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ワヤさんのレビュー一覧

投稿者:ワヤ

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二つの旅の終わりに

2004/02/16 19:01

一瞬の今を千年にも生きて

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 二つの旅、そう、人が生をつむぐのは長い一つの旅をすることにも似ている。第二次世界大戦末期オランダにおける19歳の少女ヘールトラウの物語と、現代の17歳イギリス少年ジェイコブの物語が、交互に語られていく。
 ヘールトラウは澄みきった青空から、落下傘が紙吹雪のように舞い降りてくるのを見た。連合軍だ!解放だ!人々はこのときを待ちこがれていたのだ。この日ヘールトラウの家の扉を叩いたのは、うっとりするようなきれいな瞳のジェイコブだった。ジェイコブは重傷を負って再びヘールトラウのもとに現れ、彼女の看護が始まった。庇護してくれる両親とも離れ、物もなく、発見されることにおびえながら、ひたすらただ、生きることを生きた。
 やがてヘールトラウとジェイコブはお互いにお互いのものとなった。がしかし、彼らの蜜月は6週間に過ぎなかった。まばたきすれば消えてしまうくらいの短い日々。とはいえ生きていることの証は生きていた時間の長さで計るものではない。あれほどに凝縮された生はなかった。あるのは「今」だけ。この瞬間だけ。彼らはことあるごとにベン・ジョンソンの詩を暗誦した。「たったひと日の命でも、/五月の百合は麗しい、/たとえその夜に伏して死すとも。/そは内なる光を映す花。」
 そのジェイコブの孫、祖父と同じ名を持つジェイコブは、末期癌のヘールトラウに招かれてオランダを訪れた。着いたところで異文化圏でのカルチャーショック、招かれざる客であるかのような違和感。名づけたところのネズミ気分。しかし徐々に周りの人々やオランダ文化に心をひらいていく。手渡されたヘールトラウ手記により、ジェイコブの祖父ジェイコブとヘールトラウとの深い絆が明らかになる。
 「アンネの日記」を介しての文学論、レンブラントの芸術論、歴史と戦争、異文化論、家族、同性愛などさまざまな形の愛、生と死、安楽死・・・。一度読めばまた読み返したくなり、さらにあれはどこだっけとまた読み返すことになる。
 本を閉じて自分の生を振り返り、自分の愛を省みるだろう。ひとりひとり違うその形を自分で自分に頷こう。
カーネギー賞、ブリンツ賞(ニューベリー賞のYA部門)受賞。著者は国際アンデルセン賞受賞。

★★★★★

(ワヤ/図書館の学校・児童書選書委員会)

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