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先月(2017年8月)

とみ〜Mさんのレビュー一覧

投稿者:とみ〜M

1 件中 1 件~ 1 件を表示

不朽の名著か、それとも単なる博士論文なのか:「権力の予期理論」とは何だったのか?

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

言わずと知れた、宮台真司の処女作にして、東大博士号取得論文。
社会学論文としての価値ではなく、ここでは書物としての価値を検討したい。

まず、凄いところ:
・権力を論理的に記述しつくしたところ
一貫した視点により、相互行為から社会的権力、組織内権力、そして国家権力と権力を記述しつくした。その論理構成は舌を巻く。今では、論理思考やツリー上のロジックシステムに関する書物が書店をにぎわす、日本国内のロジック志向は強まるばかり。だが、当時はどうか。90年前後の学界論文でも、かなり粗雑な論理構成によるものが多い、「印象批評」と言わざる得ないものが相当出回っていた。その中で、宮台は論理構成は巧みだ。無駄なく、論理的に記述されており、説得的言説を構築している。

変なところ:
ゲーム理論が対抗理論として登場しているが、その批判のポイントが内在的批判としてかなり入り込んで記述されており、その章が異常な位置付けを示す。むろん、当時の権力理論論争に踏み込めば、社会科学へのゲーム理論の本格導入時期であることがわかる。だが、かなり異質な印象を感じざるを得ない。
(この点については、再度ゲーム理論側からの回答と共に考えざるを得ない)

感想:
この本への最大の批判は、「権力が記述されているが、説明はされていない」というものだろう(これは、当時の言説をCHECKしてのはなし)。確かに、「ふむふむ、確かにこんな場合には、こんな風に権力は働くのか」と思いながら読める。だが、「何で、そこに権力があるのか?」には答えてくれない。「先生と生徒」⇒確かに権力関係はある、だが「なぜ、そこに権力が産まれるのか?」については、この書物は教えてくれない。
これは記述主義という「禁欲」から来るものだろうが、書物としてみたときに「権力の生成論」を欲求してしまう。つまり、ある種の「欲求不満」状態がオトヅレル。それがこの本を、「単なる秀才の博士論文化」する。

学問的には間違いなく、日本の社会科学の何らかの到達点である。最近の本屋の社会学の棚を見ても、「博士論文」としての凄みには欠ける。

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