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先月(2017年8月)

陰日向弁慶さんのレビュー一覧

投稿者:陰日向弁慶

2 件中 1 件~ 2 件を表示

“天才の苦悩”と“凡才の苦悩”、その見事な書き分けが光る……本当におもしろい、本物の「ロボット小説」を渉猟している、そんなあなたに。

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「おまえは、どこにでもいる普通の男の子だ。栄光にはほど遠く、英雄と讃えられることもない。それゆえに、尊いのだ。」
このセリフは、『5121小隊 熊本城決戦』おいて、自らの不甲斐無さを自覚しながらも、努力では決して越えられない壁の高さに、不安と焦燥を抱いていた少年に、彼が搭乗するロボットの生体脳内の自意識として存在する少女(詳細、今だ不明)が、投げ掛けた一言です。『ガンパレード・マーチ』に対する私の想いは、この一言ですべてが表現できます。
私は、その作家が好みか・否かを判断する一つの基準として“登場人物に対する対等な視野の広さ”を設けています。極論すると、「引き立て役の脇役・敵役にも、良いところは必ずある。主人公たちとの邂逅後の彼らの成長譚も読んでみたい!!」というところまで、行き着きます。
私は、この作品のTVゲーム版の方は購入したのみで、僅かしかプレイしておわず、原作との相対的な読み比べは行っていませんが、メインキャラだけで老若男女合わせて25人と一匹という多彩な人物像を、ノベライズシリーズ化を担当した榊涼介氏は自らの想像力と拘泥りを総動員させて、非常に深みのある人間模様を描いています。その一つが、“天才の苦悩”と“凡才の苦悩”との見事な書き分けです。ロボットものに、エースパイロットの存在は不可欠ですが、そこにだけ焦点を当て特別視するのではなく、その陰で活躍する等身大パイロットや縁の下の力持ちである整備員たち一人一人を物語の中で巧妙に配置し、日常・非日常をコミカル&シリアスに丁寧に書き綴った群像劇は、毎巻「希望と夢」を胸に響かせます。
ちなみに、余談となりますが、この「ガンパレード・マーチ」シリーズは、出版社の都合のためか、“物語の中で進む時間軸”と“実際の本の発行ペース”とが噛み合っていません。お節介かもしれませんが、私自身がお薦めする、当小説シリーズを10倍楽しく玩読する正しい順番を表記します。
『ガンパレード・マーチ episodeONE』→『ガンパレード・マーチ episodeTWO』→『ガンパレード・マーチ 5121小隊の日常』→『ガンパレード・マーチ 5121小隊 決戦前夜』→『ガンパレード・マーチ 5121 熊本城決戦』→『ガンパレード・マーチ あんたがたどこさ♪』→『ガンパレード・マーチ 5121小隊 九州撤退戦〈上〉』→『ガンパレード・マーチ 5121小隊 九州撤退戦〈下〉』→『ガンパレード・マーチ もうひとつの撤退戦』
(平成17年5月21日現在)
※<広崎悠意著 『高機動幻想ガンパレード・マーチ』>
↑『熊本城決戦』までを一冊で読める、一味違うオモシロさがあるコンパクト版です。

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一筋縄ではいかないオモシロさ!!を求めるあなたに。

15人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

一昔前の巨大ロボット作品は、アニメにしても漫画にしても「エヴァンゲリオン」の影響を良くも悪くも受けている作品が横行していた。伏線を張るだけ張っておいて、そのほとんどの謎が解明されないまま終了してしまったり…主人公はロボットを操縦することを厭うくせに、一度搭乗すれば鬼神の如く活躍する…基本的に、作中の美少女には無条件にモテモテ…といった荒唐無稽であり、選民意識の塊だった。その作品から、一体なにを受け手に伝えたいのかが不明であり、製作者郡が明らかに「おたく」であることが明白だった。無気力・無関心・無責任にスカしていることがカッコイイと勘違いしている奴等が、脂下がった顔でアニメや漫画を製作している時代があった。そして、純文学だの、文芸だのと高踏を気取ったところで所詮、本が売れなければ生活がしていけない、結局はサラリーマンの延長戦上に居る出版社が、時流に阿り、その手の「おたく作品」を助長した。なぜなら、売れるからだ。薄汚い人間の欲望が、かわいらしい美少女のイラストと当たり障りのない薄っぺらいストーリーに包まれて、物語の様相を呈していたにすぎない。以前の、10代の少年少女の成長物語を巨大ロボットを仲立ちとすることで、親しみやすく判りやすく「勇気」と「友情」と「愛」を隠喩的に示唆していた心地よくも骨太な作品は死滅の間際だった。
鬼頭 莫宏氏による「ぼくらの」は、まさに絶滅寸前のソレだ。決して熱血でもなく、厚かましくもなく、荒唐無稽でもなく、「おたく」でもない。しかし、オモシロイ。勝てば官軍という諺があるように、面白くなければ伝えたい大切なメッセージも読者には伝わらない。元来、巨大ロボットを、漫画で表現するのが難しい。が、氏は、絶妙のコマ取りで、作中のロボットをスタイリッシュに描いている。それだけではなく、知的好奇心を刺激する謎も随所に散りばめられていて、一筋縄ではいかない展開だ。それでいて、今を生きる10代の少年少女の葛藤や成長を真摯に綴っている。一読をオススメする。

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