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六等星さんのレビュー一覧

投稿者:六等星

82 件中 1 件~ 15 件を表示

謙虚に物事の本質を理解するところからスタート

21人中、21人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

元NHK記者で、大人にも人気のある「週刊子供ニュース」で11年間お父さん役をつとめた著者が、コミュニケーション力のつけ方を指南する。

単に話し言葉でのコミュニケーションに限らず、相手をひきつける方法やビジネス文書の書き方、上質なインプットを得ることなど、「伝える力」アップのためのヒントを総合的に与えてくれる、実用書だ。

特に、冒頭で「日銀とは何か」をわかりやすく説明することの難しさを例に出すなど、まずは、物事をきちんと理解することの重要性を、説いているところが良い。「『自分がいかに物事を知らないか』を知ることからスタートする」ことを、「お父さん」は訴えているのだ。伝える側が謙虚な姿勢でないと、コミュニケーション能力を向上させ続けることはできない、ということだろう。

自分の考えを如何に伝えるか。これはリーダーなら誰しも、常々意識していなければいけないことだ。本書を読み進めながら、自分はあれは出来ているが、これは出来ていない、など、今一度自身の「伝える力」を謙虚に見直してみよう。

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真のコーチの生涯

14人中、14人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

自らはプロ選手として華やかな実績は残していないにもかかわらず、プロ野球7球団で30年間に渡って、イチローなど多くの選手を育ててきた、伝説の打撃コーチ・高畠導宏の生涯を描いた感動作。プロ野球の打撃コーチといっても、1年契約の専門職だ。チームの勝敗の全責任をとる監督と主役である選手の間に置かれ、バッティングという一部門をあずかる中間管理職ともいえる。そんな仕事を30年間続け、人を育てることに文字通り、命を懸けた職人の一生には、どんな理論よりも説得力がある。
前半はプレーヤー高畠の話が多いので、野球に疎い人には少し読み進めにくいかもしれないが、そこを過ぎれば、後半はコーチ高畠、そして高校教師・高畠のエピソードが満載だ。とくに第11章からが良い。あれこれ欠点を直そうとせず、「1試合に4打席つまり12球あるストライクの、たった1球を確実に打てる技術を磨けばいい」と言って選手をスランプから脱出させる指導力。さらに甲子園をめざして高校教師に転じ、最期のときまで生徒に慕われた人間性。
真に人を育てられるコーチングができるリーダーになるためには、本書から多くを学び取るべきなのである。

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紙の本人は仕事で磨かれる

2005/07/03 22:12

DNAのランプ

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

自分は仕事に育てられた。だから、人を育てたい、人にも仕事を通じて自己を磨いてもらいたい、という思いのこもった本なのである。読み進めていくうちに、自然と引き込まれていった。
「人間の能力はほとんど差がない」「ある日、必ずDNAのランプがつくと確信して努力する。」「DNAのランプが付くまで諦めるな」というメッセージは、サラリーマンへの叱咤激励ではあるが、同時に経営者への人材育成に関する、重要な主張であろう。個人の努力だけをひたすら鼓舞する経営者に対して、「人は育つ」という基本的発想を持つことを訴えているように思える。
業績が低迷しているときは自ら無給にし、社用車ではなく電車通勤をし、社長六年任期を明言する。ご自身の信念が明確でシンブルだから、組織にとって何が本当に重要なことかが、見えておられるのであろう。それが、「日本が長期にわたって奪われないものとして『人と技術』を持たなければならない」、という最終章でのアピールにつながっているのである。

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労働は商品ではない

5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

本書は、非正規雇用の賃金格差に代表される雇用問題を「労働ダンピング」と呼んで、非常に幅広い視点から問題に斬り込んでいる。重く堅い内容だが、ダンピングの実態、実例を数多く紹介しているので、身の回りの労働事情や職場事情に当てはめながら読めば、専門知識を持たなくても、労働市場で何が起きどこへ向かおうとしているのかの大枠を捉えることは、十分可能だろう。

