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ナカコさんのレビュー一覧

投稿者:ナカコ

11 件中 1 件~ 11 件を表示

紙の本シークレッツ

2005/09/03 22:46

またイギリスの大人気作家ジャクリーン・ウィルソンさんの傑作が出ました!

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 二人のイギリスの女の子トレジャーとインディアが主人公です。全編二人の日記が交互に出てきます。
 二人は初め全然面識がありません。だから前半は全く別の二つの話が進行していきます。共通点は二人とも家族の、特に母親の愛情に恵まれてないことと、親友がいないことです。子供にとって、こんな悲しいことがあるでしょうか? でも救いなのは、トレジャーには、彼女を思いっきり愛してくれているはつらつとした母方のおばあちゃんとその家族がいます。そのおばあちゃんにとっては、実の娘を批判することになるからちょっと複雑だと思うんですが、毅然としていて実にカッコイイ人です。一方インディアには、敬愛してやまない心の友アンネ・フランクがいます。アンネはもちろんもうこの世にはいないけど、素晴らしい人の魂は、この世にいなくなった後も、こんなにも今生きている人を勇気づけたり、支えたりするものなのですね。
 さて、ある日二人の日記にお互いのことが書かれるようになり、まもなく二つの話はひとつになっていきます。ここからはわくわくした展開で、一気に読めますよ!
主題の二人の話もおもしろいですが、学校で話題になったテレビドラマが、わたしもレンタルビデオで観て大好きだったドラマだったり、日本人にとても身近な名前も出てきてなんだか嬉しかったです。逆に、今まで自分の周りで見たことのない、ちょっと驚くようなできごともたくさんありました。
 今回もジャクリーン・ウィルソンさんは、波乱万丈なお話をオブラートにも包まず描いて、わたしをどんどんお話に惹きつけはらはらさせましたが、最後はほっとさせてくれましたし、なんだかあたたかい気持ちになりました。「タトゥーママ」の次に好きなお話でした。

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紙の本イエメンで鮭釣りを

2009/04/15 15:51

前向きに! 前向きに!

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 この本は、手紙、日記、Eメール、新聞記事、議事録などから構成されていて、同じ出来事について違う人の視点から読めるのがおもしろいです。特に、男女間の相手に対する気持ちについては、主人公フレッドのなんだか情けないところに時々フフッと笑ってしまいました。この点、女性たちの結構サバサバしてるところに共感しました。作者が男性なのになかなかわかってる~。
 ハリエットという女性がでてきますが、最初の頃からとっても魅力的です。それが、作品の魅力にもつながっていると思います。作者の理想の女性かしら?
 早いうちから、議事録がでてきます。最後にきっと何か大変なことが起きたんだわとわかりますが、それが何かはなかなかわかりません。最後にわかる奇想天外な顛末からも、なぜか悲壮感はあまりなく、主人公が、結果よりも、イエメンで鮭つりという、とんでもない計画に巻き込まれ、かかわっていったそのプロセスから得たことが多いなあという、気持ちのいい印象が残りました。
 特に、イエメンで会った少女たちとのエピソードは、素朴で純粋で素敵です。イエメン人の富豪シャイフの言葉も、深いです。一方、中東の若者がテレビで知ってあこがれる西洋の若者像は、めっきにしか見えません。
 100年に一度の不況と言われる今年、なお更、こんな本を読んで、のんびり楽しむとともに、自分を振り返ってみたらどうでしょう。次にどうするかあくせくするより、大事なものが何なのかをゆっくり考える時間は必要です。そうすればひとりひとりがもう少しまわりの人に優しくなって、より良い世の中になるかも。いえ、みんなにその心があって、きっとそうなると信じています。

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紙の本ブルーバック

2007/07/23 10:09

つつましく謙虚なしもべ

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

この本に、神様の概念も出てこなければ、説教じみた空気も全くないのだが、人間がいかに大自然の中で小さい存在であり、人間がとらわれがちな欲や権威や学問的知識、またそんなことにとらわれない人々の純粋さも超えた、何か人間の理解をはるかに超えた偉大な存在の中で、わたしたちが生かされていることを感じさせてくれる本だ。

 目に見えない偉大な何かが生み出した、目に見える神秘さのひとつが、この本の舞台である「海」である。全ての生命は海から生まれたと言われている。恩寵なる海、時に邪悪に見える海、底知れぬ神秘に満ちている。そんな海とよりそって生き抜いたひとりの女性の生涯は、苦難に満ちていたが、幸せだった。彼女が生涯一貫としてつらぬいた態度は、そんな偉大な何か、人間だけに公平でない、宇宙の全てに公平な偉大な存在に、常につつましく謙虚な態度だ。彼女のこの美徳は、彼女が努力して磨いているのか、それとも天性のものなのか・・・どちらにせよ、彼女の態度から、彼女の息子だけでなく読者も、この忙しい現代社会の中で、いったい自分は何のために生きているのか、真のやすらぎとは何かを考えさせられるだろう。純粋な子供たちや、若い人のみならず、大人にもおすすめしたい。

