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先月(2017年8月)

時計さんのレビュー一覧

投稿者:時計

2 件中 1 件~ 2 件を表示

紙の本アフターダーク

2004/11/19 04:09

冥界はすぐ隣にある

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

妹は深夜の町で時を過ごし、姉はベッドの上で昏々と眠る。
妹は音楽を愛する青年に出会い、ラブホテルを管理する元女子プロレスラーに出会い、一夜のうちに少しの変化を経験する。
姉の魂は彷徨い続けていて、もう少しで向こう側=冥界に行ってしまいそうだ。その魂をこちら側につなぎとめることができるのは妹だけなのかもしれない。
中国人の若い売春婦、その売春婦に乱暴を働くシステムエンジニア、売春婦を管理する中国マフィア、名前を消してラブホテルで働く女性。すでに何かが壊れてしまった人たち。すでに向こう側を経験してしまった人たち。
青年と妹が出会って、この世は少し安定した重石=アンカーを得たようにも見える。でもまだ冥界はすぐ隣にある。
村上春樹が25年(ですかもう!)続けて描いてきているあちら側とこちら側の近接性/侵食性を簡潔に味わえます。観客=神の視点の導入によってその近接性/侵食性はセンチメンタル性を排してよりクリアに描かれています。

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紙の本ICO 霧の城

2004/11/18 15:12

失敗作とも呼べないような

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ひさしぶりに読んだ時間が“時間の無駄”であったと感じさせる小説でした。それなりに楽しく読ませる小説がいくらでもある中で、この作者においてこれだけ無駄感を抱かせるとは予想外。スピード感の欠如した展開、魅力に乏しい登場人物、説得力のない村の情景、あまりにステレオタイプな物語構成、退屈なまま盛り上がることも無い尻すぼみのエンディング。
宮部みゆきの面白さは、もともとがあまりエキサイティングなものではなく、ずるずると日常を描いているうちに微妙に非日常が交錯してくる、でもそれで世界が大きく変わるわけではなくそこはかとなくそのままお話しは終わってしまうというまったり感にあるわけだから、本作もある意味ではその延長にあると言えるのだけれど、初動時の設定がゲームからの引用のせいかもともと非日常世界にあり、そこからキャラのちまちました移動に頼ったのみでなんら“交錯”感もなく、ただただ無駄な時間が費やされる。
え、これでおしまいなの、というあっけなさ感はやはりいつものように味わえるので宮部ファンはそこは満足かも。

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