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    3月のライオン(1)

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    羽海野 チカ(著),先崎 学 (将棋監修)

    5つ星のうち 4.5 レビュー詳細を見る

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    はらぺこあおむし 改訂

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    エリック=カール (さく),もり ひさし (やく)

    5つ星のうち 4.5 レビュー詳細を見る

裕乃さんのレビュー一覧

投稿者:裕乃

5 件中 1 件~ 5 件を表示

あえて危険な道に挑戦する、ということ

8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 「芸術は爆発だ」とか、「グラスの底に顔があってもいいじゃないか」とか言っていた人が著者だったので、どんな無茶苦茶な事が書いてあるのだろうと、面白半分で読み始めた。しかし、思っていたよりもずっとわかりやすかった。素直に感動した。
 全体を通して著者は、自分の最大の敵は他人ではなく自分自身であり、自分自身と戦い続けなければならない、と主張している。自己保存は人間の本能である。だから人間はともすれば、世俗的な安定、幸せのために、魅力を感じながらも危険な道を避け、退屈ではあるが安全な道を選択しがちである。著者はそれに流されてはいけない、安全な道に行きそうになる自分と戦って、危険な道を選択しろ、と言っている。ここまでは、成功者に人生のひけつは?などと尋ねれば返ってきそうな言葉で、たいして目新しいものではない。しかし、この後著者は、危険な道を選択しても頑張ったらきっとうまく行きますよ、とか甘いことは言ってくれない。失敗するかもしれない、しかしたとえ不成功に終わっても、危険な道に挑戦すれば、人生の歓喜、生きたという喜びが得られるではないか、と述べている。頑張ればいつか成功するよ、という言葉は一見やさしい激励であるが、根底には成功しなければならない、という結果主義が見え隠れし、プレッシャーを感じてしまう。もちろん、結果に対する責任は持たねばならないと思うが。「夢がたとえ成就しなかったとしても、精いっぱい挑戦した、それで爽やかだ。」という言葉に、私は著者の挑戦して生きている人間に対する暖かいまなざしを感じた。
 内容的に、月曜日の朝礼の話のように説教じみたものになりそうなのに、読んでいると全くそんな感じはしなかった。すべてがうまくいかず、意欲が底をついて、何もする気がなくなった時に読めば、そんじょそこらの抗うつ剤よりもよっぽど良く効くと思われる。

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言霊の力

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 「今日一日だけ頑張ろう」筆者が若い頃、托鉢に出るのが嫌でたまらない時に、自分にそう言い聞かせて、出かけていたそうである。托鉢僧に対する扱いは時にひどいものであったという。小銭を投げつけられたり、面と向かって罵られたり・・・。「今日一日だけ・・・」で一歩を踏み出し、なんとか一日乗り切れると、それが自信につながり、つらい仕打ちに耐えることができたという。
 言葉は心の支配を受けて発せられるものだから、逆に言葉が心に影響を及ぼして、状況が改善することはないのではないか、と私は思っていた。しかし、ひどい状況の中で、カラ元気を出してでも、自分自身に明るい言葉を繰り返し言い聞かせれば、ちょうど天気のいい日にわけもなく明るい気分になるように、ポジティヴになれるかもしれない。そうすると、置かれた状況を客観的に判断する心の余裕ができ、八方ふさがりの状況の突破口をみつける気力がうまれる。言霊の力とはそういうものではないかと思われた。
 仕事帰りに車に乗り込んだとたん、己の置かれた状況に打ちひしがれて、エンジンキーを回す気力すらなくなってしまう時がある。「出口のない袋小路などない」そう自分に言い聞かせようと思う。

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生命が作る時間の流れ

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

過去から未来へと時間が流れていくことは、自明の理のように思われる。しかし、この当然と思われる時間の流れが、現代物理学の根幹をなす相対性理論と量子論では説明できないとのことである。相対論では時間の流れを未来から過去へと逆にしても成立するし、光速度一定の法則により、観察者の速度によって時間の流れる速さが変わってしまう。量子論の扱うミクロの世界では、不確定性原理により、あるイベントが起こった時刻を理論的に確定することができない。いずれの理論の中にも我々が日々感じているような『時間の矢』を見出すことはできない。では、時間の流れはどこで生まれるのか?著者は、秩序を維持しようとする生命の意思が時間の流れを生んでいる、と主張している。生命体はDNAという精巧な設計図をもとに蛋白質を主な材料として組み立てられた、秩序の塊のような構造物である。ところがエントロピー増大の法則により、放っておけば秩序はどんどん崩壊してしまう。生命体にとって己の持つ秩序の消失は死を意味する。このエントロピー増大の法則の圧力に抵抗して、自らを構成する秩序をできるだけ長く維持し、長く生きようとする生命の意思が、時間の流れを生み出している、という。このような生命の意思がないところには、時間の流れも存在しない、ということもできる。
部屋が散らかっていることを注意されたら、『そういう秩序に拘泥する心があるから、時間に支配されてしまうのだよ』などと言い訳してみるのもいいかもしれない。大喧嘩になり、ますます部屋のエントロピーが増大してしまうかもしれないが。