 また、海で出会った愛すべき、青き大きな友人との出会いやたわむれなど、読んでいるだけで、映像を見ているよう。暑い夏に、部屋にいながら美しい海でのひと泳ぎを、頭の中で楽しんでください。

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いろんな意味で興味深い!

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

先週出版されたばかりのホヤホヤです。
ワタシ、大好きな本は、わざとゆっくり読むんです。だって、読み終わるのがヤなのです。
この本もまさにそのひとつ。
事実にほとんど忠実なフィクションというジャンルも興味深いですし、とにかくおもしろい!!文面から、文通する二人の人柄の魅力がにじみ出ています。そして、二人の心の交流がいいです。
また、そんなに昔のことではない人種問題のことも考えさせられました。英語の勉強にもなります。(笑)
前述の理由により、まだ全部読んでません。とにかく早く皆さんにオススメしたくて、、、。これからどうなっていくのか、本当に楽しみ!!
この本は、多くの若い人たちにも読んでほしいですね。今、悩める若者たちの悲惨なニュースに毎日心を痛めている人が多いことでしょう。もちろんわたしもです。目に見えるものしか信じれない風潮があるこの時代、こころを豊かにする鍵を文学が担っているなあと思わせる作品だと思います。若者たち、元気になあれ!

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紙の本岸辺の旅

2010/04/13 13:56

今、気付くべきこと

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 「岸辺の旅」のタイトル通り、水の風景、そして、そこに吹く風が印象的だった。

 電話の後突然姿を消した夫が、三年経ってふいに戻ってくる。夢が幻か、妻まであの世に行ってしまったのか・・・。夫は、妻のつくる「しらたま」を三杯も食べる。わけがわからない。

 妻の一番聞きたい質問「どこに行ったの・・・」に、絶句する夫。「椀に目を据えて動こうとしない。椀の中身を目ですすりあげんばかりだ。」二人の間の緊張感を伝える見事な表現だと思った。

 二人は旅に出る。二人がわかりあうための旅だ。三カ所で、住み込みで働く。三人の主人の顔を一言でたとえた比喩がおもしろくて、漫画みたいな顔を想像した。

 潮時を知らせる風の音---五感をいっぱい働かせて、川の流れに身を任すような、そんなおだやかな旅。こんな人生を二人で歩むべきだったのに。

 

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紙の本くまとやまねこ

2010/04/07 12:12

それぞれの人に、それぞれのインスピレーション

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 この絵本を手に取ったとき、大好きな絵本、マリー・ホール・エッツの「もりのなか」を思い出しました。一見、暗そうな絵本に、深い味わいを期待できました。

 まず、ことりの横たわった絵にははっとしました。
このような姿を見たことのある人は多いと思います。わたしも何度もあります。10年前こんなことがありました。母が10時間の大手術を耐えた夜、やっと家に戻ったわたしの目にとびこんだのは、庭で息絶えた、見たこともない真っ青な美しい小鳥の哀れな姿でした。
まるで、母の身代わりのように思え、やつでの木の下に心をこめて葬りました。

 身近な死をどううけとめるかという難しい永遠の課題を、子供には子供なりに、大人には大人なりに考えることができる絵本です。感動するところは、人さまざまでしょう。その時々の心の状態によると思います。

 わたしは、最近、どうやったら人を癒したり、慰めたりできるんだろうということを考えていたし、同時に、自分が練習している音楽は、どういう価値があるんだろうと考えていたので、やまねこが、「一曲えんそうさせてくれよ」というところで、インスピレーションをもらいました。やまねこの真摯な態度、言葉、行動に感動したのです。わたしも、やまねこみたいになりたいなあと思いました。