制度面や雇用慣行などマクロな話が主体で、現場で出来る具体策が数多く示されているわけではないが、多様性の時代の働き方と、その金銭的価値すなわち賃金の関係を、構造的に考えてみることを教えてくれる。そして最終章で解決の方向性を示している。そのひとつ、そしておそらくもっとも本質的な主張は、労働は商品ではない、という点だろう。

雇用形態の原則は無期限・直接雇用という立場にまずは立ち戻った上で、法制度や雇用慣行、さらには経営戦略まで見直す覚悟が、社会全体に必要だろう。そのロードマップが描かれなくてはならない。

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少数精鋭の組織論

2007/05/01 10:47

本物の味わいです。ボナプティ!

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 「少数精鋭の組織論」というタイトルだが、「使える人材だけ集めて、勝てるチームを作れ」などという近視眼的メッセージでは、決してない。規模や世間体、流行に惑わされず、本質を追求しなさいという、玄人好みのプロフェッショナルサービス組織論なのだ。
 料理の真理を求めてフランスに渡った著者だが、わかったことは、他人の真理は自分の真理ではなく、真理は自分で決めることだったという。「現役料理人には、時代のニーズに溶けこんで自分を変形させてゆく順応性が不可欠」と言って、常に向上心を忘れていないのだ。さらに、「本質を順守しているかどうか。優先順位は何か。それに即して力を注いでいるのか。そちらの評価軸の方が、外見よりもよほど本質を雄弁に語ってくれる」といって、マスコミに持ち上げられる有名店になることから一線を画している姿勢も、プロフェッショナリズムを感じさせる。
 結局のところ本書のテーマは、「自分も含めての組織論」といえるだろう。リーダーとフォロワーという構造を意識せず、自分も部下から学び成長することで組織が強くなることを重視しているのだ。「支えがあるから料理長でいられる」「先輩は教える行為からさえ学んでいる(中略)後輩の存在も尊重すれば学べる余白はまだある」等、数多くの、しかも、押し付けがましくない名言が、随所にちりばめられている。
 料理についての話がふんだんに出てくるので、グルメの人には「美味しく読む」楽しみも加わるだろうが、そうでなくても組織運営に少しでも関わったことのある人なら、本物の味わいをご賞味いただけるだろう。ボナプティ!

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20代会社員の疑問は、いまさら聞けない永遠のテーマ

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

博報堂での人材開発の経験から、多くの20代会社員の言葉を聞いてきた著者。自身もまだ若いので視点が共有できるのだろう。説教っぽくなく、聞き、語りかけながら、当人たちに考えさせようという姿勢が貫かれている。
「嫌な仕事はキャリアにならないか」「困った上司にはどこまで我慢すべきか」「やりたい仕事を探し続けるべきか」など、本書に挙げられた多くの疑問には、正解はない。にもかかわらず、20代会社員は問いかける。そして20代会社員が入社し続けるかぎり、これらの疑問は問われ続けるのだ。ということは、リーダーはこれらの疑問に常にさらされるわけだ。
答えを常に持っておくことは必要ないし、安易な答えは彼らには通用しないだろう。では先輩会社員はどうすればよいか。それは一緒に考えること、そして20代社員に自分なりの答えを見つけさせることだろう。そのプロセスを省略し、うるさがって彼らの疑問をいい加減に扱うと、「うぜぇ」と言われて話をしてもらえなくなる。そうして世代間コミュニケーションは崩壊するのだ。
本書からは、30代、40代のリーダーは20代の若手の考えを知り、対処するヒントを得られるだろう。また、20代の読者にとっては、同世代の会社員の考え方に今の自分を照らし合わせて、将来自分がリーダーになったときに、後輩の疑問に答える基礎作りに本書は役立つだろう。20代会社員が抱く疑問は、実は多くのリーダー自身が持っている、だけどいまさら聞けない、永遠のテーマなのだ