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対称性と進化の関係

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

対称性が高い、とはどういうことか?この本では対称性が高いものの例として、球が挙げられている。球には特別な方向がなく、その表面に他から区別できる特殊な場所はない。このように特別な方向、場所のない均質な状態を対称性が高いということができる。この本では対称性の高さを求めて、まず分子、原子、素粒子の順にミクロの世界に踏み込んでいく。原子のレベルまではほぼ高校までに習った事項の復習であるが、素粒子レベルの世界の対称性の高さには驚かされた。すべての物質は6種類のクオーク(これが3つ集まって中性子または陽子ができる)と、同じく6種類のレプトン(電子はこれに属する)で構成されているという。そして、これらの素粒子の間に働く力は、重力・電磁力・強い力・弱い力の4つにシンプルに分類されるという。今まで小耳に挟んだことはあるが、詳しくは知らなかった、クオークのカラーやフレーバーの概念もクリアカットに説明されていて理解しやすかった。さらに対称性の高い世界を求めると、ビックバン直後の超高エネルギーの状態に行き着く。ここでは、前述の4つの力が一本化され、超対称性が成り立っていたという。宇宙が膨張しエネルギーが低下するにつれて、対称性が破れ4つの力が分化し、現在の状況になったという。つまり、宇宙の進化とは対称性が低下していく過程である、ということができる。この考え方は宇宙のみならず、生物や社会などあらゆる進化に拡張できるのではないか、と私は思う。どこから見てもほぼ同じに見える単細胞生物に比べれば、人間は明らかに対称性の低い形状をしている。社会についても、誰もがほとんど同じ生活を送っていた原始時代に比べれば、現代社会ははるかに不均一で対称性が低いといえる。宇宙開闢以来続いてきた、対称性の低下の流れの先端に、格差社会が位置しているのだろうか、などと考えさせられた。

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紙の本三四郎 改版

2006/09/27 01:31

時代を感じさせない青春小説

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

明治時代、東大進学のために地方から上京した、23歳の学生の物語である。上京から数ヶ月間の学生生活が、一人称ではないが、主人公三四郎の視点から描かれている。目玉はやはり都会的な女性、美禰子との出会いであろう。三四郎はあまりにもシャイであるがゆえに、自分の美禰子に対する恋愛感情を直視することができない。ただ彼女の言動を詳細に分析し、そこから彼女の自分に対する感情を推測して、一喜一憂するばかりである。ひたすら受動的である。美禰子も自分のふるまいが三四郎を翻弄していることは理解しているようであり、そのことを楽しんでいるふしも見受けられる。しかし、悪女に見られるような、陰湿で高慢な感じは全くしない。むしろ、自分と三四郎を迷える子羊に見立てた葉書を三四郎に送るあたりに、機知に富んだ彼女のユーモアを感じる。自分を素直に迷える者であると認める謙虚さにも好感が持てる。美禰子も都会にはめずらしい三四郎の純朴さに、ある程度惹かれていたのだろうと思われる。他の登場人物もいきいきと描かれている。親友の与次郎は三四郎とは対照的にちゃらんぽらんで、まじめな三四郎に講義をさぼることを教えるわ、借りた金を返さないわで、無茶苦茶で笑ってしまう。しかし、時に粋なやさしさを見せたりして、なかなか憎めない男である。家庭を持たず、功名心もなく、飄々と生きる高校教師広田先生は、三四郎に対しては、意外と父親的な思いやりを見せる。少々インテリ臭さが鼻につく科学者野々宮さんは、天真爛漫な妹に振り回されっぱなしである。それぞれのキャラクターに親しみを感じた。明治時代に書かれたとは思えないほど、ポップな青春小説である。読む者誰もが三四郎に、初恋の頃の自分の姿を重ねるであろう。

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