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紙の本ポプラの秋

2010/04/05 18:16

大人の都合、子供の都合

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 もうじき7歳の子供とお母さんが引っ越したアパートで、大家さんのおばあさんや、アパートの住人と過ごした歳月の話が、子供の視点からつづられます。読んでいるわたしは大人ですので、子供の視点と、大人の視点の両方からその状況をみることになり、隣の住人の息子さんが、再婚したお母さんに生まれた赤ちゃんが亡くなったことで、お父さんと住めなくなったという手紙を読んだ主人公が、大人の身勝手さを恨めしく思ったとき、本当に切なくなりました。最後に、お母さんの手紙から、ある真相がわかって、いろいろなぎこちなさがどうして起きたのか、つじつまが合います。お母さんが選択したように、時間が必要だったのか、それとも、二人で現実を受け止めて(7歳のときは無理でも、せめて成人した頃から)支えながら生きるべきだったのか、わたしに判断することはできませんが、第三者のわたしは、今、両者の都合や気持ちを理解できそうですが、彼らにとっての長いつらい年月を思うと、読みながらたくさん涙がでました。

 涙の理由は、もうひとつあったかもしれません。大好きな明治生まれの祖母を思い出しました。大家さんと、存在感の大きさとか、人と人をつなげている力が似ています。今は空き家になった家に、祖父母、両親、姉の6人家族で住んでいた頃を思い出すと、とても懐かしく、またさみしくなります。

 テーマは普遍的ですが、昭和の匂いのするお話、わたしは入り込んで読めました。今の若い人たちは、どのように感じながら読むのでしょうか。

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紙の本リリアン

2009/12/10 21:22

とっても深い作品

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 主人公が受けたユダヤ人への迫害「ポグロム」という事実と言葉、恥ずかしながらこの本に出会って初めて知りました。この新しいわたしのアンテナは、この秋、「シロタ家の20世紀」という映画にわたしを導いてくれました。これは、日本国憲法に男女平等の条項を加えることに尽力した若い女性の一族の歴史映画で、その一族は、まさに、ポグロムなどに翻弄されたのです。人間が同じ人間を憎む、人間の暗く醜い面に愕然とし、深く考えさせられました。他の宗教の人を殺すなんて、エゴの塊、いえ正真正銘、犯罪です! それを宗教と呼ぶなら、宗教なんて無い方がましです。

 さて、主人公リリアンは、家族をポグロムで惨殺された後、アメリカに渡り、愛人生活を送るようになります。個人的にあまり好きな部分ではありませんが、読み進めます。
 それから、行方不明になった娘を探して、ロシアへ向かう中で、いろいろな人が出てきて、話が展開していくのですが、テンポが速く、ついていきにくかったです。わたしが一番好きだったところは、小さな子供3人の世話をするところです。考える間もなく、ほとんど本能的に世話をするところです。そして、その子供たちの世話と、亡くなった母親を埋葬することの両方はできないので、遺体がクマに食べられないように祈るところや、子供たちにお母さんのために祈りましょうというところです。本には、リリアンは神を信じてないように書いてありますが、わたしは、彼女が高遠で深い信仰をもっているという印象を受けました。困難に会った時、逃げないで、本当の「人間」らしさを発揮すること、前向きになること、そんな行動を、わたしは尊敬します。その人が、過去にいかに馬鹿げた行動をとったとしても、、、。リリアンがとった素晴らしい行動、わたしには無理だろうなと思うもの、数多くあります。そして、彼女がそういう行動をとれたのは、敬虔なユダヤ教の家庭で、崇敬、思いやり、勇気が育ったからではないかなあと思いました。
 あー、わたしの貧しい読解力、理解力がくやしいです。数年後に読んだら、また違う味わい方ができるのではと楽しみにして、わたしも日々、前向きにがんばりたいと思います。
 新潮社さんが、もしこれを読まれたなら、わたしの努力の足らなさを棚に上げて、ひとつお願いです。読めない漢字がいくつかありました。わたしのような程度の国語力の読者もいますので、難しい漢字にふり仮名をつけてください。


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紙の本小説「聖書」 旧約篇

2010/06/23 09:47

神は正義と愛

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 ずっと前に旧約聖書を開いた時、全く読む気がおきませんでしたが、この本は興味深く読み続けることができました。大作なので一週間かかりましたが、大昔の異国を旅してきたような、楽しい一週間をすごせました。

 さて、内容には、むごさや不倫関係を含んでいますので、その部分は耐えがたいほどいやでした。また、何度も懲りない人間の傲慢さ、欲望にうちひしがれそうになりました。しかし、この本の全編を通じて、必要な時に預言者を通じて顕われる神の意志の一貫性、神の正義(今のわたしたちには厳し過ぎるように思えますが)、人間から見捨てられても見捨てない変わらぬ神の愛に感動しました。

 様々な偏見、戦争、事件、、、今もなお人類は懲りずに愚かさを表わし続けています。公正な価値観による教育が世界中のもれなくひとりひとりに必要だと痛感しています。目に見えない、そして全貌を理解できない偉大さを崇敬することはとても難しいし努力が必要ですが、その願いは、とかく自分を物事の中心にすえたい気持ちに打ち勝つこと、他人に思いやりをもつこと、自分を卑下しないで前向きでいること、忍耐すること、自然を保護することに通じると思います。そうでなければ、神を信じることにいったい何の意味があるでしょう? 死後に極楽浄土を切望するより、毎日家庭の中、学校の中、職場の中、、、つまり日常生活の中に極楽を実現するかしないかは、わたしたちの意識の変革に鍵があると思いました。そして、まずは、わたしから始めるべきだと。

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紙の本タトゥーママ

2004/10/14 22:41

子どもから大人まで全ての年代の方々に読んでいただきたい作品です!

