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レビューアーランキング
先月(2017年6月)

きらきら星さんのレビュー一覧

投稿者:きらきら星

11 件中 1 件~ 11 件を表示

神秘的で美しい最深宇宙像

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ぼんやりとした映像しかとれない地上の望遠鏡とは一線を画するハッブル宇宙望遠鏡。本書の100枚以上の写真はSFのようだが間違いなく現実だ。最深宇宙像は鮮明で新鮮。宇宙誕生の謎に迫っている。最深宇宙像の中で最遠の銀河の候補、宇宙誕生から6億年の銀河の写真は宝石箱をひっくり返したように美しい。宝石ブランドブルガリのカタログなんて比じゃないだろう。7000光年かなたのへび座のワシ星雲、にょきっと突き出すきのこのような姿は一度見たら忘れることができないほど神秘的。ここで星が誕生する。800光年かなたの惑星状星雲のアクーグラス星雲も非常に不思議な形状だ。重なる二つの赤いリングの真ん中に水晶のような水色の瞳が輝く。これは星の死直前の姿。
 光の放出が桁外れで今まで捉えることができなかった様々なクエーサーの写真もとてもきれいで見る価値がある。
 分厚い図鑑だと開けるのがおっくうになるが、岩波新書の片手サイズで手軽にぱらぱら宇宙の映像を楽しめるのが魅力。宇宙の誕生、星の誕生から死、ブラックホールなど理論や理屈を長々と読むのは難しく感じる人でも十分楽しめる貴重な写真集だ。

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たかがバロウズ本。

2004/09/21 00:32

独創的視点からバロウズの魅力を紹介

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

米文学批評としてはかなり個性的な本。後ろの章ではバロウズ訳者としての評価については読者に任せる、とところどころ白紙にしているので通常の研究書に馴染んでる読者は著者がふざけてるのかと一瞬むかつくかもしれない。けれど総じて説得力もあると思う。参考文献を180挙げてオーソドックスなアプローチをかっちりと抑えた上で独自の視点からしっかりと論理展開、非常に読みやすく全体をまとめているからだ。バロウズの自伝的生涯や著書の紹介(バロウズとアレンキンズバーグやケロアックなどとの写真はきれいで文学史上価値があるもの)、有名な批評家の論文、社会経済的背景の検討、音楽やコンピュータ分野などの周辺領域への影響まで丁寧に検討。「気持ち悪くてわけわからん」という一般読者の印象やバロウズの失敗も認めた上でバロウズが作品と人生において追求し続けた「自由」について具体的にテクストに触れて分析。こんなにバロウズってかっこよかったの?と再考させられてしまった。面白いフレーズの出現率の低さの表や作品の経済効率の数式による検討は独創的だし、カットアップを用いた難解なバロウズの文章を普通の文章への書き直しも驚かされた。本書を読むまで個人的にはバロウズの文はだらだらしててバロウズ自身はマイナーで興味なし、と思っていた。しかし波瀾万丈な面白い人生を歩んだなかなかにくめない魅力のある人物だし、作品に独特のかっこよさが流れていることも本書を通じてわかった。個人的にはあまりつぶやかずクールな山形浩生を守ってほしかった感じもするが山形さんの個人的なつぶやき、ぼやき?もちらばっていて笑えた。読み物としても楽しめるし、英米文学関係者は一読の価値ありだと思う。

