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先月(2017年6月)

一太郎さんのレビュー一覧

投稿者:一太郎

1 件中 1 件~ 1 件を表示

「ポスト構造主義」以後の思想!!

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 気鋭の歴史家・思想史家であるフランソワ・ドッスが、1990年以降のフランスの現代思想の情勢を紹介した「意味の支配」という本によると、現在のフランスではさまざまな新思想が起こってきていて、主に四つのグループに分けられるのだという。そのなかでも、もっとも有力なグループが、セールの弟子たちによって構成されるグループだそうだ。
 かつてセールが予言したような、学科横断性や諸学問の相互翻訳(相互干渉)が、あらゆる学問に豊かな恵みをもたらす時代は、いまやまさに到来しようとしている。「20世紀の百科学は、ライプニッツ的(多元論の)状況をみせている」と、セールはそのむかし早すぎる予言をしたが、21世紀初頭の学問界は、まさに「セール的状況」をみせている、といっても過言ではないだろう。

 こうした状況に呼応するように、日本でも、まったく独自に、後期の西田哲学の個性的な読解などを手がかりとしながら、ミシェル・セールの哲学とそのライプニッツ主義を、丹念に読み解こうとした人物がいた。それがこの本の作者の清水氏である。
 ミシェル・セールは、今日フランスで空前の巨大な影響力を獲得しつつあるが、彼の弟子の多くは情報工学や、科学の人類学、歴史学、化学など、哲学以外の学問分野に散らばっているため、セールの思想を本格的に哲学的に跡づけた綱領的な論文は、いまだフランス本国においても書かれてはいない。

 そうした状況の中で、日本人の手による「本格的な、世界でも初めての」セール論が、今このタイミングに発表されたことは、おそらく後世の伝説となるだろう。

 序文を寄せた中沢新一氏も絶賛しているように、まさに21世紀の思想を感じさせるような、スリリングな書物だ。デリダやドゥルーズとの対比点などが、ていねいに論じ分けてあるのもありがたい。

 20世紀と21世紀の分水嶺を見きわめるためにも、この高い峰に一度はチャレンジすべし! 最後のほうの仏教論も面白かった。

 

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