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ハーバードからの贈り物

2005/07/23 11:23

「まずい食事と真実」を得るために必読

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ハーバード・ビジネススクールの教授陣の「最後の授業」の講義録などを基にした、エッセイ集。世界最高峰のビジネススクールで教鞭をとる指導者の言葉は、どれをとっても重みがあり、隙が無い。
その中でも「剥製の鳥」は特に良い。教授自身がハーバード大学で動物学の期末試験を受けたとき、麻袋で覆われてわずかに羽の下の部分と細い足が見えているだけの剥製を観察して、レポートを書かなければいけないという課題を出された状況を例に、ごくわずかの信頼できる情報を基に、リーダーは結論を出さなければならないことがある、と教えている。また、「同窓会」も良い。ハーバードの同窓会にはでるな、人と比較する自分を発見するだけだ、リスクを負い、(卒業後の)自分の選択にともなう多様な結果を受け入れること、つまり「成功の許容範囲」を広く持て、と学生に語りかける。
「まずい食事と真実」にいたっては、CEOになった自分に友人が言ったこの一言を紹介するだけで、よいだろう。「スティーブ、CEOになったらもう二度と手に入れられないものが二つあるよ——まずい食事と真実だ。」未来のリーダーを育てる言葉としては、最高だ。名言といえる。
どのエッセイも、臨場感を感じることができる。ハーバードに行っていなくても、こうした本から学べるということは、行っていたらその数千倍も学べたかもしれない、と思うと悔しくもあるが、原書のタイトルにもなった「Remember who you are (自分を見失わないで)」にあるように、「自分の人生を律する価値感や心情をしっかり見きわめ、それに忠実であれ」ば、それで良いのである。

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紙の本SO B.IT

2007/05/01 10:56

真実を知ろうとすればするほど、現実を受け入れなければならない

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「自分の出生の秘密を知らない」という現実に気がついてしまった主人公の少女は、非常に大事なことを知らない自分に、自己確認の危機を感じる。そして、知ろうとする感情、知りたいという欲求から、行動を起こす。
少女にとっては純粋な気持ちからでたその行動は、しかしその結果において、傷つく人々をも出してしまうことになる。そして最後には、傷ついた人も、意図せずに傷つけてしまった少女本人も、ともに「全てを受け入れる」ことを学ぶ。
人は真実を知ろうとすればするほど、現実を受け入れる局面に足を踏み入れる。その、現実を乗り越える過程でのみ、人は成長するのである。

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クラシックな指摘。ベテランマネージャも一読を

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

リーダーを羊飼いにたとえた物語。平易な内容で、センスの良い挿絵もあり、読みやすい。
羊飼いと羊の関係というシンプルな情景は、リーダーシップのとり方をイメージしやすくしている。たとえば、荒れた牧草地にやせ細った羊が半ば放置されているというシーンなどは、快適な職場環境を作ることがリーダーの仕事のひとつであることを、誰にでも理解させてくれる。人を活かすポイント「SHAPE」は読んでのお楽しみとしておこう。(どうせなら「SHEEP」としておけば、もっと面白かったかも。)
このような「7つの知恵」を羊飼いはリーダーシップを学ぶ読者に与えている。「5つの○○」とか「7つの△△」の類の本は多いが、本書は押し付けがましくなく、好印象を与えている。
基本的にはニューマネージャ向きだが、「一人ひとりに目を向ける」「それぞれの個性を引き出す」「自分の哲学を伝える」など、「そんなこと分かっている」といえるリーダーがどれだけいるだろうか。クラシックな指摘にどこまで耐えられるか、ベテランマネージャにも、一読をお勧めする。