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贅沢なパリガイド

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 今村楯夫さんはヘミングウェイ研究第一任者の一人。本書でヘミングウェイのデビュー作「日はまた昇る」と晩年の作品「移動祝祭日」に描写されたパリの町を写真つき紹介。その魅力をあますことなく伝えている。
 どの写真もきれいだが、パリの3大カフェ、ブラッスリー・リップ、カフェ・フロール、カフェ・ドゥ・マゴは特におしゃれ。作家が原稿料が入ったら一番にむかったり、そこで執筆したり、ジョイスと過ごしたりした場所だ。
 初めて知るほほえましいエピソードも多いだろう。大作家ヘミングウェイはホテルリッツのイメージがある。でも彼がパリに来て初めて泊まったのは当時は安くて清潔で長期滞在向きのホテルアングルテール(今は高級ホテルになった)。本を仕入れ先はトゥールダルジャンの裕福な客が残す格安本が売られた古本屋。高級店カフェ・ド・ラペでは食後にお金が足りず妻を店に残してホテルにお金を取りに行った、なんて話も。
 今村氏の「ヘミングウェイを追って」でも本書と同じく写真、ストーリーの概要、印象的シーンの引用、歴史文化的背景の説明が挿入されている。でも単なる資料集に終わってしまったような印象があった。一方本書で同氏は名のない町の一角についてでさえ詩人か小説家のような筆力を発揮。なぜだろう。その理由は前作が短編を扱っているので深みに欠けるのに対し、後者がヘミングウェイの決定版と言える長編を対象としているから。そしてなにより氏がそれらを丁寧に読み込みその魅力を堪能しているから。だからこそ本書で読者に豊富な語彙を駆使して作品中の町の魅力を伝えることに成功した、という気がする。
 単なる粋なパリガイドではない。作品中の戦後の荒涼とした精神風土や当時の芸術家たちの交流を垣間見せてくれる贅沢な一冊。ヘミングウェイファンを満足させるのはもちろん、彼の小説を読んだことのない人、パリ旅行者にもおすすめだ。
 

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パパーッ!

2005/01/01 18:12

大人も子供も楽しめるユーモラスな絵本

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夜ぼうやがベットでうとうとしていたら、なんと隣に緑の怪獣が横になっているじゃないですか! 「パパーッ!」ぼうやがおどろいてパパに助けを求めると、同時にその怪獣も「パパーッ!」と奇声をあげている。最初に部屋の扉を開けて助けにやってきたのはぼうやのぱぱではなく怪獣のパパだった…。紫のスーツを着た怪獣のぱぱ曰く「怖い夢を見ただけさ、ママのところに行こう…」。怪獣に怪獣扱いされてあっけにとられる主人公、思わずもう一度自分の父親を呼ぶが…? 単純なストーリー、テンポのいい展開。ビビッドな色づかいが登場する10頭ほどの怪獣たちにな妙にマッチ。ぼうやと怪獣のパパとママが着ている紫のスーツと赤いネクタイや白地に赤い花のワンピースがよく見ると同じなのも面白い。フィリップコランタンは”ELLE” “marie claire” “VOGUE”など一流ファッション雑誌のイラストを手掛ける現在ひっぱりだこのイラストレーターだ。フランスの絵柄だけあってぼうやもパパも大人とおじいちゃんなんじゃないかってくらい大人びて、というか老けて見えて絵自体がユーモラス。大人向けのおしゃれな絵本だ。でも「怪獣は何頭いるかな?」とか「ぼうやを助けにきたママの周りに立ってるはおばあちゃんかな?」などお子さんと会話しながら大人も子供も一緒に楽しめる一冊だろう。

