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先月(2017年8月)

山中恒さんのレビュー一覧

投稿者:山中恒

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著者コメント

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 1999年に『間違いだらけの少年H』を上梓した山中恒・山中典子のコンビは、2000年には『書かれなかった戦争論』を出版した。
 しかし、この事実誤認ででっちあげられたでたらめな小説『少年H』は「平成の名作」として国語教科書に掲載され、あたかも昭和戦後史の定説になろうとしている。
 なぜ、こんな不思議なことになったのか。
 本書では『間違いだらけの少年H』で取り上げきれなかった問題を『少年H』に描かれたエピソードに立脚して、さらに戦後史の盲点に挑戦した。
 この盲点というのは、戦後歴史観によって故意に排除されたものか、あるいは無意識に見落とされたかして、戦後史から欠落した重大な問題点である。
 もちろん戦後、しばらくの間は、そうした盲点も盲点にはなってはいなかった。それほど遠い昔のことではなく、共通体験の範囲内として理解されていた事柄であったからだ。だが、それがそのまま解説なしに戦後56年になろうとしている。
 そのために、戦後すぐに常識的に理解されていたことが、いまは謎として盲点になってしまったのである。だから、この盲点の解明なしに戦後史を見ると、戦後史は年表的資料の羅列に終わり、生きた戦時史にはならないし、理解しにくい。
 コンビは前2著に続いて問題をその盲点に絞り、当時の国民になされた国家権力側の啓蒙文や総合雑誌のジャーナリズムの反応などの一次資料に焦点を合わせながら盲点を読み解いていく。
 今、勢いを得て民主主義を否定しようとする復古主義的教科書やら学校行事、儀礼や政治家の靖国神社参拝や神宮参拝の原点を学ぶことは、こうしたものによる露骨な攻撃に対して理論武装の一助となるはずである。

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