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一期一会さんのレビュー一覧

投稿者:一期一会

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メービーさんの白いアルバム進駐軍の恩人がくれたもの

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人生のうちで、出会いはいくつもあるけれど、長い時間を経てまた出会うのは、やはり深い縁があるからなのだろうと思う。まして、大きな恩を受けた相手なら、再会の瞬間の態度はどうあるべきか、著者はそんなことを考えてはるばるアメリカまで向かう。自分は相手が望んだ人生を送ってきたのか、と。
だが、再会の瞬間はドラマチックなものではなかった。
戦後の混乱期、敗戦国日本の少年に、大学の学費どころか、生活費まで援助した1人のアメリカ人の善意は、時空を超えて、人生の折り返し点に差し掛かった著者にもう一度自分を見つめ直すきっかけを与える。大学を卒業した著者は、商社勤務を経て大学教授となるが、恩人を訪ねる旅は、ずっと心の中に抱いていた疑問の答えを探す旅でもあった。
人間愛の物語と言ってしまえばそれまでだが、憎しみや憎悪が充満する現代社会にあって、他人を思い遣る無償の愛の行為が胸を打つ。登場人物は、誰もが普通の人間である。助けた側も、助けられた側も、特別な人間ではない。長い時間を経て、助けた側は、自分が援助したことなど、忘れてさえいるのだ。
だが、蒔かれた種は、やがて大きく成長し、恩人に受けた恩に報いようと考える。だが、それは不遜な考えであることに気付く。恩人はもともと、恩返しなど期待してはいないのだ。
著者は、恩人の行為の根底には、キリスト教の精神があったことに気付く。それは事実だろう。しかし、恩人が著者に送った手紙に「あなたが努力の結果として得る楽しみや金銭的なものは、努力に対する利息のようなものなのだ」と書いたように
恩人の確固たる人生観がそこにはあった。
恩人を訪ねる旅は、恩返しの旅ではなかった。自分が受けた恩を他の誰かに渡す、新たな旅へのスタートだったと思う。

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