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オーデン詩集

2004/11/14 23:24

孤独な知性派詩人

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 オーデンは1930年代の代表的英米詩人。マルクス、フロイト、英国国教会などの影響を受けた政治、宗教、戦争、恋愛などがテーマ。若くして詩壇に華々しく登場し天才詩人の名をほしいままにした。多面的な社会影響によるアンビバレンス(矛盾する二つの価値認めること)、捉えがたさが魅力。英国人でありながら米国に移住し、戦争の不安を歌いながら戦線離脱し、孤立しながら後にオーデングループと呼ばれる芸術家集団をつくった。知的で美しい韻律を備えた詩は理解し難く、意味のとらえ難さ自体が時代の不安や現代人の孤独を表現する。
 彼はスペイン戦争や日中戦争など戦争をテーマにした見事な詩を多作し、当時の若者たちを行動に促した(本書に収められた「中国からのソネット」「あの音は何かしら」「ずるく座ったままの質問者」など)。
 ハーバード大のパイ・ベータ・カッパ・クラブ(全米優等学生友愛会)に捧げた作品も彼の技量を知るのにふさわしかろう。ハーバードの優等生たちに誰も言えないような挑発的批判をさらっとうたう。ギリシャ神話のエピソードをモチーフにギリシャの神々、歴史上意義深い地名・人名などで揶揄、躍動感に満ちた脚韻でまとめあげている(「いずれ竪琴のもとで−−−反動時評」)。同性愛者だった彼が愛人の脚本家、チェスターコールマンに書いた詩も時代を担う作品を生み出した二人のクリエイティブな生活ぶりが伺えて興味深い(「共同生活」)。
 オーデンの詩の訳書はいろいろ出ている。だが本書は詩作が短詩、長詩、エッセイなど豊富でテーマも幅広くオーデンの入門書としておすすめだ。

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とんちき面白エッセイ

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 これほど面白いエッセイはなかなかない。向井千秋氏は日本初の女性宇宙飛行士だ。著者である夫、万起男氏のエッセイは他人がまとめたものとはひと味違うエピソード満載。千秋さんが多忙な心臓外科医でありながら英会話教室に通って試験勉強をがんばったこと。自転車に乗る夫のそばを走って体を鍛えたこと。努力しても跳べない宇宙飛行士として終わるんじゃないか、と時には弱気になってしまったこと。彼女の不安を敏感に察知しながら応援する万起男さんからは温かい愛情が感じられる。しかし結局彼女は宇宙を飛んだ。彼女は天才ではなく大変な努力家だった。だから本書は誰でも努力を重ねれば可能性があると伝えている。
 だが本書の魅力はサクセスストーリーでなく、向井家の奇想天外なずっこけエピソード。例えば「明るい孤児一人旅」体質の妻は連絡なしに米NASAに突然行ってしまったり、ベッドが一つしかなかったらベッドで寝るのは夫、床で寝るのは妻…などなど。向井家の秘密は読んでのお楽しみ。男女を問わず中学生から大人まで幅広い人に愉しんでもらえる本だと思う。

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紙の本青い眼がほしい

2005/02/15 14:08

真の美しさ

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 トニモリスンは黒人女性ノーベル賞初受賞者。構成、文体、黒人なまりの言語などレトリックが素晴らしいのは言うまでもない。だが、黒人女性と聞くと作品は人種問題がからんで重そう…と避けてしまう人が多いのでは? でもこれは「女性の真の美しさとは何か」を問う物語でもある。フリーダは黒人の中で最も肌が黒く、黒人の間でさえ醜いがために一番蔑視されている。彼女は白人の女の子の家を訪れたとき、白い肌に金髪、青い目の人形を見つける。貧困を象徴する壊れそうなあばら屋のフリーダの家とは違い、白人の女の子の部屋は夢のように素敵だった。そこで彼女は衝動的に人形をはさみで切り刻む。「一体全体みんながきれいと言っているものの正体は何なの?」と。衝撃的なシーン。貧困の中を雑草のようにたくましく生き抜いてゆく黒人の主人公。その生き様は読んでのお楽しみ。彼女の姿は人種問題の深刻な米を強く生きるモリスン自身に重なり胸が熱くなる。
 ブランド品を買い集め、ファッション雑誌そのままの服をコーディネート、ダイエットに励む自信に欠ける日本人女性たち。本書は「真の美しさ」について考えてみるいい機会を与えてくれるだろう。
 

