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先月(2017年8月)

雨のち晴れが好きさんのレビュー一覧

投稿者:雨のち晴れが好き

2 件中 1 件~ 2 件を表示

紙の本シーラスと黒い馬

2004/08/12 13:14

あァ、この本を知らない人は可哀想

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「あァ、この本を知らない人は可哀想」という一品です。
 この本の素晴らしさ、奥の深さは1、2巻では分かりません。3巻辺りからゆったりとした大河の流れに気がつき、その全容が分かるにつれて、セシル・ボトカーのすごさ、いつしか忘れられない作者になります。日本では1981年に1、2巻が出ていますが、ほとんどブームになりませんでした。
 評論社という出版社は『指輪物語』『大地の子エイラ』もそうですが、すごい本を引き当てますね。いずれ売れるだろうというノホホンとした社風、いまだにシリーズを作り続ける粘り強さがなければ、『シーラスシリーズ』は無かったでしょう。相変わらず書名すら一般には知られていませんが、宣伝下手のところも好きです。
 産業革命より前をイメージするといいのかな。どこの世界にもあった貧しい社会です。13歳のシーラスは命がけの賭けで黒馬を手に入れます。馬は財産の象徴、欲望丸出しの大人があの手この手でシーラスから馬を騙し取ろうとします。悪い大人がいっぱい出てきます。セシル・ボドガーは大人の社会を描きたかったんですね。時代はいつでもよかったのでしょう。シーラスと対峙させることで、今までの児童文学にはない世界が広がります。はじめは冒険物語と思っていたんだけど、これ違いますよ。思春期に読んでもらうと力が湧いてくるいい本です。
 両目のない少女、足の悪い親友、両性具有と次々と登場します。日本では嫌われる題材がふんだんに使われたって感じ。読んでからのお楽しみですが、これがどんでん返しの展開をして、読み手の人生観を変えてしまいます。そう言えば、この本には人殺しがないですね。「簡単に人を殺さないでくれ」というメッセージでしょうか、ゲーム感覚になってしまった現代っ子には読んで欲しいですね。
 1巻はシリーズを通して重要な親友や兄とも親とも思える人との出会い。見逃せないスタートです。

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紙の本崖の国物語 1 深森をこえて

2004/07/25 09:42

奇怪な生き物の恐怖

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 怖いとか恐ろしいとかは身を守る本能からくるのでしょう。水木しげるの妖怪がブルッとくるとしたら、この本はブルッブルッと2回は保証できます。暗くじめーとまとわりつく怖さは似ているのにブルブル感が違う。…『鼻行類』だ! 生態学者の日高敏隆さんが訳した15年位前の本で、えェー、新種の生物が発見されたんだと勘違いしたやつ。学術的な系統図あり、餌の獲り方、子育てまで生活臭がたっぷり出て、妙に実態がある本だった。それと同じ、実態のある奇怪な生物が出てくるのがこの本だね。妖怪は怨念とか精神的な恐怖感を生み出すが、この本に出てくるのは生き物の恐怖感なんだ。ミミズが怖いという人も相手が生物だから。もし、指に食いつかれたら、自分が食べられたら?という、食うか食われるかの現実の怖さ。生きるために餌を獲る。とことん追いかけて攻撃をしかけて食べちゃう。『トトロ』に出てくるマックロクロスケに似たやつが大量に出てきて、寄ってたかってオオハグレグマという大物を襲うところは緊迫感バッチリ、圧巻です。
 崖の国という狭そうな世界に、よくもこんなに生物がいるなと驚く。この生き物たちのイメージを数ページに1点のイラストが補ってくれる。作家とイラストレーターの合作で物語りが展開されているおかげで生き物はリアルな存在になっている。しかし、これが総てアニメで表現されていたら、生き物は妖怪止まりだっただろうね。作品と読者が生み出す怖さ。コラボレーションっていうのかな。
 魔法がない世界だから、どうしても論理的になる。それが呪縛になって逃げ出すわけにもいかない絶対絶命の世界が生み出される。君なら、この場をどう切り抜ける!というわけだ。論理的といえば、崖の国という設定といい、島や船が浮くための浮遊石があるのに対して、それを沈める嵐晶石。そんな辻褄を合わせてくれるところがこの本の楽しさ。
 長編で、しかも二冊分が一冊になったほどの分厚さだから、子供には無理といいたいが、イラストがイメージを補っているし、ゲーム感覚でスピード感も十分。運動好きの活発な男の子たちにも、のめり込む子が出てくるだろう。
 ところで、すっかり忘れてしまった主人公トウィッグ。ウッドトロル族に拾われ、育ての親には可愛がられて12歳になったが、仲間には出来損ないと言われ、苦々しいさえない毎日。深森の奥に住むいとこの家に行くのに、道を外れたのが運の尽、やたら強くたくましい生き物が周りを取り囲む。行くも戻るも命はない。味方も出てくるが、大体途中でいなくなる。孤独の恐怖もバッチリだ。めまぐるしい12歳の月日が過ぎ、1巻目の最後には、生みの親との再会まで果たしてしまう。このテンポで行くと、この後、とんでもないことが起こりそうな予感がしないか?

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