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紙の本モチベーション入門

2006/01/14 13:31

リーダーの知識整理に最適

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

部下のモチベーション維持向上というテーマは、大小を問わず企業の管理職の共通の悩みであろう。日本のリーダーの多くは、組織の中で長年築き上げられてきたしきたりや慣わしに、自分なりの微調整を加えて、「オレ流」采配を繰り返してきたのではないであろうか。
リーダーシップというのはある意味正解はないので、自己流はあって当然で、むしろ教科書に書いてあることをいかに応用するか、が大事なのであるが、10年、20年と管理職をやっていると、基本的な考え方を忘れてしまうことにもなりかねない。
そんな諸兄には本書がお薦めである。「人はなぜ働くのか」という基本的な問いかけから始まって、モチベーションの理論を平易に図解入りで解説してくれる。成功本ではないので、余計な自慢話や説教は入っておらず、新書版なので携帯でき、値段も手ごろである。
オレ流に行き詰っているベテランリーダーにも、これから部下を持つ新人マネージャにも、理論武装にはもってこいの一冊である。

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書くように生きる

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ブログの流行で、(自分も含めて)にわかジャーナリストが激増しているが、書く以上は質の高いものを書きたいと、だれもが思うことであろう。しかし熱い思いをキーボードにぶつけると、ついつい文章は長くなってしまうものだ。そんなブロガー達にも絶対に参考になるのが、本書である。短い文章でメッセージを表現することがいかに大事なことか、をわかりやすく解説してくれる。
短く端的に書くことを意識すると、次に、(あるいはそれ以前のチャレンジかもしれないが)何を書くのかが問題になる。これについて著者は、書きたいことを見つけるには「書くように生きなければならない」と言う。要するにぼんやり生きていてはダメだよ、ということである。ベテランのコラムニストからの貴重なアドバイスだ。「自分のこころのなかで、いつも『自問自答』を繰り返していること」を、轡田さんは奨励している。
言いたいことを一言でずばり表現できる、そんな切れ味のいいブロガーを目指したいものである。

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上司も常に成長を

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

経営の神様・松下幸之助の側近として、実に22年間、経営哲学を学んだ著者のリーダー論。大経営者のサクセス・ストーリーのような華々しいインパクト(それが良いかどうかも疑問だが)は無いが、理想の上司に教えられた立場の人が書くリーダー論であるだけに、部下の気持ちを非常に的確に捉えている。

1989年に没した松下幸之助は、今日のインターネット社会は直接体験されなかったわけだが、その精神は21世紀の今も引き継がれており、本書もその役割を担っている。そして、最近の日本人の、特に若い人の価値観の変化をとらえた上で、幸之助翁の考えを微調整している。つまり、本書は単なる幸之助語録に終わることなく、新たな提言をしているのである。

「人間的成長あってこそ理想の上司」である、と本書は結んでいる。組織に所属し、多くの時間と労力、知力をその組織に貢献するために費やす以上、そこで成長しなければ、意味はない。上司が先頭を切って成長することで、人も組織も、育つのである。

過去に単行本、そして文庫本で出されてきたものを、あらたに「新装版」として、再出版した形になっている。単行本ほど重くなく、文庫本ほど質素ではないうえ、ビニールカバーに栞つきなので、長期間繰り返し読むのには、ちょうど良い体裁と価格設定である。常時携帯して読み返すことのできるリーダー指南書として、身近に置いておきたい。

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紙の本人生の目的が見つかる魔法の杖

2004/09/26 14:20

「魔法の杖」を探す手助けをすることは、リーダーの役目

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

今まであまり、この手の「自分を変える」系の本は読んでこなかったが、やはり、いろいろと思うところがある昨今、教えられることは多かった。理屈脳の論理から自分を開放し、目標ではなく目的を持ち、師を見つけて、感謝の心を大切に、などなど。いろいろヒントをいただいた。競争の激しい環境では、ややもすると社会的成功の方を追及してしまいがちだが、人間的成功とのバランスが大事であることも、改めて認識できた。

