サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

  1. hontoトップ
  2. レビュー
  3. アルルの女さんのレビュー一覧

アルルの女さんのレビュー一覧

投稿者:アルルの女

2 件中 1 件~ 2 件を表示

紙の本悪童日記

2004/12/28 02:52

とにかく面白いです

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 第二次世界大戦中のハンガリー、「大きな町」(おそらく首都ブダペスト)から「小さな町」(おそらくクーセグ)のおばあちゃんの家に疎開してきた双子の男の子の物語。賢く逞しいこの二人は寂しく残酷な現実をしっかり直視しながら意図して強くなっていきます。しかしそこにあるのはあくまで「事実」。感傷的な表現などは一切出てきません。
 私はまず一人称が「ぼくら」であることに惹かれました。彼らは作中で決してばらばらになることがありません。「ぼくらのうちひとり」が何かをすれば、「もうひとり」が違うことをします。また文章はこれ以上ないほどに淡々としています。主観的な表現は一切でてきません。書かれているのは具体的な事象のみ。しかし読み手はそこから却って一層リアルな情景を読み取ります。きっとそれは主人公たちが、目に見えるものだけが真実、目に見えるものだけが信じられるものであると悟っているからだと思います。
 私は「この本のラストはすごいよ、驚くよ」と他人から言われるのが好きではないのですが(期待しすぎてしまって読んでがっかりすることが多いから)、この本に関しては自分から言ってます(笑)。本当にすごいです。私は読んでからしばらく放心しました。詳細は明かせませんが。
 読んで続きが気になった人で、今暗い気持ちになってもよい、という人はぜひ続けて「二人の証拠」、「第三の嘘」も読んでみてください。ある意味三部作あわせて初めてメインテーマが明らかになるような気もします。でもとつてつもなく暗くて悲しい気持ちになります。私は一週間くらい鬱になりました。
暗くて面白い童話として「悪童日記」、悲しい運命をめぐる壮大な物語として三部作、といったところでしょうか。悪童日記だけでやめても十分読む価値はあります。
 私はぜひこの小説を多くの人に知ってもらいたいです。多分私の中でこれをこえる作品はしばらくでないだろうと思います。
 

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本悪女について

2004/12/28 02:27

ある意味一番「正しい」表現法

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 突然なぞの死を遂げた「悪女」・富小路公子について、生前の彼女の27人の知人が語る形式の小説。だから公子の視点からみた文章はないし、筆者視点からの文章もない。公子はある人からみれば清い心をもった天使のような女性だし、ある人からみれば平気な顔で他人を欺く悪魔のような女性だ。
 考えてみれば一つの事象、一人の人物について「語る」とき、人はどうしてもある決まった視点から語るしかない。それはどれだけ客観的になろうとしても結局は主観的にならざるをえない。その点この小説は多くの人間の主観的評価を集めることで、主人公をある意味客観的に語れているのかもしれない。私たちはこの小説を読むとき、主人公に対する様々な評価の中から自分なりの「真実」を見つけ出すしかない。その真実には結局私たち自身が反映されているのかもしれない。そういった意味でこの表現法は非常に斬新ですばらしい物だと思う。
 また表現法だけでなく、話の内容も「え?」と思うような出来事の連続で、主人公に対する印象は二転三転し、非常にスリリングである。章立てになっているため読書なれしていない人にも読みやすいだろう。
 さてあなたがこの本の中に見出す富小路公子は、本当に「悪女」か、それとも…。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

2 件中 1 件~ 2 件を表示