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先月(2017年8月)

八重桜さんのレビュー一覧

投稿者:八重桜

2 件中 1 件~ 2 件を表示

犯人に告ぐ 1

2004/07/29 22:58

人気ミステリー作家絶賛のわけ

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 横山秀夫、福井晴敏、伊坂幸太郎。言わずと知れた実力派ミステリー作家がこぞって絶賛。そんな帯がかかっているのを書店で見て、思わず手が伸びた。「劇場型犯罪」というのは近年マスコミでもちょくちょく話題にのぼるが、この『犯人に告ぐ』は、捜査に行き詰まった警察が「劇場型捜査」を行うという斬新な設定で、そこにも魅力を感じた。
 斬新な設定だけでなく、人間の内面がリアルに描かれていて読み応えがある。被害者よりも家族の方が大切、と公共の面前で言い放つ巻島は、極めて人間くさい。まるで主人公たちを目の前にしているかのような臨場感を感じるのは、彼らの弱さや卑怯さ、傲慢さがリアルに描かれているからだ。彼らの行動にいちいち共感したり反感を持ったりしてしまったが、考えてみれば、最近こんなに感情移入できたミステリーはなかったな、と思う。一読の価値はある。

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紙の本呼人

2004/08/12 19:20

なぜ母は彼に永遠の命を与えたのか?

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

普通に成長していくものと信じて疑わず、輝ける未来を夢見ていた12歳の少年。しかし、あるとき突然、自分の成長が止まってしまったと知る。
実の母は行方不明になり、母の妹と、その結婚相手によって素直に育った呼人。育ての親から、母が妊娠中に交際していた科学者からある薬物を注射されたという情報をつかんだ彼は、母親を捜し始める。

呼人は強い。12歳のままの姿でいつづける彼は、友人たちに昔の純真だったころを思い起こさせ、勇気を与えるが、彼だって悩んでいる。
「なぜ母は僕に永遠の命を与えたのか?」
誰もが皆、自分を追い越し、衰えていく。それを感じつつも、呼人は子供の感性を持った大人で居続ける。
大人の汚い世界、大人の事情に翻弄されながらも、しっかりと「自分」を持ち続ける呼人に勇気づけられた。

物語のバックグラウンドは、全共闘など、学生運動が盛んだった時代をモデルにしており、かなりリアリティがある描写になっているが、そこにオリジナルの要素を加えた野沢尚氏の才能は見事としか言いようがない。呼人と野沢氏に拍手を送りたい。

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