『イリアス』に比べて,こちらにはスタティクな印象を持ちました。と言っても,オデュッセウスの漂流譚は冒険に満ちていますし,クライマクスでは,きちんと盛り上がります。では,なぜ,私はそのように感じたのか? と言うと,『イリアス』がその全篇を通じて躁状態に近い群衆劇であるのに対して,『オデュッセイア』は,オデュッセウス父子の 2 人を中心とし,はっきりとした起伏を持つ──この相違点がその原因ではないか? と思います。2 大叙事詩の内,『イリアス』ではなく,『オデュッセイア』の方がなぜ度々現代を舞台にカヴァされるのか,その理由が判りました。■

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紙の本数学

2005/09/08 13:07

数学の,本当の面白さを知りたい方に

4人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 これは昨今巷に溢れている,数学が苦手な人を対象とした,ほら,数学はこんなに愉しいよ/簡単だよ,という入門書ではありません。淡々と,数学とはこういう思想,又はルールですよ,と語られています。ですから,身近な例は殆ど出て来ませんし,一方,一部の読者を取り込めるであろう不完全性定理・カオス理論なども全く扱われていません──フラクタルには,少し触れています──。
 しかし,私は非常に愉しむことが出来ました。特に,「はじめに」と第 2 章「数と抽象」,そして,第 5 章「次元」が気に入りましたね。「はじめに」・「数と抽象」では,私自身の思想──と書くと,大袈裟ですが──を代弁してくれていますし,「次元」では,4 次元以上の高次元に対する,私自身のアプロウチが間違っていなかったことを確認できました──これは嬉しかったですね──。
 唯,上野健爾氏による解説は冗長な気がしました。数学史を振り返るにしても,もう少しコンパクトにした方が良かった,と感じます。
 後,読んでいて感じたのは,数学者が書く文章は──本書の場合,訳者というフィルタを通してはいますが──やはり私には合っている,ということです。無駄が無く,冬の大気のようにきりっとしていて,清々しい。日本の数学者では遠山啓氏の文章にそのようなものを感じますね。
 最後に,本書との,直接の関係は無いのですが,日本語での数学用語には,やはり,拙いものが多いですよね。“rational number”/“irrational number”を“有理数”/“無理数”と訳したのはミステイクだった,と思いますし,私としては,“function”を“函数/関数”──これは音訳ですね──としたのも失敗だった,と思っています。■

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紙の本ヨーロッパ思想入門

2005/12/16 10:42

ヨーロッパ思想の今日までを,全速力で駆け抜ける

6人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 評判が良い書籍だったので,期待したのですが,んんん……。
 内容ですが,先ず,第 1 部は「ギリシアの思想」と題され,ここで,ギリシア人の気質から始まり,文学として,ホメロスの叙事詩・ギリシア悲劇が,思想として,ソクラテス,プラトン,アリストテレスら哲学者が,足早に語られます。
 第 2 部は「ヘブライの信仰」。「A 旧約聖書」と「B 新約聖書」とに分けられ,それぞれの信仰のコアのみを観ます。
 そして,以上の 2 つのパートを踏まえて,第 3 部「ヨーロッパ哲学のあゆみ」へと入る訳ですが……,このパートが凄い,何せ,アウグスティヌスからレヴィナスまでを,僅か 100 ペイジ足らずで語ろう,というのですから。この量でヨーロッパの近・現代思想を語り尽すことが出来る筈は当然有りません。取り上げられているのは,上記 2 人の他に,アクィナス,オッカム,ルター,デカルト,カント,ロック,ロールズ,キルケゴール,ニーチェ,ハイデガーなどです。これらの人々の思想に,駆足……などでは決してなく,全力疾走で触れて行くのです。上の「凄い」の意味がお判りになるでしょう? 岩田氏には失礼ですが,もう,「無謀」と言わざるを得ません。
 しかし,著者の言いたいことは伝わりました。詰り,ヨーロッパ思想を知るには,先ずギリシアと『聖書』から始めろ,そして,以後の思想を観る時にも,それらを,常に念頭に置いておけ──これが,バック・カヴァにも記されている通り,本書の要点ですね。
 これは,そのタイトル:『ヨーロッパ思想入門』の為ではなく,“ヨーロッパ思想入門に入門する”のに適した本でしょう。■

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持っておくと,役に立つかも?

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 これは,次々と出される数式を,唯只管英語で読んで行く,ということのみにフォウカスした本です。最後の第 III 部を除いて,数式に関する説明・解説は一切有りません。第 II 部では,「実地訓練」と称して,国立大学の入試で出題された数式が列挙されますが,そこでも,それら数式の下に,英語での読み方が書かれているだけです。
 ──こう書いて来ると,魅力の無い本のようですが,私は気に入りました。数学は,やはり,英語のストラクチャで考えた方が理解し易い,と思いますから,その準備・訓練に成りますし,又,私のような,趣味で数学を齧っている──私の場合,本当に「齧っている」だけですが──人などは,一読しておいて,損は無い,と思います。■

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新しい数学

2005/09/29 11:10

“newmath”とは何だったのか?

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

この本は,そのタイトル通り,所謂“new math”──疾っくに死語ですよね──のコンセプトを,矢野氏が,一般向けに,平易に語ったものです。序章において,氏は“new math”について好意的文章を寄せているのですが,当時の教育界はどうだったのでしょう? 私が以前に読んだ,別の書物では,いずれの著者も“new math”に対して非常に否定的でした。賛否両論有った,ということですかね?
しかし,矢野氏の文章は,いつもそうですが,本当に慇懃ですね,少なくとも一般書においては。敬語の勉強になりそうです。
読んでいて,特に目新しい内容は無かったのですが,1 点,集合論から,ブール代数に,するっと流れる箇所では,あぁ,なるほど,と感じました。■

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紙の本世にも美しい数学入門

2005/10/28 16:45

これが数学かぁ,などと思い込んではいけない。眉に唾を塗って読もう

7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 私にとって新しい情報は有りませんでした。気になった点が 3 つ:
 先ず,藤原氏は,例えば,p. 39 で:
「美しいものが存在しないと絶対に数学の天才は出ないんです。」
と発言されています。数学者が,“絶対”という単語を,このように安易に使っていることに,非常に違和感を持ちました。まぁ,私が過敏なのかも知れません。しかし,私は,数学者ではありませんが,日常会話で“絶対”という言葉は使いません。その理由は自明です。
 次に,本書の後半で不完全性定理に触れているのですが,あの説明では,誤解を招く可能性が有る,と思います。「ちくまプリマー新書」の名称通り,ターゲットは中学生以上でしょうから,この本で,初めて不完全性定理というものの存在を知る,という人もいらっしゃるでしょう。そういう方々に誤った認識を齎し兼ねません。
 最後に,p. 32 での,小川氏の発言に:
「その,「三角形の内角の和が 180 度である」という一行が持っている永遠の真理は何者にも侵されない。」
というものが有り,議論はそのまま進んで行きます。やはりターゲットを考慮してのことなのですが,ここは,三角形の内角の和が 180 °にはならない幾何学も有るんだよ,と一言しておいても,良かったのではないでしょうか? 対談を,そのまま活字にしたのでしょうから,それは無理だったかも知れませんが。
 本当に最初に手に取る数学入門書としては良いかな? とは思います。■

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