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ロジャー・パルバースさんのレビュー一覧

投稿者:ロジャー・パルバース

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著者コメント

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 人間は、ことばを話すより前に、歌った、と言われています。何万年も前、人間が初めて発したのは、おそらくは子守唄の、歌詞(lyrics)だった、と思われます。

 確かに、歌にしたことばは、単に発したことばより、はるかに鮮明に頭に残ります。詩は、人類最古の発話の形式です。

 英語の本質を理解し、楽しんでみるには、リメリックを読むのがいちばんかもしれません。一見、リメリックは、素朴な短い詩(ditty)に見えます。そこに表現されている意味内容も、あまり深いものでない場合がほとんどです。英語のリメリックをほかの言語に文字通りに訳してみても、まったく面白くなんともないかもしれません。

 それは和歌と同じです。和歌に表現されていることだけを見れば、取り立てて面白いものに思えないかもしれません。ただ、風景が詠まれている、愛が告白されている、というだけのことだったりします。しかし、そのリズム(歌)は、一篇一篇すべて違います。和歌を深く読み込めば、日本語の美しさと深みが感じ取れるはずです。

 英語のリメリックにも、リズムと韻があります。「リメリックは形式としては、五行から成っていて、一、二、五行目が韻を踏み、三、四行目が別の韻を踏んで、三、四行目はたいていほかの行より短い。これが基本形である」と、本書『五行でわかる日本文学 英日狂演滑稽五行詩(リメリック)』の訳者の柴田元幸さんは、リメリックについて、「あとがき」で、説明してくれます。

 ぼくは、2002年4月から1年間、東京大田区蒲田の柴田元幸さんの古家(柴田さんの生家です)に居候させてもらい、そのあいだに本書に収録した日本の作家についてのリメリックを書き上げました。紫式部や吉田兼好から、森鴎外や夏目漱石、宮沢賢治や谷崎潤一郎、坂口安吾や太宰治、三島由紀夫や安部公房、さらには井上ひさしや村上春樹まで、全部で25篇の日本文学利目律句(リメリック)を書き上げました。(「おまけ」も数篇あります。)英語のリメリックは、おかしくて(funny)、毒があって(caustic)、皮肉もこめられていて(ironical)、くすぐるような感じ(titillating)がないといけません。本書『五行で読む日本文学 英日狂演滑稽五行詩(リメリック)』に収録した25篇(+おまけ)のリメリックには、そのすべての要素が備わっていることを、著者としては祈るばかりです。昔から文学についてのリメリックはたくさん書かれていますが、日本文学について書いたリメリックをまとめたのは、本書が初めてだと思います。

 柴田元幸さんは、ぼくの英語のリメリックを実にすばらしい日本語に訳してくれました。柴田さんの翻訳には、原文のニュアンスやユーモアがあますことなく再現されています……それはあるいは原文を超えてしまっているかもしれません。そして喜多村紀さんは、独自の視点から日本の作家たちの肖像を描いています。日本の作家たちをこれほど諷刺的にとらえた絵を描いたのは、おそらく喜多村紀さんが初めてだとぼくは思います。

 断言できますが、このような本はかつて日本で出版されたことはありません。本書は本の蒐集家たちのあいだで大変な話題になることでしょう。

 世界中の本の蒐集家のみなさん、早めに購入しないと、この本はすぐに売り切れてしまいますよ!

■著者・ロジャー・パルバース氏と訳者・柴田元幸氏の対談も好評オンエアー中!

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