ただ、「一生に一度は、がむしゃらにがんばる時期が必要である」など、「がむしゃら」という言葉が比較的多く使用されていることには、やや、引っかかりが残った。「人生の目的があるから、がむしゃらになれるのではなく、がむしゃらになったから人生の目的や生き甲斐が見えてくる」などと言われると、何かに迷っている部分がある自分は、「がむしゃらさがまだ足りないのか。いや、人並み以上に十分やったのだから、思う方向に踏み出せばいいのか」などど、かえって考えてしまう。「がむしゃら」ってなにさ、などと言葉の捉え方にこだわっているようだと、理屈脳の論理からまだ開放されていない、ということなのかも知れない。

自分のことはさておいて、スポーツ選手のメンタルマネージメントでも実績の高い著者の本であるので、多くの人にお勧めしたい。しかしリーダー諸兄に対しては、部下に薦めることで、メンバーの自己啓発が進むような、魔法の本だと誤解しないよう、注意を喚起しておきたい。部下やメンバーが「人生の目的」をみつけられる環境や企業文化を整備すること、そして、「魔法の杖」を探す手助けをすることは、やはりリーダーの役目である。そういう指摘をリーダーにしている本であると思って読んで欲しい。確かに今のこの時代、人間は変わっていかなければならないし、変われるかどうかは本人次第ではある。その労力については、著者の言うとおり一度どん底に落ちたほうが、振り子の原理で目的を見つけやすいのかもしれないので、人生論的には苦労が大きいほうが良いのかもしれないが、組織論としては、その苦労は小さいほうが正解だからだ。

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華やかさは無くても、地に足の着いた良書

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

人間は限定合理的であり、その限定合理的な人間の集団であるいかなる組織も、限定合理的である。そして条件さえそろえば、組織は合理的に非効率な手段を選び、やがて破綻していく。題材は大東亜戦争で敗退した日本軍であるが、今日のどんな組織にも当てはまる、鋭い指摘である。

本書では、人間と組織の限定合理性を認め、常に批判を受け入れる「開かれた組織」を構築することを、その解決策として主張している。セオリーとしての組織論は理解できても、実際の組織が不条理に陥らない方法を見出すことのできる組織経営者は少数派であろう。多くの経営者が、このメカニズムを研究し、具現化することを切に望む。華やかさは無いが、地に足の着いた良書である。

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自分への問いかけを怠れば、リーダーシップは理解できない

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

リーダーシップ研究と実践の第一人者二人が、リーダーシップをコンピタンシーではなく、「見えないもの」を探し求めるプロセスととらえ、リーダーはなろうとしてなるのではなく、「結果として」なるのだと、説いている。理論書というよりはエッセイ的な、対談形式だが、それがゆえに、自然な発想と切り口で、リーダーシップ論を深堀りしている。

だがあえて注文したい。両氏ともマネージャーとリーダーを区別することに力が入っているが、この区別を実際のシーンに適用することに、現実的な効用はあまりないだろう。ある人物がマネージャーなのかリーダーなのかを区別しても、その人は一人なのだから、結局両方の要素を持っているとしか言いようがない。リーダー率何パーセント、マネージャー率何パーセントなどと測定できるわけないし、たとえある時点での傾向が説明できても、彼(彼女)が次にとるべき行動を決めてくれるわけでもない。マネージャー、リーダーと表現するから区別をしたくなってしまうのであって、単純に例えばボスと表現してリーダーとマネージャーの両方の性質をもつ人物として捉えることに、実用的な不都合はないはずだ。

とはいえ、本書全体としては最高ランクの評価をつけたい。エピローグで野田氏は「いつ旅が続けられなくなっても、自分に納得できるよう一歩を歩みつづける。旅の結果よりも、そのこと自体が一番重要ではないか」という。そもそもリーダーシップの旅はどこへ行くのか、行き先がわからない旅もある。だからこそ「旅人としての自分の今を問い続ける」ことが大事なのだ。自分への問いかけを怠れば、リーダーシップは決して理解できない。その主張に素直に賛同したい。

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