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先月(2017年6月)

ほりうちしのぶさんのレビュー一覧

投稿者:ほりうちしのぶ

4 件中 1 件~ 4 件を表示

なつかしいのに新しい

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 マキさんの絵って、尖ったものがないですね。かばんは四角いけど、角は尖っていないし、ヤギの角も先はちょっぴり丸くなっています。さて、このかばんを持ったヤギが、本作の主人公、魔術師ムッシュ・ムニエル氏。ヤギがなんで魔術師!?なんていってないで、ページをめくること。めくれば、なんともなつかしいような不思議な街があらわれます。作家の好きなもので満たされた、にぎやかな世界。でも、マキさんの絵本をみると、私はいつも音のない夢をみているような気分になります。たしかに、手に感触は残っているのに、実体がなくなっているような。ゆらゆらとした、でもたしかに在る、という感じ。

 ムッシュ・ムニエルの魔術でびんにとじこめられた少年も、そんな気分になったでしょうか。となりに立たずむ少女は、少年の手を握ってさえいれば、なにもこわくはないのでしょうか……。ムッシュ・ムニエルの旅は続きます。

 以前、福音館書店から3話1冊の絵本として刊行されていたものが、1話1冊となって、今回復刊されました。残りのお話は、秋と来春に。お楽しみに。

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紙の本ぼくおかあさんのこと…

2000/07/09 15:06

あなたに会えて、うれしい

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おかあさんは忙しい。
おかあさんはつかれる。
おかあさんは、ときどき、つらくなる・・・。

 そんな時、おかあさんはこの絵本を開きたくなる。なぜって、子どもがおかあさん、キライ」っていう顔は、とても愛おしいから。しっかり抱きしめてもらっていない子は「キライ」っていえない。「サヨナラ」だっていえない。

 親は親というだけで、子どもに愛されてしまう難儀でステキな存在。でも、それが重たくなる時も。このうさぎの子のおかあさんもそうかもしれません。日曜日、いつまでもねていて、朝ごはんも作ってくれない。せんたくだって、毎日しない・・・。でもね、「サヨナラ、おかあさん!」と子どもが出ていったドアのむこうをじっと見て、自分の胸に手をあてることはできる。そして「なあに?」とたしかに子どもの姿を見つめなおすことはできる。それで、じゅうぶんではないかしら。

 酒井駒子は前作『よるくま』(偕成社刊)で、母を恋い慕う子の心のふるえを夜の散歩に託して描きました。今回は筆跡の残る水色をバックに、子どもと親の再びの出会いを描いています。

 子どもは毎日、行っては戻ってくる。親はいつか子どもが戻ってこなくなることを知っている。だからこそ、戻って再び出会えた時、このうさぎの親子のように、しっかりと抱きしめたくなる、とわたしは思うのです。

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紙の本のはらクラブのこどもたち

2000/07/09 14:46

なにげないけど、すてきな1日

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 たかどのほうこは二人いる。ゆったり、ふんわり子ども時代を満喫しているたかどのほうこ。大人への細い道を自分の頭とからだをしっかりつかって踏みしめて進む高楼方子。どちらもいなくては、作家として在ることができなかったのではないか。二人の作家に会えて幸せに思う。

 『のはらクラブのこどもたち』は二重、三重に楽しめるつくりの童話になっている。表紙、見返し、裏表紙にも作家はおたのしみを隠してくれているし、ストーリーのなかで野草達の見つけ方や遊び方を教えてくれている。なんといっても、登場する子ども達が、かわいい。なぜって……それは読んでからのお楽しみ。

 こんなふうに、なにげないかたちで子ども達に楽しみを伝えてくれる本を見つけると、とてもうれしくなる。伝えるために、たくさん工夫をこらしているのに、その跡が見えないところが、作家の力量を感じさせる。それが、プロのお仕事ってものですね。こういう本をつくろうと思ってから、とても楽しんで草花をみつめていたんだろうな、たかどのさんは。わたしも子どもと野原にいこう。カーラちゃんやすずちゃんには会えるかな。こんちゃんがいたら、びっくりするだろうな。

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紙の本おばけまほうにかかる

2000/07/09 14:25

かわいいけれど、くせもある〜フランスの人気絵本登場!

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 フランスの絵本って、独特の雰囲気があります。ユーモアがあって、おしゃれで、ちょっぴり毒もある。ほら、タンタンやババール、三つ子ちゃん、それからショウボー氏やアンドレ・フランソワの絵本を見て下さい。そのなかに、新たな人気者が登場しました。

 ごちそうたべて、からだの色がかわっちゃう『おばけパーティ』(ほるぷ出版)で子ども達に大人気となったデュケノワのなかよしおばけシリーズの5冊目です。今回はおてんばな女の子おばけが魔法にかかって、魔女のえじきになってしまいそう、いったいどうなるの?という話を絶妙なコマ割りで描き出しています。不気味だけれどなんだかおかしな魔女と心配する仲間のおばけ達。ねむったまま、とことこ歩くカボチャ畑のシーンは必見。じっくり読めば、絵がいろんなサブ・ストーリーを教えてくれることでしょう。それが絵本を読む大きな愉しみの一つです。大人には、そこんとこ、苦手な人が多いけど、子どもはとっても得意です。だから、この作家は人気があるんだよ。

 女の子おばけは、どうやって魔女から逃れたのか? それは、小さなともだちの活躍でした。この、ちいさなってところが、また、子ども心をくすぐるのよね。 

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