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「刺青をしてるお母さん」って聞いただけでちょっとひいてしまいますね。ちょっとコワイ人なのかな?って。 この本の主人公、小学生のドルフィンのお母さんマリゴールドは、ちっともコワイ人ではありません。かなり精神的にムラがあってひやひやさせられるけど、若くて美人でおしゃれで絵を描くのがうまいドルフィンやお父さんの違う姉スターが心から愛しているお母さんです。もちろん周囲の人たちは、体中に刺青をした生活保護を受けている未婚の母を普通だとは思っていません。わたしも近所にそういう家族がいたら近寄ろうとしないかもしれません。でもこの本の著者と訳者のおかげで、わたしはこの「ふつうでない」家庭の母と子の愛情や葛藤を我が事のようにいらいらしたり、喜んだり、心配したり、涙を流したりしました。だって、程度の差はあれ、誰の親でもこどもから見てちょっと困ったところはあるでしょう? またこどもを持つ人は、完璧な親にはなれるものではない、自分もちょっと困った親だと自覚している人も多いのでは? 私自身も子や親とのかかわりの中で日々葛藤しているし、自分がかなり困った人間だと思うことがよくあるので、時には母の立場から、時には娘の立場からこの本を興味深く読みストーリーにすっかりハマりました。
 きっと全ての年代の方々が共感できる作品だと思いますので、幅広い年代の方々に読んでほしいです。特に後半のドルフィンにとって長ーい一日の描写は大人の人の胸をうつでしょう。わたしは涙なくしては読めませんでした。小学生の皆さんは、ドルフィンの想像力にとっても楽しませてもらえるでしょう。「魔女の服」を着たドルフィンはその豊かな想像力でいじめっ子や、ヤな先生をやっつけたりします。そのあたりの描写は本当に愉快です! それから欲しくてたまらなかったけど欲しいと言えなかったお人形と想像の世界で親友になったりするところもあります。小学生の皆さんもそんな想像をしたこたがきっとあるでしょう? 中学生の皆さんは、思春期のスターのふるまいがかっこよく見えたり、ときどき子どもっぽさが抜けきれてなかったりするところに苦笑するでしょう。ボーイフレンドができるところも興味しんしんでしょう。
 またマリゴールドにとっての刺青の価値や意味が何なのか、お楽しみに! 挿絵もとっても楽しめます。
 訳者の小竹さんのあとがきを見ると、この作品はウイルソンさん自身が自分の作品の中で一番好きな作品なんだそうです。本当にいろいろな点で素晴らしい作品です! 日本語訳もとっても自然で、訳書にありがちな意味不明なつながりもないのでスムーズに楽しく読み進められます。オススメです!!

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紙の本半落ち

2009/12/24 09:52

もう一度、映画が観たくなりました。

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 以前、テレビで映画「半落ち」を観てとても印象的だったので、本を読むことにしました。

 まず、同じ出来事の中でいろいろな立場の人ごとに章をつくって語らせたのは、とてもおもしろいと思いました。つまり主人公が変わっていくわけです。そして、このストーリーの本当の主人公の章はなくて、周りの人たちが本当の主人公のことを推理していくのです。

 一般社会にありがちないざこざ、名誉欲などを織り交ぜて、共感するところがたくさんありました。心の奥では誰もそんなもの好きではないと著者が静かに言っているような気がしました。そして、各々の章に選ばれたような人たちは皆、本当の主人公の瞳の奥に清らかなものを見逃さないのです。希望を感じました。

 結末は、知っているけれどやはり泣けました。しかし、一晩経って疑問がわきました。あのようなキャラクターの主人公はどういう場合でもふんばって殺人をしないのではないかと。彼の穏やかさ、清らかさと、殺人がどうしてもわたしの中で結び付きません。

 わたしも彼とほとんど同じ年齢です。この小説にあるようなことを経験したり、近くで見てきました。けれども、まだまだ経験不足ですし、ものごとを深く考えることも少ないので、今後、今の考えがどう変わっていくかなあと思っているところです。

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