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紙の本宇宙を語る 立花隆・対話篇

2005/02/01 21:58

勇気づけられる本

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 立花隆氏の毛利衛さん、向井千秋さんなどの日本人宇宙飛行士や司馬遼太郎などへ宇宙をテーマとしたインタビュー。
 宇宙飛行士も細かく言うと搭乗科学技術者や搭乗技術飛行士などに分けられる。元宇宙少年で核融合の研究者だった毛利さんが宇宙では材料科学を、心臓外科医だった向井さんは医学、生命科学分野を宇宙で担当した。これを読んで毎日なにかに努力を積み重ねていればいずれ生かすチャンスがめぐってくるような気がした。いろんなブラックホール理論が議論の的となっている。だが毛利さんによるとハッブル宇宙望遠鏡の打ち上げにより現実にブラックホールを観測できそうらしい。
 特筆すべきは、立花氏が入念な下調べにより彼らと興味深いエッセンシャルなやり取りをしていることだ。例えば向井さんに「チャレンジャーやアポロ1号の事故をきいて飛行に不安はないですか?」と聞いた。彼女は「わたしたちは今現実に起きていることなのか、それとも訓練なのか、わからないくらい訓練する。自分が今何ができるのか必死に作業を始めるのでプロとして怖いと感じなくなる。何か新しいことをしようとすると必ずリスクがついてくるから」と答えた。これを聞いて日常レベルではあるが不測の事態に見舞われ動揺していたわたしは向井さんのようにもっとてきぱき対応できるようになろうと勇気づけられた。宇宙で頑張ってる女性もいるのに地表で動揺してるなんて恥ずかしい!
 普段あまり触れることのない宇宙についての興味や知識が深まるだけでなく勇気をもらう本。

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乱視読者の英米短篇講義

2004/10/06 21:51

デリケートな読みによるマイナー作品への偏愛ぶりが魅力

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著者がこよなく偏愛する作品の英米短編比較論。主に彼の嗜好で選んだ短編から連想される似た筋書きの短編を挙げ、プロット、レトリック、タッチの違いなどを論じている。有名どころ、例えばホーソン、メルヴィル、ポーなどは出てこない。5年前の同著者による『乱視読者の冒険』ではあまり知られていない難解そうな長編の羅列に尻込みしてしまった。けれどこれは短編講義なので興味がわけばいつでも読めそうだ。そんな手軽さがいい。何より30年間、著者が山のような様々な作品を読んできた中で読み返してきた逸品を紹介してくれてるところが素敵だ。
ある意味、亀井俊介さんなどの批評と傾向が対照的ではないだろうか。後者はキャノンをばんばん挙げかつ周辺作品について啓蒙。社会的事象、歴史的背景、キャラクター心理、文体など多視点からの骨太で安心感ある慎重なアプローチとなりがちだ。こういうタイプの分析に異論を唱える人は少ないだろう。わたしも実は好きでかなり読んでしまった。けれど教科書的な文学史を読みちょっと踏み込んで調べてみれば想像がつく内容も多いかもしれない。後者の場合、読後に強く読みたいと思う作品がほとんど浮かばない。
その点若島さんが扱う作家は「へ?」って拍子抜けする感じで結論も「それは違うんじゃないか?」と思ってしまったりする。例えば、ナバコフの文章にこだまする響きはわたしには感じられなかった。小説中のゲームの場面解説は歯切れよく簡潔だけどどの作品についても社会的歴史的考察への言及がないのはちょっと寂しい。何より「現実が愛人で本が本妻なんじゃないか」って言ってしまうあたりは少しこわい。偏っている。けれどどちらかというと若島さんの批評になぜかわたしはひかれる。文章のあり方のみにこだわっている姿は潔い。また時に捉えがたい繊細な文章の襞に隠れたデリケートな本質を見逃さずに鋭くついてくれる。そして何より歴史の中で評価が高い作品について頭でっかちに講義するのではなく、自宅の風呂でマイナーな本をぬらしてはかわかしたりしながら何度も読んで、心から「この作品よかったよー。その理由はね、僕だけが気付いたんだけどね…ふふふ?」って感じて紹介してくれる。だからつい読みたくなってしまうのだ。
 おすすめのA・E・コッパードの「アダムとイブとつねって」やギャスによるガートルートスタイン論、オフェイロンは死ぬまでに一度読んでみたいと思った。ついでに「SFはアルファベットの順に読め(ABCDとはAsimov、Bradbury、Clarke、Dick))という金言も参考になった。

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医学的コメントがさえた対談集

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 本書は芸術分野を中心に社会で活躍している人16人(天野祐吉、山本容子、日野原重明など)と養老孟子氏の対談集。とくに中村紘子さんとの対談が面白かった。養老氏が「ハイドンはエステルハージ家の楽長をしていたからハイドンの墓をエステルハージ家に移せと命令して堀に行くと首がなかった。後に病理学的にハイドンのものと確認された骨が当時有名な女優の墓の隣にあったのでたぶん彼女が盗んだのでは?」と話す。すると「ハイドンは100以上のシンフォニーもピアノソナタも作ったけど一作一作が違っておもしろい。モーツアルトだとこういうスタイルでなければならないとやかましい人がいっぱいいる。でもハイドンについては演奏スタイルが確立していないからコンクールにひくにはいいんです」と中村さん。彼女が「ピアニストは職業病で演奏で肩幅から外側に出れば出るほど腱鞘炎になりやすく、リストの『死の舞踏』の最後のフォルテで左手の神経を切ってしまった、曲名が悪かったのね」というと「尺骨神経で、それは左手の神経が切れたのではなく障害をおこしたのだ」と医学的に養老氏がコメント。結局中村さんは若い頃にさんざん故障して筋肉の手入れの仕方を習ったおかげで、50代になったら20才の頃より弾けるようになったらしい。
 養老孟子氏の本は「解剖学教室へようこそ」から「バカの壁」までなんとなくほとんど読んだ。確かに売れるだけあっておたくっぽい話で大衆を喜ばせるのは得意かも。でも時間つぶしにすぎない感があった。転んでも東大医学部教授、いくら基礎の解剖学が予算がないと言ってもナノテクで研究を進めるとかもうちょっと他にできることあるんじゃないの? 肩書きを利用してくだらないエッセイ書いて金儲け、税金泥棒?と個人的には批判的だった。でもこの対談集でのやりとりには彼の医学的知識と教養がうまく引き出されている。16人様々な分野の著名人が対談しているのでだれが読んでも一人くらいひっかかる人がいて楽しいと思う。時間があればどうぞ。

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私は、産みたい

2004/12/31 22:51

議員の不妊治療ドキュメンタリー

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女性議員、野田聖子氏の不妊治療による妊娠と流産のドキュメンタリー。忙しい国会の合間に試みた体外受精、卵管再生手術の経験。ホルモン値を上げる漢方薬の服用、月10回に及ぶ排卵促進のための卵胞ホルモン注射、精子提供に理解不足の国会議員である夫とのけんかとすれ違いの生活など、子供を望んでも持てないつらさをくわしく描いている。今まで政治家として成功して男勝りだった野田氏が今回の経験で挫折感を抱き、ただ道を歩く子連れの夫婦を見るだけでその命の尊さに涙を流すようになった、というくだりに涙を流さぬ読者はいないだろう。プライベートを暴露してまで不妊治療の実情を公に教示してくれた勇気には拍手を送りたい。けれど彼女は国会でたった10パーセントの女性議員に選ばれた希少な立場である。本書では1.29の出生率の少子化問題や保育所不足、インターネットによる子供の被害などの周知の問題についての問題意識を漫然と述べるにとどまっている。野田氏個人の政治的意見は皆無だ。社会的事情から仕事と出産、仕事と育児の両立で苦しんでいる女性がどれだけ多いかは出生率の低下ぶりから明らかだ。仕事と不妊治療の両立の苦しみという貴重な経験を野田氏は今後具体的政策にどう反映するつもりなのか。野田氏が著者である本書ではそこまで展開することが国民にとくに女性に期待されているのではないだろうか。そういった意味であえて厳しい点数をつけた。批判的立場をとったが今までこんなことを書いた女性議員はいなかったわけだから一読の価値はあると思う。タッチもシンプルで大変読みやすい。初の女性総理を目指すとまで公言している野田氏の今後の動向に注目したい。

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